神奈川県民ホールは、横浜港に面した山下町にある、大ホール、小ホール、ギャラリー、展望レストランなどがある施設です。開館は1975年で、元々は段差構造箇所が多い施設ですが、バリアフリー改修済み、車椅子で利用できます。そのなかで2フロアを使用するギャラリーは、車椅子では独特の観覧動線になります。現地のバリアフリー状況を紹介します。
車でアクセスする場合は、屋内と屋外にある有料駐車場の利用が便利です。身障者用駐車スペースは屋内駐車場にあり、事前予約ができます。
日本大通り駅から約600ⅿの案内です。神奈川県民ホールのHPで、車椅子利用者は正面入口ではなく、海の反対側にある南側入口の利用が推奨されています。南側入口は段差の無い構造です。
南側入口の自動ドアから館内に入ると、ギャラリーの入口がある1Fに入ります。大小ホールの入口は2Fです。
ホールへはエレベーターを利用して2Fへ上がります。エレベーターはB1・1F・2F、そしてレストランがある6Fに停まります。
海側の正面入口は段差構造ですが、段差回避スロープが設置されているので、車椅子でアクセスできないことはありません。山下公園方面からのルート状況です。
正面入口へのサインがあります。
施設を廻りこむと、最初の段差回避スロープが設置されています。
もう一つ、折り返しスロープを上がります。
スロープの角度はやや急ですが、元気な介助者がいれば一般的な車椅子利用者は通行できます。
スロープを上がると、大小ホールの入口がある2Fロビーに到着します。
バリアフリートイレは、B1、2F、6Fにあります。6Fのトイレがオストメイト装置とユニバーサルベッドが備わるフル装備のバリアフリートイレです。B1のトイレにもオストメイト装置があります。
6Fの展望レストラン「英一番館」は、横浜港を眺望します。入口から段差の無い構造で、可動式のテーブル席があります。特に夜景が美しいと紹介されています。
少し分かりにくい、ギャラリーのバリアフリー状況を紹介します。今回取材時は「ミヤマケイ×華雪」展が開催されていました。
会期は2021年12月20日から2022年1月29日までです。
同展の観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。
ギャラリーの受付は、1Fフロアから数段下にあります。ここは段差回避スロープが設けられています。
1Fには第1展示室と第5展示室の上階がある構造です。受付から第5展示室の上階へフラットに移動できます。
第5展示室上階の展示スペースは、フラットでスペースに余裕があります。
車椅子で問題なく観覧できる展示室です。
通常の観覧ルートは、ここから階段でB1にある第5展示室の下階へ移動します。
車椅子では、いったん1Fのギャラリーを出て、1Fからエレベーターを利用してB1へ移動します。
B1のエレベーターホールから手動ドアを通り、無機質な雰囲気の通路を進みます。
その先の右側に、B1の休憩ホールのようなスペースがあります。ここが通常観覧ルートの出口で、階段で1Fへ戻ります。この隣が車椅子でのB1展示室の入口になります。不案内な方は、スタッフに誘導をお願いしてください。
車椅子用B1入口から第5展示室の下階に移動します。ここもフラットな展示室です。
今回取材した展覧会は、第5展示室の次に、第4展示室、第3展示室、第2展示室と観覧し、1Fへ戻り第1展示室を利用するルートでした。
いずれの展示室も車椅子で問題なく観覧できます。B1を観覧後は、同じエレベーターを利用して1Fへ戻ります。
大きなスペースがあるギャラリーです。HPでは「広さの違う5つの展示室を備えた県内最大級のギャラリー・スペースで」「第5展示室は天井高が6.5m」と案内されています。
神奈川県民ホールは古い建物ですが、バリアフリー改修が行われています。ギャラリーはフロア間移動ルートがわかり難いので、スタッフの誘導を受けてください。
横浜港大桟橋の近くにある「シルク博物館」の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2022年1月に執筆しました)