千葉県千葉市中央区中央にある11階建てビルの美術館です。開館25周年となる2020年に、拡張リニューアルオープンしました。展示室の状況、ビル全体のバリアフリー状況を紹介します。
アクセスの状況です。JR千葉駅からは徒歩15分の案内です。京成千葉駅、モノレールの駅からは、もう少し近くになります。
都市立地ですが、地下2Fに無料駐車場があります。古いタイプの機械式駐車場で、大型車両は入庫できないタイプです。
別に身障者用の平置き駐車スペースが用意されています。駐車場スタッフに車椅子利用を申告すると、駐車許可書を発行して、誘導していただけます。
地下駐車場からは、エレベーターで段差なく美術館に上がることができます。
フロア構成の概要です。11F構造で、市民ギャラリーやワークショップルーム、図書室などが入る複合公共施設です。
美術館来館者が一般利用できる主なフロアは、1Fが「さや堂ホール」とミュージアムショップ・カフェ、5Fが美術館常設展示室、7Fと8Fが美術館企画展示室です。11Fにはレストランが入ります。
バリアフリートイレは1F、4F、5F、7F、10F、11Fに用意されます。この内、今回の取材では2カ所のトイレを確認しました。便器設備は更新されて綺麗なトイレです。ユニバーサルベッドは確認できていません。オストメイトは1Fのトイレにあります。
美術館の利用方法です。受付は5Fと企画展開催時は8Fも受付です。千葉市美術館の観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。受付で障害者手帳を提示して、入館手続きをおこなってください。無料鑑賞券を発行していただけます。
各展示室はフラットな構造で車椅子での移動に問題はありません。フロア間移動はエレベーターの利用です。エレベーターは3系統各2基ありますが、フロアにより利用できない系統があります。今回取材時は、混雑することなく、車椅子で快適にエレベーターを利用できました。
各フロアの展示室入口で、無料鑑賞券をスタッフに提示して入室するルールです。
展示什器の状況です。今回取材時の常設展および企画展の展示は、オーソドックスな壁掛け展示が多く、車椅子で問題なく鑑賞できました。
企画展の一部で、小型の作品や資料がケース内に展示されていましたが、車椅子の目線でもなんとか見える高さのケースでした。決定的に車椅子からみえない展示ケースは、見当たりませんでした。
1Fのバリアフリー状況です。美術館の正面玄関は1Fです。段差解消されたエントランスがあります。
出入口は段差の無い自動ドアです。
1Fの「さや堂ホール」は、旧川崎銀行支店の建物を保存した施設で、昭和初期の重厚な雰囲気を楽しめる空間です。ホールの内外はすべて段差解消され、車椅子での利用は可能です。イベントホールとして借りることができます。
ホールとは別に、段差解消された小さな多目的ルームがあります。今回は美術館のイベント映像が放映されていました。
ミュージアムショップ「バチカ」へも段差解消ルートがあり、車椅子で利用できます。ショップ内の通路幅は余裕があり、車椅子で利用できます。
基本構造は変わりませんが、リニューアルで館内は綺麗になりました。千葉市美術館は車椅子で観覧できるバリアフリー美術館です。
(本稿は2020年8月に執筆しました)