川崎市平和館 車椅子見学ガイド バリアフリー情報

川崎市平和館 車椅子からみたバリアフリー情報

神奈川県川崎市の「川崎市平和館」は、大戦から現在までの平和がテーマの資料館です。車椅子で見学ができます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

「川崎市平和館」は川崎市の公営資料館です。入場は無料。館内はフラット構造で、バリアフリートイレがあります。車椅子での利用は可能です。

武蔵小杉他最寄駅からは徒歩10分の案内です。無料駐車場があり8台の収容。内1台分が身障者用駐車区画です。

1Fは受付と防空壕の体験コーナー、そして企画展を開催するイベントスペースです。いずれも車椅子での利用は可能です。防空壕内部を車椅子で疑似体験できます。

毎年8月の企画展は「原爆展」。2017年は7月29日から9月3日の開催。こちらも入場無料。2017年は広島平和資料館の協力を得て「ヒロシマの原爆」展を開催。貴重な資料、写真のパネル展示が並びます。とても重たい内容の企画展です。

常設展は2Fです。エレベーターがあるので車椅子利用に問題はありません。

先の大戦で川﨑は大空襲にあいました。展示はその歴史の紹介から始まります。そして現代の紛争、貧困差別などの暴力の問題へと展示が続きます。

絶対的なスペースは広くはありませんが、特に後半の展示はパネルにびっしりと文字があるタイプの展示が多くなります。すべて読みとかなりの時間を要するのでご承知おきください。

拉致被害者横田めぐみさんのご両親は川崎市在住です。2009年に横田めぐみさんコーナーが開設されました。写真パネルを中心にした展示コーナーです。図書コーナーに入らないと見えないので、見落とさないようにご注意ください。

戦前、軍需産業が盛んであった川﨑市。この地も東京航空計器の工場でした。米軍の川崎大空襲で工場は焼失。そして終戦後1975年まで、この地は米軍に占領されていました。

返還後1983年に中原平和公園が開園。その一角に1992年「川崎市平和館」が開館。2014年にリニューアルが実施され現在に至っています。

また川﨑市は朝鮮人労働者問題など、侵略、戦争、差別、暴力に関して歴史的な課題を抱える町でもあります。事実をいかにとらえ、平和をどう考えるのか。難しい問題です。

常設展示後半の「⑥国家による弾圧」「⑦武力紛争とメディア」「⑧現代の紛争」「⑨さまざまな暴力」「⑩平和への取り組み」の展示内容は、自分自身でしっかり判断をする必要があります。平和について主体的に考える必要がある展示です。

今回取材時、高齢者福祉施設からの来場者と一緒になりました。「川崎市平和館」はバリアフリーな施設です。

川崎駅前にある「川崎浮世絵ギャラリー」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2017年8月の取材に基づいています)