東京都指定名勝 哲学堂公園 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

東京都指定名勝 「哲学堂公園」 車椅子での散策ルート情報

東京都中野区にある「哲学堂公園」は、東洋大学の創始者「井上円了」氏が明治時代に「精神修養的公園」として私費を投じて整備した公園です。したがってバリアフリーではなく、車椅子で利用できる範囲は限定的です。園内には哲学に由来する建物や石造物が点在します。車椅子からみた、現地の状況を紹介します。

車椅子で利用出来るルートは限定的

最も近い「新井薬師前駅」から1kmほどの距離があります。「哲学堂公園」内の野球場に隣接した駐車場は収用が12台。原則平日のみの開放で、土日祝日は身障者専用駐車場になります。事前連絡や障害者手帳の提示が利用条件になります。公園の横を通る「中野通り」は、パーキングメーター設置路線です。

現在は「中野区立哲学堂公園」です。入園は無料。夜間は閉園になります。車椅子では公園を2つに分けて散策するのがお薦めです。井上円了が配置した「古建築物」がある「旧エリア」の高地部と、2009年に整備された「哲学の庭」がある「新エリア」です。

旧エリアから新エリアにつながる傾斜の散策路は、未舗装の段差路で車椅子では通行不能、足が悪い方にもお薦めできないルートです。

この公園は三方を道路で囲まれています。東側が哲学堂通り、北側が新青梅街道、西側が中野通りで、南側は妙正寺川が流れています。

園内を新旧の2つのエリアに分ける

古建築物が点在する旧エリアは、哲学堂通りからの「正面口」から園内に出入りします。快適なバリアフリールートではありませんが、車椅子でも何とかなる程度のデコボコ路や傾斜路ですみます。それでも介助者がいたほうが安心です。

旧エリアの高地部への車椅子でのアクセス

「正面口」からは、段差のある門などは回避して、未舗装ながら平坦な区域を車椅子で行ける範囲まで進みます。崖の途中にある古建築物などは、車椅子では近寄れません。車椅子で無理のない範囲で散策すると割り切ってください。それでも相当数の古建築物が見学できます。

旧エリアの高地部への車椅子でのアクセス

「哲学の庭」がある新エリアには、中野通り沿いの「下田橋口」から出入りします。または哲学堂通りの「四村橋口」からも出入りできます。どちらの入口からも妙正寺川沿いを進んで下さい。「下田橋口」寄りに「哲学の庭」が広がります。

このエリアは近年つくられたので、バリアフリーに鑑賞できます。日本とハンガリーの友好を記念して創作された庭で、同じ施設がブタペストにもあるということです。「哲学の庭」は撮影禁止です。ご注意ください。バリアフリートイレは、「下田橋口」近くの公衆トイレに用意されています。

「哲学堂公園」およびその周辺は桜の名所です。お花見の季節は混雑するので注意してください。

哲学堂公園は基本的にバリアフリーではありません

「哲学堂公園」は基本的にバリアフリーではありません。車椅子ではルートを2つに分けると、ある程度の見学が可能です。

近隣の名刹「新井薬師」を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2014年6月の取材に基づいています)