群馬県 道の駅富弘美術館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

車椅子でお出かけ バリアフリー美術館情報~富弘美術館

群馬県みどり市、美しい自然に包まれた草木湖の畔に建つ富弘美術館は、事故により手足の自由を失った星野富弘氏の作品を公開しています。施設はバリアフリー設計で、車椅子で作品を鑑賞できる美術館です。

2005年に道の駅登録になりました。商業施設として登録される「道の駅」は、草木湖畔にある「草木ドライブイン」。食堂、売店、隣接してCVS、トイレ棟があります。「草木ドライブイン」は道の駅の「商業ゾーン」という位置付けで、1Fは車椅子で利用できます。

「富弘美術館」は道の駅の「文化ゾーン」で、「草木ドライブイン」から300mほど離れた場所にある美術館です。以下、美術館のバリアフリー状況を紹介します。

星野富弘氏は1946年に群馬県勢多郡東村に生まれました。現在のみどり市東町で、富弘美術館は富弘氏の故郷であるこの地に、1991年に村立美術館として開館しました。現在の美術館は2005年に誕生した新館です。

車椅子でお出かけ バリアフリー美術館情報~富弘美術館

アクセスは車で、伊勢崎ICなど北関東自動車道のICから約1時間かかります。

草木湖は1977年に完成した渡良瀬川の人口ダムです。ダム建設の着工は1967年。星野富弘氏の幼年期の東村には、草木湖はありませんでした。

車椅子でお出かけ バリアフリー美術館情報~富弘美術館

無料駐車場があります。一般駐車場は国道122号線の反対側にありますが、大型バス用の駐車場と身障者用駐車区画は、美術館エントランス前に用意されています。

屋根無し構造の幅広駐車区画です。美術館入口まではフラットな舗装路で50mほどの距離があります。

車椅子でお出かけ バリアフリー美術館情報~富弘美術館

観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が半額に減免されます。

4月から11月までは原則無休。12月から3月までは月曜日(祝日の場合は翌日)休館。他に臨時休館日があります。開館時間は9時から17時までです。

車椅子でお出かけ バリアフリー美術館情報~富弘美術館

館内のバリアフリー状況です。富弘美術館はワンフロアで館内はフラット構造です。建物外観は正方形ですが、屋内にある33の部屋はすべて円形で、内部には廊下や柱が全くありません。

エントランスから館内に入ると円形のロビーがあり、右側にはミュージアムショップやカフェ、「空の部屋」「風の部屋」などが連続して配置されます。

正面から左手にかけて、大小8つの展示室が繋がります。事務所や倉庫などバックヤードの部屋も、すべて円形です。

ロビー横にトイレがあり、バリアフリートイレが2つあります。トイレ内には、大人が使用できるサイズのユニバーサルベッドが備えられています。

富弘氏は群馬大学を卒業して中学校の体育教諭になります。そこでクラブ活動指導中に事故にあい、脊椎を損傷し手足の自由を奪われます。入院中に口に筆をくわえて文字や絵を描き始めました。作品は詩画。多くは花の絵と詩で構成される作品を発表しています。

富弘氏の詩画を静かにゆっくり鑑賞できる美術館です。展示方法はオーソドックスな壁掛け展示。車椅子からでも見やすい高さに展示されます。

作品に十分に近づいて鑑賞できるので、描かれている詩も全て読むことができます。作品の下部には、詩の英訳が掲示されています。

小展示室の一つには、富弘氏が最初に使用した車椅子が展示されています。おそらく1970年前後に製作された車椅子です。

施設屋外のバリアフリー状況です。草木湖の美しい風景に囲まれた美術館です。館内のカフェや休憩室からは、バリアフリーに外の景観を眺望できます。

車椅子でお出かけ バリアフリー美術館情報~富弘美術館

また美術館の周囲は舗装された散策路があり、アップダウンはありますが車椅子での屋外散策がある程度は可能です。

車椅子でお出かけ バリアフリー美術館情報~富弘美術館

車椅子でお出かけ バリアフリー美術館情報~富弘美術館

富弘美術館はバリアフリー美術館です。口で描かれた富弘氏の詩画を車椅子から鑑賞できます。

みどり市にある渡良瀬渓谷「高津戸峡」の詳しいバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年2月の取材に基づいています)