バリアフリー日本庭園 肥後細川庭園 車椅子利用ガイド

東京都文京区の「肥後細川庭園」は、車椅子で散策できる日本庭園と休憩施設がある無料の公園です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

肥後細川庭園

ここは江戸時代の細川家下屋敷です。その時代からある池泉回遊式の日本庭園と、大正時代に建てられた細川家の学問所「松聲閣(しょうせいかく)」が施設の中心です。

江戸時代には細川家の別亭。明治中期には学問所。関東大震災のあとには細川家の仮本邸として使用され、戦後東京都が取得し、文京区に管轄が移されました。細川元首相は、細川家仮本邸時代の幼少期の記憶があるそうです。

昭和の頃から「新江戸川公園」として一般公開されていましたが、2016年1月16日に大改装されてリニューアルオープン。大正期の建物と池泉回遊式庭園が、バリアフリーに生まれ変わりました。隣接して細川家の収蔵品が展示公開される「永青文庫」があります。

肥後細川庭園の歴史

庭園の概要です。大きな池を中心に散策路がある日本庭園です。正門から敷地内に入ります。庭園外の前庭があり、左手奥に「松聲閣」が建ちます。正面奥に日本庭園への入口があります。

庭園の概要

前庭一帯は段差のない舗装路面で車椅子での移動は可能です。「松聲閣」は2階建て構造で、改装されて全館バリアフリーです。

日本庭園は、永青文庫につながる山側は未舗装の段差路です。池の周囲の半分ほどが、車椅子で散策可能な範囲です。

庭園の概要

日本庭園散策路の状況です。車椅子で散策可能な日本庭園ですが、路面は完全なフラット舗装ではありません。敷石を残した箇所や水の流れをいかした箇所には、小さな段差があります。ただし、一般的な車椅子利用者なら通行できる程度の段差です。

日本庭園散策路の状況

そのような箇所以外は、周囲の景観に溶け込んだ色調の特殊加工された舗装路で、全く段差はありません。

日本庭園散策路の状況

松聲閣のバリアフリー状況です。増改築が積み重なった建物で、正確な築年は不明です。リニューアルの際に、この箇所は貴重で文化的な価値が高い、この装飾物は文化財、と個別に評価をして現存処置がとられたそうです。

松聲閣のバリアフリー状

建物内は土足禁止です。玄関内にスロープがあり車椅子で入館できます。

松聲閣のバリアフリー状況

正面左手にトイレがあり、バリアフリートイレが用意されています。

松聲閣のバリアフリー状況

建物の外側にもトイレがあり、そこにもバリアフリートイレがあります。ただし外側トイレは、少しスペースが狭いトイレです。

松聲閣のバリアフリー状況

1Fは有料貸出の集会室が和室2室と洋室2室で合計4室、加えて休憩室が一つあります。

2Fは日本庭園の展望室となる二間続きの和室。和室ですがほとんど段差なく車椅子で入室できます。

松聲閣のバリアフリー状況

廊下は普通サイズの車椅子は通行できます。

松聲閣のバリアフリー状況

廊下と和室の段差は小さいので車椅子で乗り越えられます。

松聲閣のバリアフリー状況

総合計で6室の部屋名は「肥後六花」と呼ばれる花の名前が付けられています。

2Fの展望室「山茶花」では、モニターがおかれ肥後細川庭園の歴史などの情報が放映されています。

松聲閣のバリアフリー状況

ここから庭園の全景を楽しむことができます。

松聲閣のバリアフリー状況

エレベーターはあります。ただし小型のホームエレベーターなので、大型の車椅子は入らないかもしれません。

松聲閣のバリアフリー状況

アクセス方法です。来園者用の駐車場はありません。すぐ近くに駅はありません。車椅子で急な坂道を避けて徒歩でアクセスするなら、江戸川橋駅か都電荒川線の早稲田駅の利用になります。

アクセス方法

車椅子でのアクセス方法に決め手を欠きますが、「肥後細川庭園」は車椅子で日本庭園と大正時代の学問所を利用できるバリアフリー施設です。

(本稿は2019年9月の取材に基づいています)

西早稲田 甘泉園公園・水稲荷神社 バリアフリー情報

東京都新宿区西早稲田の「甘泉園公園」は、部分的ではありますが車椅子で利用できる入園無料の日本庭園です。隣接する「水稲荷神社」とともに、現地のバリアフリー状況を紹介します。

〇甘泉園公園のバリアフリー状況

「甘泉園」がある場所は、江戸時代に尾張徳川家の領地となり開墾されました。その後、清水家の江戸下屋敷となり、現在に伝わる日本庭園が築かれました。その敷地は広く、現在の水稲荷があるエリアも屋敷の一角であったそうです。明治時代には子爵の邸宅になり、昭和になると早稲田大学の所有地になりました。

1961年に「甘泉園」は早稲田大学から東京都に売却され、1969年に新宿区の管轄に移管され現在に至ります。隣接するテニスコートも含めて、新宿区立の「甘泉園」です。

甘泉園の歴史

甘泉園の入口は3つありますが、水稲荷からの入口と早稲田大学側の入口は階段です。

水稲荷神社のバリアフリー状況

車椅子で入園可能なのは、新目白通り側からの入口です。

甘泉園のバリアフリー状況

園内に入ると池に向かう舗装路があります。石が埋め込まれた箇所もあり、完全なフラット通路ではありません。

甘泉園のバリアフリー状況

多少、デコボコを感じながら車椅子で進みます。

甘泉園のバリアフリー状況

その先は木道の路になります。

甘泉園のバリアフリー状況

下池から上池にかけて、直線的に車椅子で進める舗装路がつながります。

甘泉園のバリアフリー状況

上池の途中に「この先車椅子は通行不能です、引き返して下さい」という案内板があります。

甘泉園のバリアフリー状況

回遊式の日本庭園ですが、下池の周回路はデコボコがある悪路で、途中に車椅子では通行できない狭い橋があります。車椅子では池の横を直線的に進み、引き返すルートです。

甘泉園のバリアフリー状況

車椅子での移動範囲は狭いのですが、その範囲が日本庭園の美を楽しむポイントです。入口からすぐの場所が、庭園を見わたすビュースポットです。

ビュースポットは車椅子可動エリア

舗装路面を進んだ先にある四阿の入口には段差解消ポイントがあり、車椅子で立ち入り可能です。ここも庭園美を楽しむビュースポットです。お薦めは晩秋の紅葉シーズン。例年、11月末から12月上旬が見頃です。

ビュースポットは車椅子可動エリア

早稲田大学キャンパスの近くですが、地下鉄の駅からは距離のある場所です。都電荒川線が最も近い駅になります。来園者用の駐車場はありません。近隣にコインパーキングなど有料駐車場はあります。

甘泉園

○水稲荷神社のバリアフリー状況

甘泉園に隣接する水稲荷神社は、車椅子での参拝は困難です。通常の参道は階段です。

水稲荷神社のバリアフリー状況

水稲荷神社の横に「甘泉園住宅」という集合住宅があります。いったんこの集合住宅の駐車場に入り、水稲荷に抜けます。

水稲荷神社のバリアフリー状況

このルートなら、傾斜路は通りますが車椅子でもなんとか水稲荷の境内に入ることが出来ます。

水稲荷神社のバリアフリー状況

境内周辺はデコボコのある未舗装路面や砂利路面です。

水稲荷神社

水稲荷神社のバリアフリー状況

水稲荷神社のバリアフリー状況

本殿拝殿があるエリアに入る箇所には段差があります。

水稲荷神社のバリアフリー状況

拝殿の前には独特なポーズの神狐像があります。

水稲荷神社のバリアフリー状況

水稲荷神社のバリアフリー状況

水稲荷神社は、現在の早稲田大学キャンパス内の地に、900年代頃に創建されました。その後移転するまでは、キャンパス内の神社でした。1961年に現在の場所に移転。「宗教法人 東京都神社庁」に属する神社になっています。

水稲荷神社

水稲荷神社では、早稲田大学合格祈願専用のお守りが頒布されています。

水稲荷神社

甘泉園公園は、車椅子で日本庭園の鑑賞を楽しめる公園です。隣接する水稲荷神社は、車椅子での参拝は困難な神社です。

近隣にある文京区の「肥後細川庭園」の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年9月の取材に基づいています)

世田谷区立二子玉川公園 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京都世田谷区の「二子玉川公園」は、車椅子での利用に配慮がある区立の無料公園です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

世田谷区立二子玉川公園

多摩川沿いにある広さ6.2haの大きな公園です。2013年4月にオープンし、2015年4月に拡張工事が完成しました。元は自動車教習所やゴルフ練習場があった場所です。

二子玉川公園

二子玉川駅方面から「二子玉川ライズ」を経由して、そのまま連絡橋がビジターセンターの3Fに連絡し、センター内のエレベーターを利用して1Fへ下りることが出来ます。

二子玉川公園

園内には車椅子での移動に困る段差路や急な傾斜路はありません。

二子玉川公園

日本庭園が整備され、その中には明治時代の書院が移設されています。

二子玉川公園

庭園も書院も、車椅子での利用が可能です。

二子玉川公園

バリアフリートイレは、ビジターセンター内に1つ、園内2か所の独立棟トイレにそれぞれ1つ、合計3つ用意されています。

公園のバリアフリー概要

二子玉川駅からは徒歩9分の案内です。車椅子で問題なく移動できるフラットな舗装路を通ります。

公園のバリアフリー概要来園者用の公園駐車場があります。収容23台小さな駐車場で、その内3台が身障者用駐車区画です。

二子玉川公園駐車場

駐車料金の障がい者減免制度があります。出庫の際に精算機にある連絡ボタンを押して管理事務所を呼び出し、精算機に設置されているカメラに向かって障害者手帳等を提示すると駐車料金が無料に減免されます。入庫時間は8:30~18:30、出庫は24時間可能です。

この駐車場の身障者用駐車区画が満車の場合、ビジターセンターの業務用駐車スペースの利用ができる場合があります。

二子玉川公園駐車場

利用条件は、そのスペースが空いていること、二子玉川公園の利用が目的であること、身体障害者手帳の保有者の利用であることです。二子玉川公園駐車場の料金精算機に詳しい案内と連絡先および連絡方法が掲示されています。

二子玉川公園駐車場

ビジターセンターのバリアフリー状況です。ビジターセンターの3Fには、テーブルと椅子の休憩コーナーがあり、公園スタッフが常駐しています。

前出の通りビジターセンターにはエレベーターが1基あります。1Fは土足厳禁の休憩所で、横になって休憩が出来ます。飲食も可能です。そして授乳室、バリアフリートイレがあります。2Fは災害時のための備蓄倉庫で、一般の利用はできません。

ビジターセンターのバリアフリー状況

二子玉川公園には複数の「広場」や「森」「遊び場」があります。その中でバリアフリー面で特筆すべき施設は「日本庭園 帰真園(きしんえん)」です。バリアフリーが追求された日本庭園です。

日本庭園 帰真園

ビジターセンター3Fの横にある「帰真園」入口から園内に入り、緩い下り坂のスロープ通路を進みます。

日本庭園 帰真園

周遊式日本庭園です。世田谷の、あるいは多摩川の自然が表現された日本庭園の世界を散策できます。

日本庭園 帰真園

視覚障がいの人のために、草花を触って楽しむ花壇の「万人花筵」、手で触って石の感触を楽しめる「手触り石」が用意されています。

日本庭園 帰真園

帰真園とは、日本の自然に帰る、日本の文化の原点を学ぶ、人としての真に帰る、という意味が込められているとのこと。利用は開園時間内のみ、休園日もある庭園なので、開園状況を確認して利用してください。

日本庭園のバリアフリー状況

帰真園の中に区の文化財「旧清水邸書院」が移築されています。無料で書院内部の見学ができます。段差のある建物ですが、車椅子で内部見学は可能です。

日本庭園のバリアフリー状況

入口に「車椅子の人は呼んでください・・・」という案内があります。インターフォンで連絡をすると。車椅子の人が書院内に入ることが出来るように、公園スタッフが介助をしていただけます。

旧清水邸書院

ただし書院のスペースと耐荷重の問題で、車椅子での見学は同時に2名までに制限されています。公開日は限定的です。利用の際にはスケジュールを確認してください。

日本庭園 帰真園

「旧清水邸書院」の近くにある出口から庭園の外に出ると、その先が「ビジターセンター」の1Fになります。ここで「ビジターセンター」のエレベーターを利用して3Fに行けば、車椅子で全く坂を上ることなく利用できる庭園です。

日本庭園 帰真園

公園に用意された車椅子利用者のためのバリアフリー設備を2つ紹介します。

「水飲み」は車椅子で足元まで入るバリアフリー仕様です。いわゆる公園の水飲みですが、車椅子からでも利用者しやすい形状に工夫されたユニバーサルデザインです。一般的な公園の水飲みは、車椅子では簡単に利用できません。

世田谷区立二子玉川公園

遊具広場には「車椅子用の砂場」があります。テーブルの上に砂場がある遊び道具です。車椅子の子供のために用意されていると思われます。

世田谷区立二子玉川公園

世田谷区立二子玉川公園は、バリアフリーを追求した公園です。

(本稿は2019年11月の取材に基づいています)