東京都台東区、日暮里駅の近くに大仏様がいらっしゃいます。境内への入口にはスロープがあり車椅子でお参りができます。谷中霊園に隣接した「護国山尊重院 天王寺」のバリアフリー状況を紹介します。
車椅子でのアクセスルートです。境内には一般参拝者用の駐車スペースはありません。また谷中霊園に隣接しているので、すぐ近くにはコインパーキングも見当たりません。HPでは日暮里駅南口から徒歩2分の案内です。
車椅子の場合、駅からのルートが要注意です。2分で移動できる最短ルートには、途中に「もみじ坂」という階段路があり、車椅子での通行は困難です。霊園内の歩道も、車椅子での通行が難しい悪路です。車椅子では、南口ではなく日暮里駅西口から、谷中霊園の外周を回るように舗装路を進みます。霊園を四分の一周したあたりに、園内に入ることができる舗装路があるので左折します。そこから「天王寺駐在所」前を左折して、150mほど進むと天王寺があります。この迂回ルートは、日暮里駅西口から700mほど距離があります。
天王寺の山門からの入口は段差があります。
山門の横にあるコンクリート製の門から入ると、約半分の幅がスロープ化されている階段路があります。スロープの傾斜角度はそれほどきつくはありません。一般的な車椅子利用者や介助者なら問題なく通行できます。
境内の主な通路は、石畳風の舗装路です。路面にデコボコはあまりありません。車椅子で移動できます。
手水舎は手前に段差があり、車椅子からはやや利用しにくい構造です。
大仏様の前、ご本堂の前まで車椅子で行けます。
車椅子でお参りができます。
境内には毘沙門様や複数の菩薩様などが安置されています。
大仏様は元禄3年の作と伝承されています。通称は「元禄大仏」です。現在の谷中霊園の大半は、江戸時代には天王寺の境内であったそうです。
また天王寺は幸田露伴の「五重塔」の題材、谷中の五重塔があったお寺です。五重塔は昭和32年に放火によって焼失しました。
駅の近くですが、霊園の一角にある閑静なお寺です。谷中の天王寺は、アクセスルートを間違えなければ、車椅子でお参りができる寺院です。
文京区の「光源寺」には「駒込大観音」様がいらっしゃいます。別稿で紹介しているので、ぜひご覧ください。
(本稿は2020年5月に執筆しました)