神奈川県小田原市、秀吉の小田原攻めの拠点「一夜城」にあるパティシエ鎧塚シェフのお店です。HPなどでは紹介されていませんが、車椅子利用者への配慮があるバリアフリー店舗です。現地の状況を紹介します。
開店は2011年。ケーキ、アイス、自家製パン、ジャムなど、美味しいスイーツのお店です。店内にはレストラン、店外にはフリーテーブル席があり、その場でスイーツを味わうことが出来ます。また店内にはマルシェコーナーがあり、オーガニックな新鮮野菜が販売されています。
お店のすぐ横は、秀吉が築いた石垣があります。そしてお店の前からは、相模湾を臨む絶景が楽しめます。

お店は石垣山の高台にあり、周辺は「一夜城公園」です。山登りしながら歴史をたどる舗装路がありますが、駅からは徒歩40分以上かかる急な坂道なので、車椅子での徒歩アクセスは困難です。
店舗の前は、一夜城公園の無料駐車場です。舗装路面で、公衆トイレ棟の前に身障者用駐車区画が2台分用意されています。このトイレは新しくて綺麗で、オストメイトがあるバリアフリートイレが用意されています。

公園の駐車場から「一夜城ヨロイヅカファーム」のお店へ、階段を上ります。
車椅子でのバリアフリールートは、駐車場から店舗をみて右側のスロープ路です。

そこから店舗の裏側に進むと、店舗専用の身障者用駐車区画が1台分用意されています。

店舗専用の身障者用駐車区画からは、アップダウンなく店舗入口に移動できます。ルートは店舗の裏側に沿った舗装路で、車椅子で問題なく通行できます。
店舗裏のスタッフ用の通用口に車椅子マークがついています。扉は手動の引き戸です。ドアを開けると目の前がスイーツ造りの厨房です。

ドアの左手にバリアフリートイレが1つ用意されています。厨房からの甘い香りが漂うトイレです。
ただしドアからトイレへの通路の幅は狭く、トイレ内スペースは広くはありません。広いスペースが必要な方は、むしろ駐車場のトイレの利用が便利かもしれません。
店舗裏側の通路を進むと、屋外テラスに出ます。テラスはフラットな構造で、テーブル席は可動式なので、車椅子で利用できます。

テラスから車椅子で相模湾を臨む眺望が楽しめます。

テラス以外の屋外エリアは、未舗装路で段差があり、車椅子での散策は困難です。
スイーツ販売コーナー、マルシェ、レストラン、店内全体に段差はありません。車椅子での移動は可能です。
ただし絶対的なスペースはありません。人気店舗で、今回取材時はなかなかの混雑でした。店内が混みあうと、車椅子では苦戦するお店です。

一夜城について紹介します。秀吉が一夜にして城を建てたので「一夜城」と言われていますが、史実では4万人が動員されて約80日間で建設された本格的なお城です。この城で秀吉が茶会を開いたのは事実です。
元々は「笠懸山」と呼ばれていましたが、総石垣の城が築かれたことから「石垣山」になりました。
今に残る石垣を見学できる一夜城公園は、段差がある傾斜路、未舗装な悪路で、車椅子では散策できません。ヨロイヅカファーム周辺から、無理のない範囲での見学になります。

車でアクセスすれば、一夜城ヨロイヅカファームは車椅子で利用できます。店舗裏に来店者用の身障者用駐車区画が用意されています。
2020年に誕生した小田原駅東口「ミナカ小田原」の詳しいバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2020年2月の取材に基づいています)