赤坂 高橋是清翁記念公園 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京都港区赤坂の「高橋是清翁記念公園」は、ほとんどの通路が未舗装路面ですが、車椅子で散策できる日本庭園風の公園です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

高橋是清翁記念公園

青山通りに面した高橋是清翁邸宅跡地です。1941年に公園として一般開放された歴史ある公園で、出入口付近は児童公園として再整備されていますが、奥は邸宅の日本庭園がそのまま生かされています。春夏秋冬、季節の移ろいを感じる大人向けの公園です。

高橋是清翁は、この地にあった邸宅で青年将校に暗殺されました。2.26事件です。公園の奥に是清翁の坐像があります。

高橋是清翁邸宅跡地

来園者用の駐車場はありません。青山一丁目駅から徒歩5分ほどの距離です。青山通りの歩道から2か所の出入口があります。

高橋是清翁記念公園

また歩道に面してバリアフリートイレがある公衆トイレが設置されています。

高橋是清翁記念公園

高橋是清翁記念公園は港区の施設で入園無料です。

高橋是清翁記念公園

園内のバリアフリー状況です。広さは約1,600坪。公園内をほぼ一周する散策路があります。

高橋是清翁記念公園

散策路は未舗装ですが、極端なデコボコは少ない硬い路面なので、乾いている状態なら車椅子で移動可能です。

高橋是清翁記念公園

ただし車椅子で通行できない段差がある箇所もあり、ルートを選びながらの散策になります。

高橋是清翁記念公園

車椅子では通行不能な箇所があります。

高橋是清翁記念公園

ギリギリでなんとかなるかもしれないデコボコ路があります。

高橋是清翁記念公園

是清翁の坐像がある場所は階段路の上です。車椅子では段の手前から像を見上げます。

高橋是清翁記念公園

日本庭園の状況です。公園の中央には池泉があり、その周囲には石橋、石人像、石燈籠などが配置されます。

東京都港区赤坂の「高橋是清翁記念公園」

緑豊かな空間で、桜、紫陽花、紅葉などが四季を彩ります。

東京都港区赤坂の「高橋是清翁記念公園」

暗殺された住居の建物は、小金井公園の「江戸東京たてもの園」に移築されています。

東京都港区赤坂の「高橋是清翁記念公園」

高橋是清翁記念公園は路面の状態が良ければ、段差箇所を避けて車椅子で散策ができます。

元赤坂の「豊川稲荷東京別院」の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年11月の取材に基づいています)

赤坂 豊川稲荷東京別院 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

東京都港区元赤坂の豊川稲荷は、路面に小さなデコボコがありますが、車椅子でお参りが出来る寺院です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

赤坂豊川稲荷東京別院

お稲荷様の歴史と概要です。神社ではなくお寺のお稲荷様です。正式名称は曹洞宗「豊川閣妙厳寺」。作法は二礼二拍手ではありません。

起源は大岡越前が私邸内に建てたお社です。当時の江戸では、庶民の間に稲荷信仰が盛んで、大岡越前も月に二日間は一般庶民に私邸を開放し、参拝を許していたそうです。

その後、大岡越前邸の一部を正式に豊川稲荷東京別院とし、常時一般開放されるようになりました。

明治維新後の廃仏毀釈政策により、お寺になりました。現在の地に拡大移転したのが、明治20年と伝えられます。最初の創建からは約200年。この地に移ってから約130年の歴史があります。

本山は愛知県の豊川市にあります。ここは東京別院です。単に豊川稲荷というと、一般には愛知県のお寺を指します。

赤坂豊川稲荷東京別院

車椅子でのアクセス方法です。赤坂見附駅または永田町駅から徒歩5分の案内です。周辺は坂道が多いエリアで、青山通りの坂の途中です。どの方面から向かっても、坂道を避けることは出来ません。

収用台数は10台程度ですが、境内に業務用兼参拝者用の無料駐車場があります。身障者用駐車区画の設定はありません。

赤坂豊川稲荷東京別院

境内へのバリアフリールートです。車椅子で通行できない決定的な段差箇所は、境内への入口である「山門」です。

元赤坂の豊川稲荷

車椅子では、青山通りを神宮方面へ進み、車両用の出入口から境内へ入ります。

元赤坂の豊川稲荷

駐車場の横に「文化会館」があり、1Fにはお茶屋さんが数軒営業しています。名物は「稲荷寿司」で、他に甘味やお土産などが販売されています。いずれのお店も歴史あるお茶屋さんです。狭い店舗ですが決定的な段差はなく、車椅子で立ち寄ることができます。

駐車場から「山門」までの通路は、車椅子で問題なく通行出来るフラットな路面です。

「三所殿」でのお札やお守りの授与は車椅子で可能です。「山門」の横の「子宝観音」は車椅子でお参りができます。

赤坂豊川稲荷東京別院

段差がある「本殿」の参拝所へは、両側からスロープがあり、車椅子でお参りが出来ます。

赤坂豊川稲荷東京別院

ただし「本殿」内へは階段で上ります。

赤坂豊川稲荷東京別院

「奥の院」の中へも階段を上がります。

赤坂豊川稲荷東京別院

「三神殿」や大岡越前のお墓「大岡廟」「霊狐塚」はデコボコがある路面ですが、頑張れば車椅子で移動可能です。

赤坂豊川稲荷東京別院

キツネ像は供養されて地下のスペースに納付されます。

赤坂豊川稲荷東京別院

本殿横には七福神の「弁財天」が祀られています。小川が流れていて、ザルが用意され、銭を洗うことが出来ます。この銭洗いは、車椅子では手が届かずに苦戦します。

赤坂豊川稲荷東京別院

豊川稲荷東京別院は、フラットな構造ではありませんが、多少のデコボコ路面を通行できれば車椅子でお参りが出来ます。

青山通りの反対側に「とらや赤坂店」が営業しています。バリアフリー状況を別稿で詳しく紹介しているのご参照ください。

(本稿は2019年11月の取材に基づいています)

ホテルニューオータニ日本庭園 車椅子バリアフリールート情報

東京都千代田区の「ホテルニューオータニ」庭園は、江戸時代初期からの記録が残る日本庭園です。車椅子での散策可能ルートは限られます。庭園内のバリアフリールートを紹介します。

ホテルニューオータニ

日本庭園への入園は無料で、自由に出入りができます。日本庭園への出入口は計3カ所あります。車椅子で利用出来るのは「ザ・メイン」棟「宴会場階」の出入口です。

ホテルニューオータニ日本庭園

ガーデンコート2Fの出入口からは、階段を上がるルートになります。

ホテルニューオータニ日本庭園

「宴会場階」の出入口からお庭に出ると、最初にある岩が「赤玉石」です。佐渡島の金山から運ばれた逸品で、砕くと金がでると言われています。この岩は記念撮影ポイントで、車椅子で近付くことができます。

日本一の赤玉石

車椅子で通行できる散策路を進むと、右側に「枯山水」の庭が広がります。くっきりと砂に箒で波の線が刻まれています。

車椅子で通行できる散策路を進

「枯山水」の庭は「ザ・メイン」棟「宴会場」の前になります。

枯山水を楽しむ

「枯山水」の先に進みます。「枯山水」のお庭と「清泉池」のつなぎ箇所にある、枯山水に薄く水を張ったような池の中にある大木の化石が「佐渡の化石」です。

伝承によると、400年以上前に、この地が加藤清正公の下屋敷だったころにあった大木の根が、そのまま化石になった石。車椅子から見ることができます。

この方向の散策路で、車椅子で進めるのはここまでです。この先は段差があります。

大木の根、佐渡の化石

ここから先は快適なバリアフリールートではありませんが、多少のデコボコや傾斜路を通行できる人は、池の周囲まで車椅子で進むことができます。

池の周囲まで車椅子で進むことができます

「佐渡の化石」の手前から「清泉池」中にかかる赤い橋が「太鼓橋」です。小さな段差や橋上が急カーブのため、車椅子で渡るのは苦戦しますが、無理をすれば渡れないこともありません。

赤い橋が「太鼓橋」

橋の手前からでも「清泉池」の景観を楽しむことができます。

「清泉池」中にかかる赤い橋が「太鼓橋」

餌場に人が立つと、風格のある真鯉、錦鯉がゆうゆうと泳いで寄ってきます。

「清泉池」中にかかる赤い橋が「太鼓橋」

この橋の上は、記念撮影ポイント。新郎新婦、結納式の二人、七五三のお子さんなど、次々にプロカメランの撮影が入ります。撮影中は皆さん通行を遠慮するので、「太鼓橋」の両脇には撮影待ちの人が溜まります。

清泉池」中にかかる赤い橋が「太鼓橋

「太鼓橋」を渡った先の左手に「清泉池」から流れ落ちる滝「大滝」があります。落差6mもある滝で、数多くの巨石を組み合わせて造形されています。

ニューオータニ日本庭園でのハイライトですが、段差路のため滝壺には車椅子では行けません。

大滝を滝壺の上から見る

滝壺の上の「清泉池」側から、車椅子で覗きこみ鑑賞します。

大滝を滝壺の上から見る

「清泉池」の先に直線的に進むと段差があり車椅子では通行できません。

「清泉池」の先に直線的に進むと段差

右側に伸びる通路を進むと、フラットな路面ではありませんが決定的な段差はなく、もう少し先まで車椅子で進むことができます。

「ホテルニューオータニ」の庭園

上り坂を進むと「石心亭」まで決定的な段差はありません。

上り坂を進むと「石心亭」

「石心亭」の出入口は、小さな段差がある構造です。

上り坂を進むと「石心亭」

「清泉池」の周囲の通路を進むと、創業者の像が建つ地点までは車椅子でいくことができます。

創業者の像が建つ地点

その先は段差路なので、車椅子では同じルートを引き返します。

その先は段差路なので

「もみじ亭」は庭園内に建つ、事前予約制の一軒家レストランで、鉄板焼きなどが楽しめます。このレストランの周囲は、その名の通り紅葉が綺麗な一角です。

「もみじ亭」

ここに車椅子で向かうには、四谷方面からアクセスします。「ザ・メイン」と称される、ホテル本館の脇にある日本庭園に繋がる歩道を進みます。ニューオータニの敷地のお堀寄りの道です。

ホテル本館の脇にある日本庭園に繋がる歩道を

この歩道は快適なバリアフリー路面ではありません。傾斜、スロープ、デコボコやゴツゴツがある歩道です。それでも普通の車椅子利用者なら通行可能です。

ホテル本館の脇にある日本庭園に繋がる歩道

日本庭園内の「もみじ亭」までは、車椅子で行く事ができます。その先は段差路で、車椅子では日本庭園内へは入れません。

ホテル本館の脇にある日本庭園に繋がる歩道

またこのルートの途中にある「なだ万本店」は、店舗の出入口に段差があります。

「なだ万本店」ホテルニューオータニの日本庭園内は、ごく一部ですが車椅子で散策ができます。車椅子で庭園の全景を楽しむなら、ホテル上層階の施設内からになります。

隣接する「東京ガーデンテラス紀尾井町」の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年10月に執筆しました)