日本武道館などがある北の丸公園は、車椅子で散策できる公園です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

皇居の北側にある一般公開エリアが「北の丸公園」です。九段下駅方面から「田安門」へ向かうルートと、竹橋駅方面から国立公文書館を越えて向かうルートがあります。どちらも傾斜が強い坂道を上るルートです。車椅子利用者は元気な介助者がいると安心です。
九段下からのルートの詳細は、別稿「九段坂公園・千鳥ヶ淵緑道 車椅子散策ガイド バリアフリー情報」もご参照ください。
竹橋駅は2020年にエレベーターが完成しました。ただし「大手町方面改札」からのバリアフリールートで、北の丸公園には遠い「気象庁前」交差点付近で地上にでます。
「清水門」からのルートは途中に「雁木坂」という江戸城遺構の段差ルートがあり、車椅子では通行できません。
公園内には3カ所有料駐車場があります。駐車場からは園内へはほぼフラットに移動できます。駐車場料金の障がい者減免制度はありません。

園内の主な散策路は、舗装路でアップダウンは少なく、車椅子で通行可能です。
園内の5か所の公衆トイレにはバリアフリートイレが用意されています。ずれも手入れが行き届いたトイレで、車椅子での園内散策に大きな問題はありません
最も新しいトイレ棟は、北の丸休憩所のトイレです。武道館よりの第三駐車場の近くにあります。

2020年に増築された日本武道館の中道場棟はバリアフリー施設です。

正面からみて左側が段差のないアプローチです。

2021年3月現在では、レストランと2ショップが営業しています。

いずれも車椅子で利用できます。

中道場の中に、バリアフリートイレが4室用意されています。

中道場が解放されている時間帯は、自由に利用できます。

バリアフリートイレが4室ならぶ光景は、めったに見られません。

個室のサイズや設備機能は、4室がそれぞれ違うトイレです。

おそらく一般利用はできない運用ではないかと思われますが、中道場と大道場の中間地点に、身障者用駐車区画があります。

北の丸公園内にある科学技術館は、バリアフリーではありません。館内に一般利用出来るエレベーターはなく、スタッフの操作で動く業務用エレベーターの利用になります。またエレベーターは地階へはつながっていません。入館料の障がい者減免制度とバリアフリートイレはあります。

北の丸公園は総面積19.3ha。確認されている植物は743種、キノコ類が206種、鳥類57種、昆虫545種、爬虫類8種、両生類3種、陸生貝類が17種と公表されています。クワガタの生息が確認されている森林です。夏はアゲハチョウが歩道上で舞っています。ここは環境省管轄の国民公園です。飲酒は禁止。ボール遊び、バトミントンなども禁止です。

園内には銅像や塔が多数あります。田安門の横の靖国通りから見える塔は「皇紀二千六百年植樹記念碑」。神武天皇即位から2600年という意味で、1940年のことです。
「品川弥次郎銅像」は明治維新の英雄です。
工芸館近くには「北白川宮能久親王銅像」。幕末の輪王寺宮にして明治の伏見宮。最後は近衛師団長として台湾で亡くなった皇族です。
園中央部に建つ「吉田茂銅像」は戦後の首相です。

北の丸公園の歴史を紹介します。開園は1969年。昭和天皇の還暦を記念して整備された公園です。江戸時代からの公園ではありません。江戸時代は武家屋敷でした。
明治から昭和にかけては近衛師団の兵営地で多くの建物があり、戦後に森林公園に改修されました。
芝生や池、里山風の緑地などは、すべて戦後の造営です。北の丸公園の森林はまだ若く、進化と深化を続けています。

アクセスルートにアップダウンがありますが、北の丸公園は車椅子で散策ができます。
(本稿は2021年3月に加筆修正しました)