白金旧浅香宮邸 東京都庭園美術館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都庭園美術館

東京都庭園美術館は2018年3月にすべての工事が完了し「総合開館」しました。現地のバリアフリー状況を紹介します。

東京都庭園美術館

東京都庭園美術館は、1933年竣工の旧浅香宮邸です。フランス滞在中にアール・デコに魅せられた浅香宮ご夫妻が建てた自宅で、戦後の1947年から1954年の間は首相公邸に、1955年から1974年までは国賓公賓を迎える「白金迎賓館」として使用されました。

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東京都の有形文化財に指定されています。2011年から3年の大改修が行われ、2014年に新館が完成して再び公開されるようになりました。その後さらにリニューアルを順次進め、最後の工事「西洋庭園」と「レストラン棟」改修が完了し、2018年3月に「総合開館」が宣言されました。

東京都庭園美術館

本館内は当時の様式が手仕事で復元されています。応接室の様子です。

東京都庭園美術館

照明器具も復元されました。

東京都庭園美術館

一つ一つが手作りの逸品で、手作業で修復されました。

東京都庭園美術館

メインダイニングは円形です。

東京都庭園美術館

このようなテーブルが配置されていました。ご家族で食卓を囲まれたそうです。

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ダイニングボードも手作りです。

東京都庭園美術館

素敵な暖炉があります。各部屋の暖房器具は見どころです。

東京都庭園美術館

別のお部屋には違うテイストの暖房器具があります。

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2階のお部屋の一つには、大きな窓の下に暖房器具があります。

東京都庭園美術館

このお部屋も窓の下に暖房器具があります。

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2階の大きなサイズの部屋の暖房器具は、少し大きな造作です。

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2階のホールは家族団らんのスペースだったそうです。

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書斎が再現されています。

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2階のバルコニーは車椅子で見学できます。

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歴史ある文化財なので、すべてをバリアフリー化してはいません。あえてバリア構造を残し、決定的な段差には移動式スロープをその都度設置するなど、スタッフの人力で対応しています。バリアフリー化された箇所、あえて残されたバリア構造、その全貌を紹介します。

東京都庭園美術館

本館入口は変わらずに段差構造です。

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車椅子で本館に向かうと、スタッフが簡易スロープを設置します。段差は連続して2か所あるので、二つのスロープを車椅子で上がります。力が必要な簡易スロープなので、介助者と同行することをお薦めします。

本館入口は簡易スロープ対応

出口も同じ出入口です。再び2つの段差を簡易スロープで下ります。お帰り前にスタッフに声をかけてください。すぐにスロープの準備をしていただけます。

館内フロア内の小さな段差は、以前よりも随分穏やかになりました。それでも部屋の出入口などに小さなデコボコはあります。大きな段差がある箇所には注意を促す案内が掲示されているので、車椅子では慎重に進んで下さい。

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本館の横にエレベーター棟が増築されました。

東京都庭園美術館

エレベーター1Fの乗り口は、新館へ向かう歩道の横です。いったん本館を出て左側です。そしてエレベーターで2Fへ上がります。

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エレベーターが新設されましたが、本館の2Fは同フロア内で段差のある構造です。2F内でスロープ対応があります。このスロープもそれほど楽な傾斜ではなく、力が必要です。一段低い「姫宮居間」の高さにエレベーターの降り口があります。一段高い「北の間」などがあるメインフロアへは簡易スロープで上ります。スロープはスタッフが用意します。

車椅子では見学できない箇所が一か所だけ残りました。本館の3F相当部にある「ウインターガーデン」です。ここへのアクセスルートは2Fから「第二階段」で行くしかありません。

新館はバリアフリー仕様で車椅子での利用に大きな問題はありません。ギャラリーやカフェも車椅子で利用できます。

東京都庭園美術館

新館には綺麗なバリアフリートイレがあります。スペースは一般的なサイズの個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。

東京都庭園美術館

バリアフリートイレは本館1Fにも設置されています。

障害者用トイレは本館1F

庭園のバリアフリー状況です。日本庭園は一部バリアルートが現存し、車椅子での回遊は出来ません。

西洋庭園はバリアフリー

石路面の散策路など車椅子で通行できないルートが残っています。

日本庭園はバリアルートが現存

それでも庭園の眺望を楽しめるポジションまでは、車椅子で行くことができます。

日本庭園はバリアルートが現存

西洋庭園の園路はバリアフリーに改修されました。本館側の庭園入口は段差解消スロープが設置されています。

東京都庭園美術館

庭園内の散策とほぼフラットな舗装路です。

東京都庭園美術館

芝生広場内へも車椅子で進むことができます。

西洋庭園はバリアフリー

そして庭園の端、改修されたレストラン棟の2F部を活用してバリアフリートイレが新設されました。一般トイレはなくバリアフリートイレが1つあるトイレです。

西洋庭園はバリアフリー

この西洋庭園とレストラン棟の改修が、最後に行われた工事になります。

西洋庭園はバリアフリー

庭園の入園料及び展覧会の観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者2名まで無料に減免されます。庭園入口および美術館入口で障害者手帳等を提示して減免措置を受けてください。

東京都庭園美術館は来館者用の有料駐車場があります。駐車場の駐車料金も障がい者減免制度があり、無料に減免されます。駐車スペースは本館の奥です。正面入口前でスタッフから駐車許可書をいただき園内へ進みます。通常の身障者用駐車スペースと、本館に近い場所に特別駐車スペースが用意されています。

東京都庭園美術館

東京都庭園美術館は、本館と日本庭園には、あえてバリア構造を残しています。そして簡易スロープを利用する際には、少し力が必要です。それでも総合的には、車椅子で利用できる美術館です。

「東京都写真美術館」「東京都現代美術館」の情報を別稿で掲載しています。ご参照ください。

(本稿は2022年5月に加筆しました)