「東京スカイツリー」は、車椅子で「展望デッキ」「展望回廊」が利用できるバリアフリー施設です。天空にバリアフリートイレがあり、展望デッキ間のフロア移動は車椅子専用エレベーター、展望回廊はすべてスロープ構造です。
本稿では「東京ソラマチ」を含めて、車椅子からみた現地のバリアフリー情報を紹介します。なお本稿で紹介するサービス運用は、2016年に確認した内容です。コロナ禍以後、その時期の社会情勢により運用が変わることをご承知おきください。
○チケット予約をしていない車椅子利用者
東京スカイツリー展望デッキは、チケット購入に1時間以上の行列ができることがあります。
この列に車椅子利用者が並ぼうとすると、「こちらにどうぞ」とスタッフから声がかかります。車椅子利用者が1名いるだけの小グループにも、原則声がかかります。そしてすぐにチケットが買えるコーナーに誘導されます。チケットを購入すると、その時点での待ち時間に応じて「○○分後にこちらにおいで下さい」と案内されます。
○チケットを事前購入した障がい者の場合
入場予約チケットを事前購入する場合、ネットやCVSでの購入時には、障がい者減免が受けられません。正規料金で買ったチケットをもってインフォメーションに行き、障害者手帳等を提示して減免分の還付を受けます。
ちなみに料金の減免は、障害者手帳を持っているかが基準です。車椅子に乗っていても、手帳が無ければ減免は適用されません。
○エレベーターへの案内
展望デッキへのエレベーターは、予約チケットを持っていても、混雑時は10分から20分程度は行列に並びますが、車椅子利用者は、インフォメーションからこの行列に並ばないルートに案内されます。この特別対応も、車椅子利用者が1名いるだけの小グループは、原則全員に適用されます。
展望デッキから展望回廊への上り。展望回廊から展望デッキへの下り。展望デッキからの下り。いずれも車椅子利用者がエレベーター利用をしようとすると、スタッフがグループ全員を別誘導して、タイミングをみて同じエレベーターに乗るように誘導します。
チケットとエレベーターに関して、車椅子利用者は特別対応をしていただけます。
○特別対応が嫌な人への配慮
これらの特別対応を重荷に感じる人は、特別対応を拒否できるそうです。スタッフに申告相談して下さい。
ただし混雑が激しく、その中に車椅子が並ぶと危険性があると判断される場合もあるそうです。そういうケースでは、スタッフの指示に従っていただきたい、ということです。
むしろ、知的障がい、コミュニケーション障がいのある人で、並ぶこと、待つことが苦手なタイプの人にとっては嬉しい特別対応です。車椅子で知的障がいがある人の場合は、もちろん特別対応の対象です。
普通に歩けるが、並ぶこと、待つことが苦手なタイプの人の場合は、知的障害または精神障害の手帳を持っていれば、スタッフに相談して下さいとのこと。原則として、手帳を持っているか、車椅子に乗っているかが、特別対応の適用基準になるようです。
○知られていない穴場情報
下層フロアの1F無料ゾーンに「隅田川デジタル絵巻」という、全長45mのグラフィック壁画があります。このフロアは団体用のフロア。お土産屋さん「ザ・スカイツリーショップ」もあります。1Fへはエレベーターで下りることができます。車椅子で鑑賞できる絵巻展示です。
○スカイツリータウンの駐車場の状況
車移動派の車椅子利用者の方への情報です。駐車場は地下駐車場と立体駐車場に大別されます。車の進入経路でどちらに入るか決まるので、こだわりのある方はHPでルートを研究してください。
地下駐車場には機械式があります。機械式ですが、車をまるごと横移動して格納するタイプで、ドアが広々開けられます。複数のゲートがあるので、乗降に時間のかかる方もプレッシャーを受けずに利用可能です。
身障者用平置き駐車スペースも各階に確保されています。駐車場内にいるスタッフの方に、車椅子利用の旨を申告してください。空いていれば身障者用駐車スペースに誘導していただけます。車高が高い大型の福祉車両を利用される場合は、サイズ的に一般の駐車区画及び機械式に入りません。事前にコールセンターに連絡することが推奨されています。
○スカイツリータウンのバリアフリートイレとインフォメーション
「東京ソラマチ」はバリアフリートイレの数が多い施設です。1Fから4Fまでの各階にはそれぞれ3カ所設置。5Fは構造上の都合で2か所。6F以上のフロアは「East Yard」だけになるので、6Fは1カ所、7Fは2か所、8Fと9Fは1カ所。10Fだけはバリアフリートイレがありません。「ソラマチダイニングスカイツリービュー」となる30Fと31Fはそれぞれ1カ所。合計21カ所のバリアフリートイレが設置されています。オストメイト設備がないのは、このうちの2か所だけです。
またインフォメーションカウンターが、1F、3F、4F、5Fの館内に4か所配置されています。車椅子の貸し出しはここで。通常3人ほどスタッフが常駐しているので、合計10人以上のスタッフが、常時スタンバイしています。車椅子で困ったことがあったら、インフォメーションカウンターを利用してください。
○スカイツリータウンのエレベーターの状況
エレベーターは1Fから4Fまで5系統あり、混み合いません。5Fから8Fまでは2系統。9Fと10Fは1系統で、30Fと31Fも同じく1系統です。
エスカレーターがあるのは1Fから8Fまで。9Fより上は、階段またはエレベーターの選択になります。
駅直結、駐車場直結、アクセスの良さは紹介するまでもありません。東京スカイツリーは、車椅子で安心して利用できる施設です。
東京スカイツリーの観光のついでに立ち寄れる、近隣マイナースポットを紹介します。別稿をご参照ください。
・アニメとコラボしたカワイイものが溢れる境内が人気の「高木神社」
・隅田川と下町の歴史と文化を知る博物館「すみだ郷土文化資料館」
他にも近隣の面白い観光スポットを紹介しています。「墨田区」でサイト内を検索してご参照ください。