奥久慈茶の里公園・和紙人形美術館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

袋田の滝で有名な茨城県大子町は、奥久慈茶と呼ばれるお茶が作られている日本最北端の茶処です。奥久慈茶の里公園は大子町の茶畑エリアにある、茶摘み体験やこんにゃく造り体験ができる施設、直売所、食事処、そして奥久慈で創作活動を続けた人形作家山岡草氏の常設館「和紙人形美術館」などがある無料公園です。傾斜地のため坂道があることと未舗装路面が多いため、車椅子で利用するには少し無理をする必要がある公園です。アクセスは車が便利。県道205号線沿いにP1からP3まで無料駐車場が用意されています。いずれの駐車場からも坂道と未舗装路を通り公園内へ移動します。

奥久慈茶の里公園

P1からの坂道は舗装路ですが急坂で、車椅子は後ろ向きで下りたほうが安全です。

奥久慈茶の里公園

坂道を下り、未舗装砂利路面を進むと、物産館御食事処棟があります。棟内はフラットな構造。車椅子で利用できます。食事処はセルフサービスですが、可動式テーブル席があります。

奥久慈茶の里公園

棟内にバリアフリートイレがあります。

奥久慈茶の里公園

トイレは一般的なサイズの個室で、シンプルな設備のトイレです。

奥久慈茶の里公園

未舗装砂利路面を移動して、和紙人形美術館へ向かいます。美術館は有料の施設で障がい者減免制度はありません。

奥久慈茶の里公園

和紙人形美術館も館内はフラットな構造。車椅子で観覧できます。「異色の和紙人形家・山岡草の世界」を知ることができる美術館です。

奥久慈茶の里公園

和紙人形美術館にもバリアフリートイレがあります。このトイレも一般的なサイズの個室で、シンプルな設備のトイレです。

奥久慈茶の里公園

奥久慈茶の里公園はバリアフリー施設ではありませんが、急坂と未舗装路を何とかクリアできる車椅子利用者は、物産館御食事処と和紙人形美術館は利用できます。

(本稿は2025年5月に執筆しました)

大子町袋田にある地元の食品メーカーが運営するお店「こんにゃく関所」のバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ご参照ください。

隈研吾氏設計 那須・芦野 石の美術館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

栃木県那須町芦野にある、大正から昭和初期に建てられた石蔵をリノベーションした、石の建築空間を鑑賞する美術館です。使用されている石材は特産の芦野石と白河石で、隈研吾氏の設計に基づき、石職人さんだけで建築した「石の可能性に迫る技術やデザインを各所で見ることができる」美術館です。

那須・芦野石の美術館

徒歩圏に駅はありません。石の美術館隣接地に、P1からP4まで来館者用無料駐車場が用意されています。

那須・芦野石の美術館

駐車場に身障者用駐車スペースはありません。路面は石畳または未舗装なので、なるべく出入口近くに駐車した方が楽です。

那須・芦野石の美術館

石の美術館は各所に段差があります。エントランスに向かう石の通路も、小さな段差を乗り越えて進みます。

那須・芦野石の美術館

最初の石蔵がカフェとショップもある受付棟。ここで入館手続きを行います。石の美術館は有料施設ですが障がい者減免制度があり、本人の観覧料が若干割引されます。受付棟から石の路を通り、各石蔵を観覧します。

那須・芦野石の美術館

美術館内の観覧ルートは決まっていません。「石明かりの部屋」などの名称がつけられた、リノベーションされた石蔵を自由に巡ります。

那須・芦野石の美術館

ただし各部屋の出入口はほとんどが手動ドアで段差があります。注意して車椅子で出入りしてください。

那須・芦野石の美術館

「石のラウンジ」も出入口は手動ドアですが、車椅子で中に入れます。

那須・芦野石の美術館

石の美術館には車椅子での利用が難しい箇所があります。「石蔵茶室」は館内で最も小さい石蔵です。

那須・芦野石の美術館

茶室なので空間として狭く段差があるので、車椅子では無理のない箇所から覗き込む鑑賞になります。

那須・芦野石の美術館

「石と水のギャラリー」は車椅子で内部鑑賞ができる石蔵です。

那須・芦野石の美術館

その奥にある「石蔵ギャラリー」は、展示やイベント会場に利用される館内最大の石蔵です。

那須・芦野石の美術館

「石蔵ギャラリー」は2か所ある出入口がいずれも段差構造です。中庭方面からは4段あります。

那須・芦野石の美術館

「石と水のギャラリー」からは5段ある構造です。「石蔵ギャラリー」は車椅子での利用が困難な石蔵です。

那須・芦野石の美術館

トイレは「石のラウンジ」横に一般的な男女別トイレ。そして受付棟の奥に共用トイレがあります。共用トイレがスペースに余裕がある個室で、車椅子で利用できます。ただし便器の周囲に手すりはありません。

那須・芦野石の美術館

那須・芦野石の美術館は、小さな段差や手動ドアがありますが、過半の石蔵を車椅子で鑑賞できる美術館です。

(本稿は2025年5月に執筆しました)

那須町「那須歴史探訪館」のバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ご参照ください。

古河文学館 古河街角美術館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

茨城県古河市は複数の文化施設がある歴史と芸術の街です。その中でも車椅子で利用しやすい文学館と街角美術館をご紹介します。
古河文学館は古河城諏訪郭跡に平成10年に開館した古河ゆかりの文学者とその作品を紹介する文化施設です。アクセスは古河駅から徒歩15分の案内。文学館前に身障者用駐車スペースが設けられています。

古河文学館

身障者用駐車スペースからフラットな舗装路面を通り、古河文学館入口に移動します。

古河文学館

古河文学館は有料の施設ですが入館料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。館内にエレベータがありますが、常設展示室は1Fに3室。通常の観覧ルートはワンフロアです。展示室の他に大きな暖炉が備わるサロンがあり、蓄音機によるSPレコード鑑賞が楽しめます。また展示されている作品を読むことができる図書コーナーもあります。いずれも車椅子で利用できます。

古河文学館

バリアフリートイレはやや狭い個室でウォシュレット付き便器が備えられています。一般的なサイズの車椅子は入ります。

古河文学館

古河街角美術館はレンガ造りの建物。市のHPでは「古河市ゆかりの作家を中心とした優れた美術作品の鑑賞の場として、また、美術分野における市民創作活動の発表の場」と紹介されています。通常は観覧無料の美術館です。

古河文学館

来館者用の無料駐車場は道の反対側に用意されています。未舗装砂利路面の駐車場なので、車椅子利用者はなるべく道路に近い場所に駐車することをお薦めします。

古河文学館

古河街角美術館の出入口は自動ドア。大きな段差はなく車椅子で出入りできます。1F展示室内はフラットな構造です。

古河文学館

古河街角美術館のバリアフリートイレは出入口の近くにあります。一般的なサイズの個室で、ウォシュレット付き便器が備えられています。便器の両脇に跳ね上げ式の横型の手すりがありますが、つかまり立ちがしやすい縦型の手すりはありません。

古河文学館

すぐ横にある「篆刻美術館」は、内部にデコボコ段差がある車椅子では観覧が難しい構造です。

古河文学館

(本稿は2025年3月に執筆しました)

 桃まつりで有名な「古河公方公園」のバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ご参照ください。