足立区の日本庭園 花畑記念庭園 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

東京都足立区の花畑地区に1984年に開園した池泉回遊式の日本庭園です。入園は無料。園内にはバリアフリーな集会施設「桜花亭」があり、車椅子での庭園散策の休憩所として利用できます。

花畑記念庭園

庭園の散策路は途中に段差等があるので、車椅子では一周できません。車椅子での散策可能ルートについて、現地に案内が掲示されています。

花畑記念庭園

徒歩圏内に駅はありません。車の場合は庭園の有料駐車場を利用します。身障者用駐車スペースは東門の近くに2台分設けられています。

花畑記念庭園

駐車場側から庭園に進むと桜花亭があります。正面は階段です。

花畑記念庭園

正面横に段差迂回スロープが設置されています。

花畑記念庭園

桜花亭1Fにはカフェやトイレがあります。バリアフリートイレはスペースに余裕がある個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置、ユニバーサルバッドが備えられています。

花畑記念庭園

庭園内ルートの状況を紹介します。車椅子で移動可能な範囲の散策路は舗装路です。

花畑記念庭園

車椅子Uターン箇所の先には、太鼓橋や飛び石があります。

花畑記念庭園

車椅子移動ルート上から、広範囲に庭園を眺めることができます。

花畑記念庭園

池泉回遊式日本庭園の四季の景観を車椅子から楽しむことができます。

花畑記念庭園

花畑記念庭園は車椅子で回遊はできませんが、散策を楽しむことができます。

(本稿は2023年1月に執筆しました)

「東淵江庭園」という入園無料の日本庭園が併設されている「足立区立郷土博物館」のバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ご参照ください。

蓼科高原バラクライングリッシュガーデン 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

長野県茅野市のバラクライングリッシュガーデンは、季節のお花を楽しむお庭と、カフェ、ショップなどが営業する複数の建物で構成される複合施設です。庭園は有料ですが入園料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が半額に減免されます。庭園以外のガーデンセンターやレストランは無料で利用できます。

アクセスは車が便利です。来園者用の無料駐車場が複数個所用意されています。

蓼科高原バラクライングリッシュガーデン

チケットセンター前に身障者用駐車スペースが1台分設けられています。

蓼科高原バラクライングリッシュガーデン

園内の詳しいバリアフリー状況をチケットセンター窓口で教えてくださいました。庭園の散策路は部分的にバリアフリー化されていますが砂利路面が多く、雪解けの状態では車椅子での散策はお薦めできないということです。今回は無料エリアだけの利用にしました。服にシールを付けて、有料エリア利用者であるか否かを示す運用です。

無料エリアへの通路は雪解け対策でマットが敷かれていました。車椅子がマットに引っ掛かり、通行に苦戦する箇所があります。

蓼科高原バラクライングリッシュガーデン

ガーデンセンターの出入口は横開きの手動ドアです。車椅子を見たスタッフがドアを開けてくださいました。

蓼科高原バラクライングリッシュガーデン

「ケイ山田ガーデンスタジオ」は新しい建物です。出入口は自動ドアのバリアフリー設計です。

蓼科高原バラクライングリッシュガーデン

2Fへ上がるエレベーターが設置されています。

蓼科高原バラクライングリッシュガーデン

「ケイ山田ガーデンスタジオ」の1Fにバリアフリートイレがあります。やや狭い個室でウォシュレット付き便器が備えられています。

蓼科高原バラクライングリッシュガーデン

「ケイ山田ガーデンスタジオ」以外の建物はバリアフリー設計ではありませんが、車椅子で利用できない決定的な段差はありません。ドアの開閉はスタッフが支援して下さいます。

蓼科高原バラクライングリッシュガーデン

カフェ&レストラン棟へのアクセスルートにあるスロープは角度が急です。今回は滑り止めのマットが敷かれていたので、坂登りは力が必要でした。

蓼科高原バラクライングリッシュガーデン

クラウドファンディングなどを利用して、庭園のバリアフリー化が進められています。バラクライングリッシュガーデンは、これからもっとバリアフリーになっていくはずです。

蓼科高原バラクライングリッシュガーデン

国宝の「縄文のヴィーナス」を鑑賞できる「茅野市尖石縄文考古博物館」のバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2023年1月に執筆しました)

国指定名勝 都立旧古河庭園 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

東京都北区の旧古河庭園は、大正8年に完成した洋館、洋風庭園、日本庭園が原型を留めて残る貴重な庭園です。キャッチコピーは「和と洋が調和する大正の庭」。それが故に、車椅子で散策できる範囲は限定されます。

庭園のバリアフリー情報では「車いすルート」と「車いす利用可ルート(要介助者)」の2ルートが案内されています。それぞれの状況を紹介します。

旧古河庭園

旧古河庭園は来園者用の駐車場はありません。本郷通りに面する「正門」から入園します。「車いすルート」の起点は「正門」です。旧古河庭園の入園料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。

旧古河庭園

正門から園内に入ると、すぐに深い砂利路面になります。ここは「車いすルート」ですが、車椅子を動かすには力が必要です。

旧古河庭園

ほぼフラットな深い砂利路面が石造りの洋館の正面まで続きます。

旧古河庭園

洋館の手前に「バラ園入口」の案内がある、段差解消されたルートがあります。ここがバラ園と芝生に向かう「車いすルート」の入口です。

旧古河庭園

洋館の横の小路は、比較的砂利が浅い未舗装路面です。ここは車椅子で自走できる散策路です。この高さから、階段の下に広がるバラ園を見下ろすことができます。

旧古河庭園

そのまま芝生を周回する散策路に進めます。芝生周回路も比較的砂利が浅い散策路です。

旧古河庭園

芝生周回路の横にバリアフリートイレがあります。スペースは一般的なサイズの個室で、シンプルな設備のトイレです。

旧古河庭園

「車いすルート」はこの範囲です。正門から洋館正面まで、洋館横のバラ園から芝生周回路が「車いすルート」です。

「車いす利用可ルート(要介助者)」を紹介します。洋館正面の先から始まります。洋館は「大谷美術館」で、別途に観覧料が必要な施設です。名称は美術館ですが館内1Fの各部屋を自由見学する施設です。1Fには他に観覧料が不要な喫茶室が営業しています。どちらも段差構造なので、車椅子では洋館内に入ることはできません。

旧古河庭園

洋館正面を過ぎると、砂利が深くなってきます。フリーテーブル席が配置されるエリアを通過して「馬車道」と呼ばれる砂利路面坂道に進みます。

旧古河庭園

馬車道は決定的な段差がない道ですが、深い砂利路面の傾斜路です。介助者がいても簡単に車椅子で移動できる道ではありません。

旧古河庭園

坂道が終わるとほぼフラットな未舗装砂利路面になりますが、車椅子での移動に苦戦する砂利路面が続きます。

旧古河庭園

「広場」の横まで馬車道を車椅子で移動すると、日本庭園の心字池が車椅子から見える地点までたどり着けます。段差解消された入口から広場に移動します。広場の路面の砂利は、馬車道よりも少し薄くなります。

旧古河庭園

広場を横断して心字池に近づきます。石畳のデコボコ路になる手前まで、車椅子で進めます。その地点から車椅子で心字池を眺めることができます。

旧古河庭園

石畳路の先は、車椅子では通行できない決定的な段差がある散策路になります。

旧古河庭園

杖で歩けるレベルの人で、もう少し先まで頑張って進めると、心字池のビューポイントまでたどり着きます。

旧古河庭園

ただしここから先の「茶室」や「大滝」などがある一帯は、健脚の人でなければ通行できない激しい段差路になります。足が悪いレベルの人でも、旧古河庭園全体を周回するのは困難です。

旧古河庭園

旧古河庭園は車椅子で散策できる範囲が限定的で、かつ散策路は砂利路面です。障がいの状況や体力に応じて、無理のない範囲を散策してください。

別稿で主な都立庭園のバリアフリー情報を掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2022年6月に執筆しました)