北関東から埼玉エリアを中心に店舗を展開する、居酒屋&レストランチェーン「いっちょう」。高級料亭風の外観デザインと、個室を並べた店内レイアウト、そしてタブレットによる席からのセルフオーダーシステムが特徴です。
2016年10月に、旗艦店舗の一つ「東松山店」のバリアフリー状況を調査しました。郊外型グルメ店とは、一味違う店舗設計です。
まず驚くのが敷地の広さ。駐車場は広大で、200台くらい収容できます。店舗エントランスの近くに、屋根無しの身障者用駐車区画が用意されています。駐車場からアプローチの入口まではフラットな舗装面で、車椅子の移動に問題はありません。
店舗は巨大です。高級料亭風の塀に囲まれていて、その中央部に門をくぐるようなイメージのアプローチの入口があります。正面からみて、左側の棟が小グループ向けの個室棟。右側の棟が宴会向けの個室棟です。
入口をくぐった先に、10mほどの和風アプローチがあります。このアプローチが、石畳み風のデコボコした路面です。慎重にゆっくり通過すれば車椅子で通行は可能です。杖を使う方も慎重に進んで下さい。
アプローチの先に建物への出入口があります。手動のドアを二度通る設計です。車椅子ではドアを開ける介助者が必要な構造です。このアプローチとドアが車椅子利用上の問題です。店内はフラット構造で、バリアフリートイレがあります。
すべてが個室タイプの席です。受付マシンに人数を入力し、「座敷」か「テーブル」を選択します。車椅子目線で区分けすると、「座敷で掘りごたつのタイプ」「テーブルで固定椅子のタイプ」「テーブルで稼働式の椅子タイプ」、以上の3タイプの席があり、車椅子をみるとテーブルで稼働式の椅子席に案内していただけました。
席に案内される途中に、飲み物のセルフサービスコーナーの説明を受けました。席につくと「初めてのご利用ですか」と聞かれ、オーダー方法、会計方法の説明を受けました。オーダーは全て座席に置かれているタブレット端末から行います。
席に置かれているメニューには、お料理ごとに番号がついています。その番号をタブレットに入力し、オーダー数を入力します。ランチタイムでもこの方式です。ランチメニューを番号で入力します。お料理メニュー以外も、ありそうな要望は番号がついていてタブレットで注文できます。例えば「老眼鏡」は○○○番。取り皿の追加、子供用のプレートセットなど、番号でオーダーできます。
個室での省人化を目指したITです。帰りの際は、席札をもって会計へ進みます。タブレットで会計金額や割り勘金額などが確認できます。
今どき珍しいのは、全席喫煙可。全席個室なので、お客様責任での喫煙ということです。席には灰皿がセットされています。紫煙が嫌いで匂いに敏感な方は、この点はマイナスです。
個室から見える中庭も凝った造りで高級料亭風。上手に雰囲気を演出しています。巨大店舗と独自ITが、特徴的で面白いチェーン店です。
(本稿は2016年10月の取材に基づいています)





