東京都新宿区西早稲田の「甘泉園公園」は、部分的ではありますが車椅子で利用できる入園無料の日本庭園です。隣接する「水稲荷神社」とともに、現地のバリアフリー状況を紹介します。
〇甘泉園公園のバリアフリー状況
「甘泉園」がある場所は、江戸時代に尾張徳川家の領地となり開墾されました。その後、清水家の江戸下屋敷となり、現在に伝わる日本庭園が築かれました。その敷地は広く、現在の水稲荷があるエリアも屋敷の一角であったそうです。明治時代には子爵の邸宅になり、昭和になると早稲田大学の所有地になりました。
1961年に「甘泉園」は早稲田大学から東京都に売却され、1969年に新宿区の管轄に移管され現在に至ります。隣接するテニスコートも含めて、新宿区立の「甘泉園」です。

甘泉園の入口は3つありますが、水稲荷からの入口と早稲田大学側の入口は階段です。

車椅子で入園可能なのは、新目白通り側からの入口です。

園内に入ると池に向かう舗装路があります。石が埋め込まれた箇所もあり、完全なフラット通路ではありません。

多少、デコボコを感じながら車椅子で進みます。

その先は木道の路になります。

下池から上池にかけて、直線的に車椅子で進める舗装路がつながります。

上池の途中に「この先車椅子は通行不能です、引き返して下さい」という案内板があります。

回遊式の日本庭園ですが、下池の周回路はデコボコがある悪路で、途中に車椅子では通行できない狭い橋があります。車椅子では池の横を直線的に進み、引き返すルートです。

車椅子での移動範囲は狭いのですが、その範囲が日本庭園の美を楽しむポイントです。入口からすぐの場所が、庭園を見わたすビュースポットです。

舗装路面を進んだ先にある四阿の入口には段差解消ポイントがあり、車椅子で立ち入り可能です。ここも庭園美を楽しむビュースポットです。お薦めは晩秋の紅葉シーズン。例年、11月末から12月上旬が見頃です。

早稲田大学キャンパスの近くですが、地下鉄の駅からは距離のある場所です。都電荒川線が最も近い駅になります。来園者用の駐車場はありません。近隣にコインパーキングなど有料駐車場はあります。

○水稲荷神社のバリアフリー状況
甘泉園に隣接する水稲荷神社は、車椅子での参拝は困難です。通常の参道は階段です。

水稲荷神社の横に「甘泉園住宅」という集合住宅があります。いったんこの集合住宅の駐車場に入り、水稲荷に抜けます。

このルートなら、傾斜路は通りますが車椅子でもなんとか水稲荷の境内に入ることが出来ます。

境内周辺はデコボコのある未舗装路面や砂利路面です。



本殿拝殿があるエリアに入る箇所には段差があります。

拝殿の前には独特なポーズの神狐像があります。


水稲荷神社は、現在の早稲田大学キャンパス内の地に、900年代頃に創建されました。その後移転するまでは、キャンパス内の神社でした。1961年に現在の場所に移転。「宗教法人 東京都神社庁」に属する神社になっています。

水稲荷神社では、早稲田大学合格祈願専用のお守りが頒布されています。

甘泉園公園は、車椅子で日本庭園の鑑賞を楽しめる公園です。隣接する水稲荷神社は、車椅子での参拝は困難な神社です。
近隣にある文京区の「肥後細川庭園」の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2019年9月の取材に基づいています)