茨城県日立市の日立鉱山跡地にある、JX金属グループの企業資料館です。日立鉱山は1981年に閉山。日鉱記念館は1985年に開館しました。昭和の建築なので、段差構造の建物。車椅子で見学ができる本館内の展示は限られます。車椅子からみた現地の状況を紹介します。

○駐車場の状況
記念館は山中にあります。日立駅からタクシーで20分の案内。ルートの途中で、日立の大煙突を眺めることができます。
来館者用の無料駐車場があります。正門から車で入ると、最初に第二駐車場があります。ここからはまだ長い距離の坂道を上がるので、車椅子利用者はその先にある第一駐車場を利用して下さい。身障者用駐車区画が屋根なしで2台分用意されています。

○本館受付へのルート
駐車場から受付がある本館へ移動します。この間はフラットな舗装路を通ります。車椅子での移動に問題はありません。

本館の入口は段差がありますが、迂回スロープが用意されています。

本館の出入口は介助者がいないと苦戦するタイプの手動ドアです。

館内に入るとエントランスホールがあり、ロビーと受付があります。見学は無料です。今回取材時は、コロナ対策で事前登録予約制でした。事前予約がない人は、その場で入館者登録を行います。

○バリアフリートイレの状況
本館の1Fにトイレがあります。バリアフリートイレは一般トイレとは別の場所、会議室の中です。会議室の扉を開けて室内に入ります。

部屋の奥の何も表示がないドアがトイレの入口です。

ドアを開けると、綺麗なバリアフリートイレがあります。ユニバーサルベッドはありません。初めての方はまず分からないので、スタッフの誘導を受けてください。

○本館展示室のバリアフリー状況
本館展示室内は段差構造です。車椅子で見学可能なコーナーを紹介します。
「①JX金属グループの歴史」コーナー内に段差はありません。車椅子で見学可能です。



「②模擬坑道」は階段を下ります。車椅子見学はできません。



「③日立鉱山の発展」は、車椅子用の昇降機があります。スタッフに操作をお願いする装置です。


「④鉱山町のくらし」も、2つ目の車椅子用昇降機で移動できます。この昇降機もスタッフに操作をお願いします。


昇降機があるのはここまでです。車椅子ではここから昇降機2台を乗り継いで、入口に逆走して退室します。


階段でしか上がれない2Fの最初の展示は「⑤日立の大煙突」で、このコーナーの入口に展望窓があります。ただし窓から大煙突は見えません。

そして2Fの「⑥JXグループの現況」が最後のコーナーです。一般見学ルートは、ここから階段で1Fのエントランスホールに戻ります。

○屋外展示の状況
本館の見学が終わると、次は屋外展示です。今回取材時は「旧久原本部」方面は工事中で立入禁止でした。

巨大な骨組みは「第一竪坑」。明治39年から閉山になる昭和56年まで、鉱山の大動脈として活用されました。


その横に展示されるのは「大型さく孔機」。これで地中を掘り進みました。

次にある建物は「巻揚機室」で、巨大なマシンが屋内にあります。

ただし建物出入口に段差があり、車椅子では無理をしないと中に入れません。

○鉱山資料館のバリアフリー状況
最後の見学施設が鉱山資料館です。昭和19年に建設された木造のコンプレッサー室をそのまま使用した資料館ですが、車椅子ですべての展示を見学できます。

出入口は手動ドアですが、横開きの引き戸なので、それほど苦労せずに車椅子で出入りできます。大きなデコボコはありません。

資料館内の床はほぼフラットで、見学コースは全域車椅子で移動できます。

館内には「鉱石標本室」があり、石の展示があります。ここも車椅子で問題なく見学できます。


実際の使用された鉱山の器具が展示されます。館内2カ所で自動音声の展示解説が流れ、理解が深まります。


また建物自体が、戦局が悪化した時代の貴重なもの。鉄が手に入らない状況で建てられたコンプレッサー室です。見る価値があります。

鉱山資料館は第一駐車場に隣接しています。フラットな舗装路を通り、すぐに車に戻ることができます。

日鉱記念館の本館は、車椅子での見学は制限されます。しかし鉱山資料館は、すべての見学が可能です。
(本稿は2020年11月に執筆しました)