三重県明和町にある伊勢神宮に仕えた「斎王(いつきのひめみこ)」を紹介する博物館です。斎王とは天皇に代わって伊勢神宮に仕えるため、天皇の代替りごとに都から伊勢に派遣された皇族女性のこと。平安時代がその歴史の中心ですが、史実に残る最初の斎王は天武天皇の娘の大来皇女で、制度が廃絶する後醍醐天皇の時代までの約660年間に、60人余りの斎王の名が残されています。
斎王制度の概要は平安時代に編纂された法令集「延喜式」により知ることができ、また「伊勢物語」の第六十九段「狩の使」では、斎宮を舞台に斎王恬子内親王と在原業平のはかない恋が描かれています。
残された資料に加え、明和町での斎宮寮発掘調査により、斎王の歴史が研究されています。斎宮歴史博物館は、その研究成果を知ることができるバリアフリーな施設です。
アクセスは駅前に「いつきのみや歴史体験館」がある近鉄斎宮駅から徒歩15分の案内。200台を収容する無料駐車場があります。身障者用駐車スペースは一般駐車場とは別に、博物館エントランス前に2台分設けられています。現地に誘導サインがあるので、それに従って車を進めてください。
斎宮歴史博物館はワンフロアの施設です。エントランス周辺から館内にかけて、段差のないバリアフリーな構造です。
出入口はフラットな自動ドアです。斎宮歴史博物館の観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。
館内はバリアフリーで、車椅子で問題なく観覧できます。常設展示室が2室と映像展示室があります。映像展示室も車椅子で鑑賞できる仕様です。
謎に包まれた斎宮の史実を、分かりやすく丁寧に展示解説しています。小学校の高学年から大人まで学べる博物館です。
来館者は歴史ファンが多いようです。皆さん熱心に展示を観覧していました。
バリアフリートイレは一般的なサイズの個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。
エントランスの横に可動式のテーブル席がある休憩コーナーがあり、自由に利用できます。斎宮歴史博物館は車椅子で利用できるバリアフリーな施設です。
(本稿は2023年6月に執筆しました)