江戸東京博物館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

※江戸東京博物館は2022年4月から、改修工事により長期休館になります。

東京両国にある「江戸東京博物館」は、多くの障がいのある人とその家族に利用されているバリアフリー施設です。現地の状況を紹介します。

江戸東京博物館には、障がい者減免制度がある有料駐車場があります。車両入場口から敷地内に入ると、ゲートのところにボックス形式の係員常駐所があります。そこで障害者手帳を提示すると駐車許可書が発行されます。このカードをダッシュボード上など車外から見えるところに掲示。あとはスタッフの誘導に従って車を進めます。

駐車場のスペースは相当広いので、混雑していても滅多に満車にはなりません。身障者の車両は、通常は建物の下の雨に濡れない駐車スペースに誘導していただけます。

障がい者の利用がたいへん多い駐車場です。週末は車椅子対応の車両を何台も見かけます。重度の障がいのある人と家族のお出かけ先として、選ばれている施設です。

便利な駐車場あり

両国駅からも近く、電車でのアクセスも便利です。都営地下鉄駅、JR駅から、車椅子での移動は可能です。ただし短距離ですが屋根の無い区間を通るので、雨の日は濡れます。

駅からも近い

駐車場からでも、駅からでも、入館するのは1Fです。1Fには「特別展示室」、ミュージアムショップ、「墨田区文化観光コーナー」、総合案内所、そしてカフェとレストランなどがあります。

施設の全体概要

2Fはなく、3Fはチケット売り場とイベントスペースになるテラス広場、そして休憩所があります。

施設の全体概要

4Fはなく、5Fと6Fが常設展示室です。

施設の全体概要

7Fは図書室と映像ライブラリー、レストラン、そして眺めの良い窓があります。以下、車椅子で各階を利用する際のポイントを紹介します。

1Fのバリアフリー状況です。1Fの総合案内所に、チケット購入の行列が出来ていることがあります。江戸東京博物館は常設展、企画展とも、障害者手帳の提示で本人と介助者2名までの入館料が無料に減免されます。チケットへの事前交換は不要で、展示室入口で手帳を提示する方式。チケット売り場に並ぶ必要はありません。

障害者はチケット不要

1Fミュージアムショップは、店内通路幅に余裕があるので、車椅子で利用しやすいお店です。

1Fミュージアムショップ

特別展示室の出口付近にある企画展のミュージアムショップと「カフェ三笠」は、スペースにあまり余裕がありません。混雑時の車椅子での利用は、やや苦戦します。

1Fミュージアムショップ

3Fのバリアフリー状況です。地上から3Fへは、通常ルートは階段か長いエスカレーターで移動します。

3Fのバリアフリー状況

車椅子では、館内の1Fと5F以上をつなぐシースルーエレベーター2基を利用します。

3Fのバリアフリー状況

3Fの広場はフラットで車椅子で利用できます。

3Fのバリアフリー状況

3Fには2か所の休憩所があり、段差解消スロープがあります。

3Fのバリアフリー状況

また汐留の遺構の展示などいくつかの展示物があります。

3Fのバリアフリー状況

この広場で様々なイベントが開催されることもあります。

3Fのバリアフリー状況

6Fが常設展の入口です。1Fまたは3Fからエレベーターで移動します。1Fからの場合、エレベーターは6F直行の大型2基と、シースルーエレベーター2基の2系統があり、どちらも利用できます。

車椅子で常設展入口まで進み障害者手帳を提示します。スタッフから車椅子での常設展見学について簡単な説明があります。常設展全般、車椅子利用で困ることはありません。不明な点があれば近くのスタッフに確認してください。

常設展入口は6F

常設展は6Fと5Fの2フロア構造。健常者はエスカレーターでフロア間を移動します。車椅子利用者は「江戸ゾーン」の正面からみて左側の奥にあるエレベーターで5Fへ下ります。6Fの見学が終わったらスタッフに声をかけてください。スタッフの誘導を受けての利用になります。この車椅子での5Fへの行き方は、6F入場時にスタッフから必ず説明があります。

5Fの多くの展示物は、車椅子からみやすい構造と高さになっています。

多くの展示物はバリアフリー仕様

展示解説のタッチパネルの多くは、車椅子で脚が入るスペースのある設定で、高さも車椅子に合わされています。また多言語対応です。

多くの展示物はバリアフリー仕様

7Fのバリアフリー状況です。7Fへは2基あるシースルーエレベーターを利用します。エレベーターホールの横が、眺めの良い窓がある展望室のようになっています。ただし窓の位置が高いため、車椅子からの目線では地上を臨むのは難しい角度になります。

7Fのバリアフリー状況

図書室と映像ライブラリーは車椅子で利用できます。

7Fのバリアフリー状況

7Fのレストランは、バリアフリー仕様。車椅子で利用しやすい和食と甘味のお店です。

7Fのバリアフリー状況

バリアフリートイレの状況です。バリアフリートイレは1Fに3カ所、3F、5F、6F、7Fにそれぞれ1カ所配置されています。以前はどのトイレもほぼ同じ設備でしたが、この数年の施設改装により、オストメイト対応やウォシュレット付きトイレが順次導入されています。現時点ではトイレによって設備の状況が違うので、余裕があればトイレを選んで利用してください。

読者からの情報では、ベッドでの休憩や医療行為等が必要な障がいのある方は、救護室を利用させていただけるようです。施設にご相談ください。

多くの展示物はバリアフリー仕様

お出かけが大変な、重度障がいのある人とその家族にも、お薦めできる施設です。江戸東京博物館は、車椅子で利用できるバリアフリー博物館です。

別稿で「東京両国 車椅子お散歩コース バリアフリー施設情報」を掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年6月の取材に基づいています)

東京国立博物館 平成館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

トーハクで特別展などが開催されるのが「平成館」。皇太子さまのご成婚を記念して1999年に開館しました。法隆寺宝物館と並び、トーハクでは最も新しい建物です。平成館のバリアフリー状況を紹介します。

東京国立博物館~平成館バリアフリー

2フロア構造で、特別展示室は2Fです。エントランスを入ると、正面が特別展の受付。その左手側は広い休憩スペースです。手前半分が低いソファーが置かれた休憩スペース。奥半分はテーブル式のフリー喫茶スペースで、自販機があり、特別展開催時は飲食系の売店が営業しています。車椅子で軽く飲食したい時は、ここ平成館1Fティールームが便利です。

東京国立博物館~平成館

1Fと2Fにそれぞれバリアフリートイレがあります。

東京国立博物館~平成館

やや狭い個室です。介助者と利用する場合、スペースはギリギリです。

東京国立博物館

もう少し広いスペースが必要な方は、本館B1のトイレへを利用してください。

東京国立博物館

また読者からの情報では、ベッドでの休憩や医療行為等が必要な障がいのある方は、救護室を利用させていただけるようです。トーハクにご相談ください。

平成館2Fの特別展示室で開催されるトーハクの特別展は、障がい者減免制度があり本人と介助者1名が無料に減免されます。特別展1F受付で障害者手帳等を提示してください。車椅子利用者はエレベーターに案内されます。このエレベーターはストッパーが置かれているので無断利用できません。必ずスタッフの誘導にしたがってください。2Fから利用する際も同様です。

東京国立博物館特別展「ポンペイ」

2Fはバリアフリー構造で、車椅子での利用に大きな問題はありません。展示室内はその時の企画展次第ですが、今や車椅子で鑑賞できない特別展はありません。一般的な特別展のルートは「第Ⅰ会場」→「第Ⅱ会場」→「お土産コーナー」の順です。

東京国立博物館~平成館バリアフリー

1Fは広い休憩スペースと展示スペース、そしてエントランス近くに「ガイダンスルーム」があり、通常は特別展の解説ビデオがリピート放映されています。ここは車椅子への特別な配慮はありません。一番前や通路側に車椅子を停めてビデオを鑑賞します。特別展に入る前に、ガイダンスを受けると理解が深まります。

平成館1Fの常設展は「考古展示室」。埴輪や土器などが多数展示されています。

東京国立博物館

本館と違い新しい建物なので、車椅子でより快適に観覧できます。他に「企画展示室」があり、小規模ながらその時々の企画が展示されます。

東京国立博物館

考古展示室の奥に進むと屋内通路があり、本館にそのままつながります。

東京国立博物館~平成館

この通路はフラットで、途中に庭園を臨む飲食禁止の休憩ポイントがあります。屋内からトーハク庭園を眺めるポイントです。

その先の本館へつながる通路の壁面には、各地で開催される美術系企画展のポスターが展示されています。車椅子で見ることができるので、各地の企画展がチェックできます。

東京国立博物館~平成館

コロナ禍以後、特別展の観覧ルールが何度か変更されています。2022年1月に開幕した「ポンペイ」は、原則事前予約制です。ただし障がい者減免制度の対象となる障がい者と介助者は、事前予約不要で観覧できます。今後ルールが変更されるかもしれません。最新情報を確認して観覧してください。

東京国立博物館

平成館で開催される企画展は、近年とてもバリアフリーへの配慮がある展示になっています。平成館は車椅子で観覧できる施設です。

なお東京国立博物館内の各施設の詳しいバリアフリー状況は以下の別稿を参照してください。

〇東京国立博物館 本館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

〇東京国立博物館 東洋館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

〇東京国立博物館 法隆寺宝物館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

〇東京国立博物館 表慶館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

〇東京国立博物館 日本庭園 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

〇車椅子で行く東京国立博物館 身障者用駐車場利用ガイド

(本稿は2018年7月に執筆し、2022年8月に加筆しました)

東京国立博物館 本館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

トーハク本館は「日本ギャラリー」です。1Fはテーマ別の展示、2Fは年代順の展示で、日本の美術を紹介します。2代目の建物ですが、それでも開館は昭和13年。基本設計はバリフリーではありません。車椅子利用で気をつけたいポイントを紹介します。

正面からトーハク本館を鑑賞します。洋風建築に瓦屋根を載せた「帝冠様式」で、2001年に重要文化財に指定されました。

東京国立博物館

建物正面は階段ですが通行禁止で、一般ルートは横のスロープからエントランスへ向かいます。エントランスから建物内に入る箇所は階段です。健常者はこの階段ルートを通ります。車椅子はスロープがある左端へ進みます。このスロープはやや傾斜がきついので注意してください。少し力が必要です。

東京国立博物館

館内に入ってからもう一つスロープを通ります。その先の自動ドアを通過すると正面ロビーに出ます。

東京国立博物館

トーハク本館はB1から2Fまでの3フロアありますが、B1には展示室がないので、実質的には2フロア構造です。エントランス正面に立派な階段があります。大理石の手すりに鋳物の装飾物、上を見れば格天井。スロープを上り玄関に入ったら、階段を鑑賞してください。

東京国立博物館~本館

広い本館にエレベーターは1基あります。入口正面からみて階段の左側です。階段嫌いの人が大勢利用するので、運が悪いと混み合うこともあります。かごのサイズは大きいエレベーターで、大型の車椅子でも搭乗できます。

東京国立博物館

1Fと2Fにそれぞれ10の展示室があります。展示室内は、ほとんど段差はありませんが、展示室を繋ぐ箇所に小さな段差があることが多いので注意してください。

東京国立博物館

なかには車椅子が引っかかるレベルのデコボコがあります。ゆっくり慎重に進めば大きな問題はありません。

東京国立博物館

以上のように床面は完全にフラットではありませんが、展示方法はバリアフリーで、車椅子で鑑賞が難しい展示はほぼありません。

東京国立博物館

稀に企画展示コーナーで、書面や巻物などが、上から覗き込むショーケースに、平面に置かれていることがあります。

東京国立博物館

バリアフリートイレは、B1、1F、2Fの3フロアにそれぞれ2戸、合計6か所あります。1Fと2Fのトイレはスペースが少し狭い個室です。車椅子は入りますが、介助者と一緒、あるいは大型車椅子使用だと、やや苦戦します。B1のバリアフリートイレは、一般的なサイズの個室です。

東京国立博物館

また読者からの情報では、ベッドでの休憩や医療行為等が必要な障がいのある方は、救護室を利用させていただけるようです。トーハクにご相談ください。

本館1Fにはミュージアムショップがあります。鳥獣戯画のネクタイなど、ここにしかないグッズが4500点。ショップ内の通路は一般的な幅で、車椅子から見やすいショーケースです。床面はフラットで、中二階書籍コーナーへはスロープで上がることができます。混雑していることが多い、人気のミュージアムショップです。

東京国立博物館

正面玄関の裏側、トーハク庭園を臨む場所にラウンジがあります。特に1Fのラウンジはアールデコ調で、車椅子で室内の装飾と外の庭園の風景を楽しめます。15室と16室の間です。

東京国立博物館

バルコニーに出る箇所には段差があります。

東京国立博物館~本館

本館の展示は、基本的には常設展ですが、その時々の企画展が開催されることもあります。本館の企画展は、一般入館料だけで鑑賞できるものもあります。

東京国立博物館~本館

トーハク本館には計20の展示室があります。展示されているコレクションの数は膨大です。すべてをしっかり鑑賞すると時間がかかります。観覧者の障がいの状況に応じて、体力の範囲内で利用してください。

東京国立博物館~本館

展示室の出入口には小さなデコボコがあるかもしれません。トーハク本館は、この点に注意して車椅子で利用してください。

なお東京国立博物館内の各施設の詳しいバリアフリー状況は以下の別稿を参照してください。

〇東京国立博物館 平成館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

〇東京国立博物館 東洋館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

〇東京国立博物館 法隆寺宝物館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

〇東京国立博物館 表慶館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

〇東京国立博物館 日本庭園 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

〇車椅子で行く東京国立博物館 身障者用駐車場利用ガイド

(本稿は2022年8月に加筆しました)