大本山 護国寺 車椅子お参りガイド バリアフリー情報

東京都文京区の護国寺は、本堂が急坂の上にあるお寺です。車椅子からみた現地の状況を紹介します。

護国寺 車椅子で参拝

創建は1681年。5代将軍徳川綱吉の母、桂昌院の発願によって建てられた、真言宗豊山派の大本山です。

護国寺は、江戸期の大火、明治維新期の廃仏毀釈、関東大震災、大戦での空襲などにあわず、江戸期の姿を今に残しています。

地下鉄の駅名や首都高のIC名称にもなっているので、知名度が高い寺院ですが、観光地化していません。現地の雰囲気は、古寺名刹そのものです。

護国寺 車椅子で参拝

東京メトロの護国寺駅至近、不忍通りに面しアクセスのよい大寺院です。地下鉄駅の地上エレベーターは、すぐ隣にあります。

東京都文京区の護国寺

参拝者用の駐車場があります。山門の左側を進みます。大きなイベントが開催されている日は、利用できないことがあります。

東京都文京区の護国寺

不忍通り沿いに「仁王門」がそびえます。

東京都文京区の護国寺

この周辺まではアップダウンがなく、車椅子でのアクセスに問題はありません。

護国寺

「仁王門」は正面と裏に一対の像が護ります。

護国寺

正面は両脇間には金剛力士像で、向かって右が阿形、左が吽形。門の裏側両脇には仏法を守る仏像である二天像の増長天と広目天が安置されています。

護国寺

「仁王門」をくぐると本堂に向かう階段が見えます。

護国寺 車椅子で参拝

「仁王門」をくぐると本堂に向かう階段

通常の参拝ルートは、長い階段を上がり本堂へ向かいます。

護国寺

正面左手が階段を迂回できるきつい坂道です。車椅子ユーザーは介助者がいても辛い傾斜の道です。

護国寺 車椅子で参拝

大きなイベントがあるときなどは、参拝者用駐車場には、上り用カートが配置されています。ただし車椅子仕様ではありません。

護国寺 車椅子で参拝

奥の手としては、車で坂の上まで行き、駐車は原則出来ないので車椅子の人を降ろしてドライバーは戻ります。

護国寺 車椅子で参拝

本堂は江戸元禄期の建造物です。お堂へは階段でスロープはありません。

護国寺

車椅子では無理ですが、本堂の中に入ってお参りすることができます。本堂の中には、数多くの仏像が安置されています。国宝はなく、文京区の指定文化財ですが、美術史的にも価値のある作品に見えます。本堂内は撮影禁止です。

護国寺 車椅子で参拝

境内には本堂の他に「薬師堂」「月光殿」「大師堂」「鐘楼」などがあり、江戸期の様子を今に伝えます。

護国寺

本殿の奥は墓地で、三条実美、山県有朋、大隈重信などの著名人が眠ります。墓地のエリアはデコボコがあるので、車椅子での立ち入りは困難です。更に奥は皇族の墓地、豊島岡墓地へと続きますが、豊島岡墓地の内側には入れません。

護国寺

境内は一部舗装路がありますが、多くは未舗装路面で車椅子での移動可能ルートは限られます。それでも境内の荘厳な空気に触れることができます。

護国寺 車椅子で参拝

敷地の西側横には日大豊山高校、反対側の東側横は音羽幼稚園。周辺は文京エリアです。

7月10日に護国寺にお参りをすると、46000日お参りしたのと同じ後利益があります。46000日ですから約126年間、無病息災です。

この日は、境内で「ほおずき市」が開催されます。また毎月第二土曜には、境内で骨董市が開催されます。本殿の前から横にかけて、10数店舗の規模で、骨董商が店を開きます。

護国寺 急坂の先にある本堂は段差構造で、車椅子でのお参りには限界がありますが、護国寺は地下鉄駅至近でアクセスがいい江戸の名刹です。

徳川将軍家の菩提寺「伝通院」を別稿で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年11月の取材に基づいています)

雑司ヶ谷鬼子母神と大鳥神社 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

東京都豊島区雑司が谷の「鬼子母神」は、車椅子での参拝ルートが限定されるお寺です。

東京都豊島区雑司が谷の「鬼子母神」

近隣の「大鳥神社」は、バリアフリーに参拝できます。現地の状況を紹介します。

「大鳥神社」は、バリアフリーに参拝

鬼子母神の由来です。寺院の名称は「威光山 法明寺」。法明寺のお堂の一つが「鬼子母神堂」になります。読み方は「きしもじん」。「母」は濁音ではありません。

810年に真言宗のお寺「威光寺」として開創。その後1312年に、日蓮宗に改宗して「威光山 法明寺」となりました。

鬼子母神信仰

鬼子母神信仰は平安時代からあったようですが、のちに日蓮宗と結びつき、日蓮宗徒にとって鬼子母神は「神」に昇華しました。

鬼子母神は鬼で、自分は1000人の子どもを産んだ、自分が一人子を産むと人の子を一人食べた、という怖い鬼で、お釈迦様がその非を説き、悔い改めたという伝説です。

鬼子母神信仰

鬼子母神への車椅子でのアクセス方法です。雑司ヶ谷の鬼子母神は、池袋駅から500mほどしか離れていませんが、静かで緑が深く、祭事以外の平時は人数も少ない一角です。都電の鬼子母神駅から鬼子母神に向かうと、ケヤキ並木の参道が現れます。

鬼子母神に向かうと、ケヤキ並木

この参道に雑司ヶ谷の案内所があり、観光案内をしていただけます。現在では、並木と案内所しかない参道ですが、戦前は多くの商店が軒を並べていました。

鬼子母神に向かうと、ケヤキ並木

境内へのアクセスルートです。境内への入口は4か所ありますが、ケヤキ並木参道から入るルートなど3カ所は段差があります。

鬼子母神に向かうと、ケヤキ並木

決定的な段差がない入口は、ケヤキ並木参道の反対側「妙見堂」につながる入口です。

ここから舗装傾斜路を通り、車椅子で境内に進むことができます。

雑司ヶ谷鬼子母神

境内はバリアフリーではなく小さなデコボコやゴツゴツした路面を通りますが、決定的な段差箇所を回避して車椅子である程度の範囲での移動は可能です。ただし「鬼子母神堂」は階段があり、車椅子では段差の手前からのお参りになります。

鬼子母神境内のバリアフリー状況

境内にある他の堂の紹介です。「法(のり)不動堂」は金剛不動尊を安置。路面が悪く車椅子での参拝は苦戦します。

ひときわ目立つ赤い鳥居が並ぶ祠は「武芳稲荷堂」で、倉稲魂命(うけみたまのみこと)を祀っています。祠の奥まで車椅子で進むのは困難です。

武芳稲荷堂

「大黒堂」は団子屋さん。売っているのは名物の「おせん団子」です。

鬼子母神境内にある駄菓子屋「上川口屋」さんは、創業1781年という掲示があります。店前はデコボコがある未舗装路面ですが、慎重に進めば車椅子で近付くことができます。

鬼子母神境内にある駄菓子屋「上川口屋」

境内の大銀杏「大公孫樹」は、1400年前後に植えられたという伝承が掲示されています。

境内の大銀杏「大公孫樹」

境内の大銀杏「大公孫樹」

鬼子母神のお土産品として長く販売されてきた「すすきみみずく」。貧しい少女がお金に困って鬼子母神の境内で眠っていると、ススキでミミズクを作って売りなさい、という夢のお告げがあり、その通りにミミズクの人形を作るとよく売れて、病気の母親に薬を買ってあげることができた、という伝承です。

製作を継承する技能者が一度は絶えてしまいました。現在では「すすきみみずく保存会」が結成されて、技能の継承が行われています。

豊島の森

次に大鳥神社のバリアフリー状況です。都電の鬼子母神駅から徒歩2分にある「雑司ケ谷のお酉様」です。元々は鬼子母神の境内に祀られていた社ですが、明治の神仏分離政策で現在地に移りました。

大鳥神社のバリアフリー状況

境内2か所の入口はバリアフリー仕様、境内もほとんどがフラットな舗装路面で、車椅子での参拝は可能です。

大鳥神社のバリアフリー状況2010年に雑司ヶ谷七福神の創建に伴い、恵比寿様が勧請され祀られています。車椅子での参拝は可能です。

大鳥神社のバリアフリー状況

雑司ヶ谷の鬼子母神は、参拝ルートは限られますが、車椅子で趣のある境内を散策できます。大鳥神社はバリアフリー神社です。

真言宗豊山派の大本山「護国寺」の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年11月の取材に基づいています)

芝公園と増上寺 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

東京都港区の芝公園と増上寺は、多くのエリアは車椅子で移動できますが、一部難しい箇所があります。現地のバリアフリー状況を紹介します。

芝公園と増上寺

「大本山増上寺」と「東京プリンスホテル」が並び、その周囲を「東京都立芝公園」と「港区立芝公園」が囲みます。

東京都立芝公園」と「港区立芝公園」

元々は全てのエリアが増上寺の境内で、明治6年に公園に指定されました。日本最古の公園の一つです。

芝公園と増上寺

戦後に寺院と公園が分離され、さらに公園部は都と区の管理に分かれて現在に至っています。

芝公園と増上寺

徒歩圏内の駅は「芝公園」「御成門」「大門」「赤羽橋」など。浜松町からは1kmほどの距離になります。

芝公園と増上寺

芝公園には来園者用の駐車場はありません。増上寺も一般参拝者用の駐車場はありません。周辺道路にはパーキングメーターが設置されています。

芝公園と増上寺

都立芝公園1号地のバリアフリー状況です。公園南側の1号地は古墳と梅園などがあります。

都立芝公園1号地のバリアフリー状況

「芝丸山古墳」は未舗装の段差路で車椅子では近づけません。

都立芝公園1号地のバリアフリー状況

梅園「銀世界」は、新宿角筈にあった梅林が、明治時代にここに移植されました。揮毫された石碑や、梅林の由来が書かれた案内板などがあります。

都立芝公園1号地のバリアフリー状況

その日の路面状況によりますが、梅園内はほとんどが未舗装路で、車椅子では固く踏みしめられた通行可能な範囲だけ移動可能です。

都立芝公園1号地のバリアフリー状況

1号地への歩道からのアクセス路は、段差や傾斜がある箇所が多くあります。区立芝公園方面からアクセスしても、未舗装路を通ります。

都立芝公園1号地のバリアフリー状況

都立芝公園4号地のバリアフリー状況です。公園北側の4号地には、運動広場や「みなと図書館」などがあります。通路は舗装路で、段差箇所にはスロープがあり、車椅子で利用できます。4号地は秋には銀杏の黄葉が美しい公園です。

都立芝公園4号地のバリアフリー状況

都立芝公園18号地のバリアフリー状況です。公園西側の18号地には「弁天池」があります。

都立芝公園18号地のバリアフリー状況

未舗装路面が多いエリアですが、フラットで堅い路面なので、ベンチ周辺などは無理のない範囲で車椅子で利用できます。ここに芝公園のえんま様「宝珠院」があります。別稿で掲載しているのでご参照ください。

都立芝公園18号地のバリアフリー状況

都立芝公園19号地のバリアフリー状況です。東京タワーの下にある「もみじ谷」と呼ばれるエリアです。

都立芝公園

明治38年に長岡安平が設計し、翌39年に竣工した歴史ある人工渓谷です。近年では「蛇塚」が、金運のパワースポットとして有名です。

都立芝公園

2020年に改修工事が完了してリニューアルオープンしました。バリアフリートイレがある公衆トイレがあります。

都立芝公園

自然美が溢れる渓谷が整備されています。

都立芝公園

亀が遊ぶ池もあります。

都立芝公園

広場は固い未舗装路面で、車椅子での移動は可能です。

都立芝公園

晩秋から初冬にかけて、様々な種類のもみじの紅葉が楽しめます。

都立芝公園

港区立芝公園のバリアフリー状況です。芝生広場を中心にした園内は、舗装散策路が整備されて、ほぼ全域を車椅子で移動できます。区の災害対策拠点になっています。

港区立芝公園のバリアフリー状況

増上寺のバリアフリー状況です。「三解脱門」は日比谷通りの歩道からは段差がある構造です。

増上寺のバリアフリー状況

一部が段差解消されています。

増上寺のバリアフリー状況

「黒門」は段差なく通行可能です。

増上寺のバリアフリー状況

「大殿」へは「黒門」から境内の段差を迂回して進むと砂利路面を通ります。東京プリンスホテル側の境内出入口を利用すると舗装路で移動できます。

増上寺のバリアフリー状況

「大殿」の本堂は2階、そして有料資料館「宝物展示室」は地階で、どちらも一般ルートは階段です。

増上寺のバリアフリー状況

車椅子では「大殿」内のエレベーターを利用します。

増上寺のバリアフリー状況

「安国殿」はスロープがあります。

増上寺のバリアフリー状況

増上寺のバリアフリー状況

また「西向聖観世音菩薩」から地蔵さまが並ぶ一帯は舗装路で、車椅子で移動できます。

増上寺のバリアフリー状況

増上寺のバリアフリー状況

増上寺のバリアフリー状況

有料公開される「徳川将軍家墓所」は段差があるので、車椅子でのお参りは困難です。

増上寺のバリアフリー状況

増上寺のバリアフリー状況

芝公園と増上寺で、車椅子で散策やお参りが出来ないのは「芝丸山古墳」一帯と「徳川将軍家墓所」です。

(本稿は2019年11月の取材に基づいています)