杉並アニメーションミュージアム 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都杉並区の「東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム」は、無料で利用できる施設です。車椅子での利用方法と現地のバリアフリー状況を紹介します。

2020年までにアニメ産業が成長している杉並区

杉並区の事業として2005年に開館しました。東京都杉並区は全国で2番目にアニメ制作会社が多い市区町村ということ。杉並区の基本構想では「2020年までにアニメ産業が成長している杉並区」という姿を目指すことが定められています。特に西武線の上井草駅周辺は重点エリアで、商店街のシャッターにはアニメがペイントされ、2008年にはガンダムのモニュメントが誕生しました。

ミュージアムのバリアフリー状況

アニメーションミュージアムが入る建物は「杉並会館」。目の前にある「荻窪神社」で結婚式行い、結婚披露宴が出来る施設です。結婚式部門はマツヤサロンが運営しています。

荻窪八幡神社

杉並会館は、1Fと2Fがマツヤサロン、3Fと4Fが「杉並アニメーションミュージアム」です。

東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム

アクセス方法です。徒歩圏内に駅はありません。杉並会館のエントランス前に駐車可能なスペースがあり、身体障がい者に限り利用できます。事前の利用許可が必要です。アニメーションミュージアムに電話をして許可を得ます。

駐車スペースは明確な区画線はありませんが、約5台分の駐車スペースはあります。内3台分は広いスペースで、福祉施設で使う小型バス程度なら駐車可能です。駐車区画の指定はありません。当日は空いている場所に駐車します。

杉並会館のエントランス前に駐車可能なスペース

駐車スペースを管理しているのはマツヤサロンです。駐車してから1Fのマツヤサロンに行き、駐車許可書を受けとり、ダッシュボードの見えるところに置きます。そして帰るときは駐車許可書を返却する利用ルールです。

杉並会館の正面エントランスは階段で、正面からみて右側に段差回避スロープがあります。

正面からみて右側に段差回避スロープ

そのまま自動ドアを通り会館内へ入ると1Fです。エレベーターが1基あるので、3Fへ上ります。

会館内へ入ると1Fです。エレベーターが1基

1Fは結婚式のためのスペースです。アニメーションミュージアムへの出入は、B1からの利用が推奨されています。

B1への入口は、正面からみて建物右側の側道にあります。段差なく入ることが出来る自動ドアの入口です。

B1への入口は、正面からみて建物右側の側道

その先の館内に下りのスロープ路があり、エレベーターのB1乗降口につながります。

館内に下りのスロープ路

エレベーター内の行き先階ボタンは、1Fは押せないようになっています。つまりアニメーションミュージアムからの帰りは、1Fは利用できず、B1からのルートのみになります。

B1からのルートのみになります

バリアフリートイレは、B1への入口からの下りスロープ路の途中にあります。位置的には半地下階のような場所です。

障害者用トイレの状況

後付で設置されたトイレで、スペースは狭く、天井が低いトイレです。今回取材時の状況では、近年設備更新された気配はなく、ウォシュレットなどの付加機能は何もない老朽化した設備でした。ユニバーサルベッドはありません。

障害者用トイレの状況

ミュージアムのバリアフリー状況です。杉並アニメーションミュージアムの受付は3Fです。1FまたはB1からエレベーターで3Fへ上ります。

杉並アニメーションミュージアムの受付

エレベーターを下りると目の前に受付があります。特別な入館手続きはありませんが、利用方法の説明があるので、受付に立ち寄ってください。

ミュージアムのバリアフリー状況

3Fと中3F、4Fがあります。3F内はフラット構造で車椅子での見学は可能です。

中3Fへはエレベーターはなく、階段を昇降機で上ります。見学を希望する方は、スタッフに昇降機の利用を相談して下さい。昇降機は3Fと中3F間を運行します。

中3Fへはエレベーターはなく、階段を昇降機

4Fへはエレベーターで移動できます。スペースとして狭いフロアですが、フロア内には段差はありません。

4Fへはエレベーターで移動

3Fはメインフロアで、日本のアニメの歴史などが紹介されます。またお絵かきなどの体験コーナーがあります。総じて車椅子から見学できない展示はありません。

日本のアニメの歴史などが紹介

中3Fと4Fは、スペースが狭く展示は小規模です。4Fにはワークショップなどが開催される小部屋があります。両フロアとも、車椅子で利用できない決定的な段差はありません。

子供からアトム世代の60歳代まで楽しめる展示

子供からアトム世代の60歳代まで楽しめる展示です。

子供からアトム世代の60歳代まで楽しめる展示

杉並会館は古い建物ですが、2015年に耐震工事を行いました。杉並アニメーションミュージアムは、今どきのバリアフリー施設ではありませんが、車椅子で利用可能なミュージアムです。

東京のユニークな博物館を別稿でまとめて掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年10月の取材に基づいています)

富山県 魚津埋没林博物館 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

富山県魚津市の「魚津埋没林博物館」は、特別天然記念物の埋没林と富山湾の蜃気楼がテーマの博物館です。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

埋没林とは、2000年前に自生していた巨大な杉が、そのまま海中に埋没した木の根っこです。1950年代に魚津港の建設工事で発掘されました。発掘された場所がここで、そのままの状態で展示館が建設されました。

駅からは徒歩20分の案内。アクセスは車が便利です。博物館は海沿いにありますが、駐車場は道路の反対側にあります。駐車場は無料です。

駐車場からスロープを下ると、博物館の「エントランスホール」があります。そこから入館して、道路の下を通る「連絡通路」を進みます。この間は傾斜路ですが段差は無く、車椅子での移動に大きな問題はありません。

アクセス方法

2017年の取材時は「エントランスホール」から有料エリアでしたが、現在では「連絡通路」の先「テーマ館」の1Fまでは無料エリアです。また「テーマ館」1Fから屋外に出た先にある「蜃気楼の丘」も無料で利用できます。

有料エリアは「テーマ館」の2F・3F・屋上。別棟の「水中展示館」「乾燥展示館」「ドーム館」です。

博物館の概要

有料エリアの入館料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が約半額に減免されます。バリアフリートイレは「テーマ館」1Fにあります。館内の見学コースは段差解消されたスロープ路です。「テーマ館」にはエレベーターが1基あり、車椅子で上下階移動が出来ます。基本的にはバリアフリーな施設です。

取材時、段差のため唯一車椅子で利用できなかったのは、蜃気楼を眺める「テーマ館」の屋上「展望台」でした。

次に各有料エリアのバリアフリー状況を紹介します。

「テーマ館」2Fのハイビジョンホールは、埋没林と蜃気楼の解説映像をそれぞれ10分間放映します。大きなビジョンに向って長椅子ベンチ席と階段席があります。車椅子ではベンチ席周辺からビジョンを見学します。フラットな床面でスペースに余裕があるので、車椅子での鑑賞は可能です。埋没林と蜃気楼の理解がとても深まる内容です。最初にハイビジョンホールで勉強することをお薦めします。

テーマ館から各展示棟へ移動します。その間はスロープルートが整備されています。

水中展示館は、縦8m、横16m、深さ2.5mのプールの中に、この場で発掘された埋没林がそのままの状態で水中に展示されています。プールをまわる見学通路は車椅子で問題なく移動できます。

水中展示館のバリアフリー状況

スロープを通り乾燥展示館へ移動します。ここでは発掘された埋没林が、乾燥した状態で展示台の上に展示されています。展示物に触れる展示です。車椅子から乾燥埋没林に手が届きます。

乾燥展示館から少し距離の長い移動通路を通りドーム館へ移動します。ドーム館は、埋没林の発掘現場に「ドーム」をかぶせた施設です。1988年に実際に発掘調査された現場が、そのままの状態で展示されています。半地下構造ですが、ドーム館内の見学通路も車椅子で問題なく移動できます。

ドーム館のバリアフリー状況

魚津市は、蜃気楼出現確率を示す「蜃気楼予報」を発表しています。HPで公開され随時更新されます。埋没林博物館でも、最新の「蜃気楼予報」が掲示されています。

魚津市の蜃気楼予報

「魚津埋没林博物館」は、屋上以外は車椅子で見学ができるバリアフリー施設です。1時間の見学で、埋没林と蜃気楼に詳しくなる博物館です。

(本稿は2017年5月の取材で初稿を執筆し、その後行われた施設改修に基づき2019年10月に加筆修正しました)

なお富山には富山湾名産のホタルイカを紹介する専門ミュージアム「ほたるいかミュージアム」があります。別稿で紹介していますので、是非ご覧ください。

平塚市美術館と平塚市博物館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

神奈川県平塚市の市立美術館と博物館は、市役所や図書館などがある市の「文化ゾーン」にある施設です。両施設のバリアフリー状況を紹介します。

平塚市美術館と平塚市博物館

アクセス方法です。平塚駅からは徒歩20分の案内。車椅子利用者は車の利用が便利です。

2018年から駐車場の利用ルールが変わり、すべての駐車場が有料になりました。ただし障がい者減免制度があり、障害者手帳等の提示で駐車料金は無料に減免されます。利用施設の窓口で減免措置を受ける運用です。

美術館に隣接する駐車場が「文化ゾーン第3駐車場」、博物館の正面が「文化ゾーン第2駐車場」です。どちらの駐車場にも身障者用駐車区画の用意があります。

美術館と博物館は、道を隔てて建つ施設なので、どちらかの駐車場を利用して、徒歩で移動することは出来ます。

平塚市美術館と平塚市博物館

○平塚市美術館のバリアフリー状況

1990年竣工で2フロア構成の凝った設計です。屋内外に配置されたアート作品群。レストランと市民ギャラリーが併設されます。正面エントランスは階段ですが、迂回スロープがあります。反対側の「文化ゾーン第3駐車場」からは段差なく館内に入ります。

平塚市美術館と平塚市博物館

1Fエントランスホールには、巨大な創作物が展示されています。

平塚市美術館と平塚市博物館

1Fは受付とパブリックスペースで、2Fが企画展示室です。吹き抜け構造の解放感がある館内空間です。

平塚市美術館と平塚市博物館

トイレは1Fにあります。一般的なサイズのバリアフリートイレが用意されています。

平塚市美術館と平塚市博物館

ほとんどの企画展は、障害者手帳の提示で、本人と介助者1名の観覧料が無料に減免されます。有料入場者は1Fの受付でチケットを買います。障がい者と介助者は2F展示室前の受付で、手帳を提示してください。

平塚市美術館

館内外に14体のアート作品が展示されています。これらの鑑賞や公園スペースの利用は無料です。前庭は芝生の公園スペース、車椅子で乗り入れができます。

平塚市美術館

2Fの約半分は屋外彫刻広場です。2F屋外にある彫刻広場は、外の階段を利用する設計なので、車椅子利用者はエレベーターで2F行き、手動ドアから出入りしてください。手動ドアは介助者がいれば車椅子での出入りは可能です。

平塚市美術館

○平塚市博物館のバリアフリー状況

博物館は入館無料です。噴水がある公園スペースに面した独立した建物で、1976年の竣工です。

屋外展示があります。大釜や仕込み桶、中世の住居跡、相模川流域の岩石や、箱根から運ばれた神代杉の巨大な根などが展示されています。これらは周囲から眺めるだけなら、車椅子でも観察可能。展示のテーマが混在していて、なんとなく不思議な屋外展示空間です。

博物館は3フロア構成で、エレベーターがありません。車椅子利用者は1Fだけの見学になります。1Fと2Fが無料展示室。3Fが有料のプラネタリウムです。

プラネタリウムの観覧料は、各種障害者手帳等の提示で本人と介助者1名は無料に減免されます。1Fにはかなり古いバリアフリートイレがあります。

館内展示の内容は立派です。1Fしか見学していませんが、平塚の地理、歴史、文化を凝った展示物で解説しています。またボランティア解説員による、詳しい解説が聞けます。1Fと屋外展示は、車椅子で利用できる博物館です。

平塚市博物館のバリアフリー状況

平塚市美術館と平塚市博物館は、すぐ近くにある施設です。美術館はバリアフリー施設、博物館はエレベーターが無い構造です。

「茅ヶ崎市美術館」のバリアフリー状況を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2020年11月に加筆修正しました)