神奈川県寒川町の「寒川神社」は、スロープを上り車椅子で拝殿まで行くことができます。現地のバリアフリー状況を紹介します。
相模国を代表する一之宮です。5世紀雄略天皇時代の記録があるので、創建1500年超とされています。
9世紀からは、信頼性の高い公式記録があり、鎌倉時代以後は武家の信仰を集めた神社とされています。
御祭神は明治時代にはっきりと定められ、寒川大明神となっています。関東を代表する歴史ある神社です。
寒川神社は全国で唯一の「八方除」の守護神として信仰されています。「八方除」とは、一言でいえば、すべての厄を取り除き、あらゆる幸せを招く神です。
また視聴率の神様としても信仰を集め、故高倉健氏はことあるごとに、寒川神社に参拝に来られたそうです。
アクセス方法です。宮山駅から徒歩5分の案内です。車の場合は、無料駐車場があります。本殿に直行するなら、第一駐車場よりも、第二駐車場の方が近くになります。身障者用駐車区画があり、境内まで車椅子で問題なく移動できます。三が日や祭礼の日は特別体制になり、駐車場の利用は制限されます。
参道は長く伸び、一の鳥居は約1km先。地勢の研究によると、創建された5世紀には、この一の鳥居は相模湾に面していたそうです。そして二の鳥居があり、現在の境内の入口にあるのは三の鳥居です。
境内各所にある建造物は古びていません。調べて見ると、近年再建されたものが多いことが解りました。
三の鳥居の先にある太鼓橋は2011年に架け直された新しい橋です。お札を返す「納札殿」は2014年築。総檜造り銅板葺です。祈願の受付をする「客殿」が1992年築。境内の要「神門」が1993年築。御本殿が1997年築。神社建造物としては新しい部類です。
全体的にバリアフリーが確保できている理由が、ここにあります。
境内はルートを選べば舗装路で移動できます。本殿周辺の段差箇所は、すべてスロープがあります。本殿の拝殿まで、スロープを何度も通り、車椅子で行くことができます。また付帯施設内にバリアフリートイレが有ります。
お土産の名物は「八福餅」。お餅に餡をのせた、イメージとしては伊勢の赤福に近いお菓子です。神社内の売店や近隣の商店でしか売っていません。
寒川神社は、車椅子で参拝しやすい神社です。「八方除」の祈願、そして「八福餅」が味わえます。
伊勢原市に鎮座する相模国三之宮「比々多神社」を別稿で紹介しています。ご覧ください。
(本稿は2016年11月の取材に基づいています)