埼玉県越谷市の「キャンベルタウン野鳥の森」は、国内最大級の巨大なゲージで覆われた空間をオーストラリアの珍しい鳥たちが飛ぶ、小規模ながら面白い動物園です。バリアフリー施設とはいえませんが、車椅子での利用は可能です。現地の状況を紹介します。

徒歩圏に電車の駅はありません。車でのアクセスが便利です。駐車場は「野鳥の森」専用ではなく、隣接する公園「大吉公園」の無料駐車場を利用します。約40台を収容する駐車場で、身障者用駐車区画はありません。車椅子で乗降しやすい場所を確保できれば幸運です。

駐車場から野鳥の森のエントランスまでは、大吉公園内の未舗装路面を通行します。未舗装ですが、固くフラットな路面なので、雨上がりなどでなければ、車椅子の通行は可能です。大吉公園には、ユーカリの木が複数植栽されています。
野鳥の森の入口への通路は舗装路面です。

ゲートの横に受付があります。キャンベルタウン野鳥の森の入園料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が半額に減免されます。受付で障害者手帳等を提示して減免措置を受けます。バリアフリートイレは管理事務所棟にあります。

園内最初の展示は、ケージの外にいるワラビーとエミューです。この付近は舗装路面で、車椅子で問題なく近づいて観察することができます。

野鳥が飛ぶゲージ内へは、二重の自動ドアを通ります。最初のドアを開けて中間地点へ移動します。最初のドアが閉まってから、二番目の自動ドアを開けてゲージ内へ進みます。床面はフラットなので、車椅子での移動は可能です。出るときも同じルートを通ります。

ゲージ内の通路は未舗装路面ですが、固くて段差はほとんどない路面なので、車椅子での移動は十分に可能です。

ゲージ内は木々が生い茂る空間です。そこを飛び、または歩く鳥がいます。

展示用のケージが複数あり、その中にいる鳥も多数います。

階段で上がる展望デッキは車椅子では利用できませんが、それ以外は概ね車椅子での見学、観察は可能です。

オーストラリアの特徴ある野鳥が観察できる空間です。絶対的なスペースは小規模ですが、長時間ゲージの中で観察している人も少なくないようです。

越谷市は1984年に、オーストラリアのキャンベル市と姉妹都市提携をしました。その10周年を記念して建設された施設です。

駐車場からのアクセス路とバードケージ内は未舗装路面ですが、車椅子での移動は可能です。「キャンベルタウン野鳥の森」は、車椅子で楽しめる小さな動物園です。
(本稿は2020年8月に執筆しました)