神奈川県三浦半島の西側、相模湾に面して「佐島マリーナ」がある場所は、短い橋でつながれた「天神島」です。
天神島には自然観察ができる「臨海自然教育園」と、自然の解説展示がある「ビジターセンター」があります。車椅子で利用できる範囲と現地のバリアフリー状況を紹介します。

天神島と隣接する「笠島」周辺は、相模湾に面して富士山を眺望する景勝地です。また海岸や周囲の海には、多種多様な動植物が生息しています。自生する「ハマユウ」は、1953年に県の天然記念物に指定されています。
1965年にこのエリアは県の名勝に指定され、1966年から「天神島臨海自然教育園」として「横須賀市自然・人文博物館」が管理運営しています。また「天神島ビジターセンター」は、博物館の研究拠点として1999年に開設されました。

車椅子でのアクセス方法です。徒歩圏に駅はありません。車椅子利用者は車でのアクセスが便利です。
「天神島臨海自然教育園」と「天神島ビジターセンター」は、どちらも無料の施設です。天神島ビジターセンターの前に、15台を収容する無料駐車場があります。身障者用駐車区画はありません。駐車場は未舗装ですが、固くてほぼフラットな路面なので、車椅子での乗降と移動は可能です。

ビジターセンターのバリアフリー状況です。天神島の自然の基礎知識、自然観察の方法・マナーなどを紹介している施設です。そのため教育園よりも先に立ち寄ることを博物館では推奨しています。

駐車場からいったん外に出て、駐車場の横からビジターセンターのエントランスに向かうと、段差回避スロープがあります。

館内への出入口は自動ドアです。館内の主な動線上の段差は、すべてスロープ構造に改修されています。

展示室は1Fと2Fにあり、天神島・笠島の自然の成り立ち、動植物の生態、また佐島の漁業に関する歴史民俗資料の展示などがあります。

エレベーターがあるので車椅子で上下階移動ができます。

バリアフリートイレは1Fに1つ用意されています。今回取材時の状況では、設備はシンプルですがスペースは余裕があるトイレでした。ユニバーサルベッドはありません。

天神島ビジターセンターは車椅子で利用できる施設です。

臨海自然教育園のバリアフリー状況です。天神島の磯に沿って遊歩道があります。自然を保存する施設なので、基本的にはバリアフリーではありません。

臨海自然教育園には「南口」と「北口」2か所に入口があります。ビジターセンター側にある「南口」は、入口のところに舗装スロープが用意されています。

その先からは未舗装の遊歩道です。堅い路面でデコボコは極端にはひどくないので、ある程度までは車椅子で進むことができます。その人と介助者の状況次第ですが、無理をすれば磯場方面まで行くことが出来るかもしれません。ただし深い砂地や激しい段差などがあるので、車椅子で天神島一周の散策は無理です。

「北口」から入ると、すぐに深い砂地になり、車椅子は動けなくなります。

「北口」の近くに「管理棟」がありスタッフが常駐しています。スタッフのお話では、海岸線がみえる地点付近まで届くほどの、車椅子通行用の板が用意されているそうです。希望するとスタッフが車椅子利用者のために敷いていただけるそうです。今回取材時は、手間をかけるのが申し訳ないので、板敷きは辞退しました。

臨海自然教育園の敷地内には「天満宮 熊野社」があります。フラットな地形で、舗装された細い参道があるので、車椅子で参拝できます。

また駐車場の横に、小さな臨海公園があり、佐島マリーナ方面を眺望することができます。

臨海自然教育園の北口前にある地魚料理のお店「はまゆう」は、エントランスは階段ですが、裏のお庭にまわると段差回避できます。またお庭にもテラス席が設けられています。

天神島臨海自然教育園のビジターセンターは車椅子で利用できます。臨海自然教育園の自然観察は、車椅子では無理のない範囲までの利用になります。
佐島の漁港にある老舗の鮮魚店「丸吉商店」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2019年12月の取材に基づいています)