岐阜県岐阜市にある1300年の伝統を誇る「長良川の鵜飼」を紹介する専門博物館「長良川うかいミュージアム」は、車椅子で利用できる施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。
鵜飼が行われる長良川の川岸に建つ施設です。アクセスは車が便利。身障者用駐車区画は敷地内に2台分用意されています。通常はロープがかかり使用できない状態です。駐車場前にあるインターフォンで連絡して利用させていただきます。
一般駐車場は67台の収用で施設の目の前にあります。路面が半舗装なので車椅子で通行すると少しゴツゴツしますが、インターフォンで連絡するのが面倒な方は一般駐車場を利用しても決定的な問題はありません。
駐車料金は90分まで無料。それを超える場合、障害者手帳等の提示で有料料金が減免されます。精算前に受付で減免処理手続きを行って下さい。
エントランスから入館するとすぐに受付があります。入館料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。
バリアフリートイレは1Fの無料ゾーンにあります。もう1つ、敷地内の屋外公衆トイレ内にもバリアフリートイレがあります。屋内の有料ゾーン内にトイレはありません。
展示は2Fから始まります。エレベーターが2基あり車椅子での上下階移動は可能です。
2Fへ上がると無料ゾーンに「景観ラウンジ」があり、鵜飼がおこなわれる長良川の景観を楽しめます。その先から有料展示ゾーンが始まります。
有料ゾーンの最初は「篝火トンネル」。6人の鵜匠と屋号が篝火に照らされます。
その先が「ガイダンスシアター」です。
車椅子用の特別な席はありませんが、適当なスペースから鵜飼を紹介するスクリーンをみることが出来ます。
先にプログラム開始時間を確認しておくと、時間の無駄なくスムースに鑑賞できます。
2Fには「長良川の鵜飼の歴史・トピックス」と「特別展示室」があります。どちらもフラット構造で、車椅子での見学に大きな問題はありません。
健常者は階段で1Fへ下りる見学コースですが、車椅子利用者はもう一つのエレベーターを利用して1Fへ移動します。
1Fには長良川や鵜、鵜匠、鮎などを紹介する6つのコーナーがあります。いずれもフラットで車椅子での見学に大きな問題はありません。
1F展示コーナーを出ると無料ゾーン。最初にミュージアムショップを通る設定です。オリジナルグッズや、岐阜の銘菓などが多数販売されています。
鵜飼のオフシーズンの週末には、屋内水槽で鵜飼の実演が行われることがあります。会場は1F「多目的スペース」。1日2回程度の開催なので、観覧希望の場合は事前にスケジュールを確認することをお薦めします。
実演で見られる鵜が屋外に展示されています。
1F「南出口」から屋外に出ると近いのですが、途中に段差があります。車椅子利用者は正面玄関から出て「四阿(あずまや)」方面から「交流体験広場」を経由して「鵜の生態展示コーナー」へ廻ってください。
やや傾斜があるルートですが、一般的な車椅子利用者なら問題なく通行できます。
長良川の鵜飼は皇室と深いかかわりがあります。詳しい経緯は本稿では省きますが、鵜匠は「宮内省式部職鵜匠」です。皇室への鮎の献上の他、皇室が招くお客様を鵜飼に案内することがあるそうです。
「長良川うかいミュージアム」は、一年中いつでも長良川の鵜飼の歴史と文化を知ることが出来るバリアフリー施設です。
岐阜美濃市には美濃和紙の魅力を車椅子で楽しめる「美濃和紙の里会館」があります。別稿で紹介しているので、ご参照ください。
(本稿は2019年4月の取材に基づいています)