千葉県成田市三里塚には、日本の牧場のパイオニア「宮内庁下総御料牧場」がありました。昭和44年に成田空港の建設により移転。御料牧場の一部、旧御料牧場事務所付近が三里塚記念公園として整備されています。公園内には「成田市三里塚御料牧場記念館」と明治中期の建造物「貴賓館」、そして戦時中に使用された「防空壕」などがあり無料で一般公開されています。またマロニエや桜の並木道、高村光太郎の文学碑などがある市民公園としても人気で「日本の歴史公園100選」にも選ばれています。
徒歩圏に駅はありません。アクセスは車が便利。来園者用の無料駐車場が2か所用意されています。大型車も利用できる第一駐車場は公園の敷地の外で、第二駐車場が公園内にあります。距離的には第二駐車場の利用が便利ですが、第二駐車場は石がごろごろ転がる未舗装路面です。
車椅子利用の方は第二駐車場から周囲の歩道に出て、三里塚記念公園の正面入口から園内に入ったほうが移動が楽です。
園内にトイレ棟があります。
バリアフリートイレは一般的なサイズの個室で、シンプルな設備のトイレです。
三里塚御料牧場記念館の正面入口は階段です。車椅子では正面右横側にあるスロープ路に迂回します。正面入口でスタッフに声をかけて、誘導を受けてください。三里塚御料牧場記念館内は靴を脱いで観覧します。できれば車椅子を拭く雑巾を持参されることをお薦めします。希望すればスタッフの方が展示内容を詳しく解説して下さいます。明治から昭和の歴史を学べます。
皇族の宿舎でもあった貴賓館は、通常は門が閉められています。
三里塚御料牧場記念館で見学を希望すると、スタッフが門を開けて案内して下さいます。ただし貴賓館の敷地内はほとんどが深い砂利路面です。建物の周囲を巡る外観の見学であれば決定的な段差はありませんが、車椅子での移動はかなり辛い路面です。
貴賓館は正面から見ると和風の様式です。茅葺の屋根が残されています。
反対側は洋風の様式。各国の公大使を招待する施設としても使用されたそうです。なお隣接地にある防空壕は階段構造のため、車椅子での内部見学は出来ません。
成田市三里塚御料牧場記念館は車椅子で観覧できます。貴賓館の見学は路面が悪いのが難。防空壕は車椅子では見学できません。
(本稿は2024年12月に執筆しました)