埼玉県立近代美術館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

埼玉県立近代美術館

北浦和公園の一角に建つ「埼玉県立近代美術館」は、黒川紀章氏設計のデザイン美術館です。設計が1978年、竣工が1982年。その後に様々なバリアフリー改修が行われ、現在では車椅子で利用できる施設になっています。美術館はB1から3Fまでの4フロア構造。3Fは資料閲覧室などで、展示室はB1から2Fの3フロアにあります。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

埼玉県立近代美術館

アクセスは北浦和駅から徒歩3分の案内。美術館周辺は極端なアップダウンがない地形で、駅からの車椅子でのアクセスは可能です。また提携駐車場があり、美術館の観覧で駐車料金が割引になります。

北浦和公園内には、複数の野外アートが展示されています。美術館に入る前に、公園を散策して美術鑑賞を楽しめます。

埼玉県立近代美術館

公園からみたメインエントランス。黒川紀章氏のデザインが輝く景観です。

埼玉県立近代美術館

エントランス周辺は全く段差のない構造です。車椅子での移動に問題はありません。

埼玉県立近代美術館

メインエントランスは幅広い自動ドア。車椅子で入館できます。今回取材時は、この先で簡単な記帳、手指消毒、検温が実施されていました。事前予約は不要です。

埼玉県立近代美術館

身障者の利用に限り、業務用駐車場の利用が許可されます。電話による事前予約制で、特別な理由がない限り、原則は当日の受付。その日の予定到着時刻を告げ、空いていれば利用予約ができます。氏名、来館者人数、電話番号、車種、車の色、ナンバーなどが確認されます。身障者用駐車スペースは1台分です。

埼玉県立近代美術館

美術館の業務用駐車場の入口は、メインエントランスの反対側。一方通行路からのアクセスになります。

美術館への入口は身障者用駐車スペースの横の通用口です。段差回避スロープがあり、その先は自動ドアです。今回取材時は、ここで簡単な記帳、検温、手指消毒を行いました。

埼玉県立近代美術館

通用口の先の廊下を通行して美術館内に向かいます。下の写真の奥に見えるのが最後のドア。このドアは手動式です。今回取材時は、美術館警備スタッフが開けてくださいました。

埼玉県立近代美術館

ドアを通過すると、美術館1Fに出ます。

埼玉県立近代美術館

館内の各フロアにバリアフリートイレが用意されています。下の写真は2Fのトイレ。ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。

埼玉県立近代美術館

次の写真はB1のトイレ。おむつ交換シートが備えられています。

埼玉県立近代美術館

埼玉県立近代美術館は観覧料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1人が無料に減免されます。展示室入口で障害者手帳を提示する運用です。今回取材時は、有料展としてはコレクション展と、企画展「美男におわす」が開催されていました。企画展によっては、障がい者減免制度の適用ルールが変わることがあるかもしれません。個別に確認して観覧してください。

埼玉県立近代美術館

1Fのバリアフリー状況です。メインエントランスがある1Fには、通常はコレクション展が開催される「展示室A」、そこからつながる「屋外展示場」、車椅子で利用できるミュージアムショップとレストランがあります。そして1Fにもバリアフリートイレが用意されています。

埼玉県立近代美術館

展示室Aへは緩い下りスロープ路を進みます。

埼玉県立近代美術館

埼玉県立近代美術館は椅子のコレクションでも有名な施設で、現在はコロナ対策で自由に座ることができませんが、館内各所に椅子コレクションが展示されています。

埼玉県立近代美術館

下の写真は展示室A入口横の展示です。

埼玉県立近代美術館

展示室Aの出入口は幅広い自動ドア。車椅子で問題なく入室できます。ここで障害者手帳等を提示します。

埼玉県立近代美術館

展示室Aはフラットで余裕のあるスペース。車椅子で問題なく観覧できます。

埼玉県立近代美術館

今回取材時は「特集中野四郎」展が開催されていました。

埼玉県立近代美術館

展示室A内の椅子コレクションの展示です。

埼玉県立近代美術館

下の写真は絵画のコレクション展示コーナー。埼玉県立近代美術館のコレクションはハイレベルで、今回取材時の展示は、ドラクロワ、モネ、ピカソ、シャガールなど巨匠の作品が並んでいました。何度来ても素晴らしいコレクションに驚かされます。

埼玉県立近代美術館

展示室Aから屋外展示場へ移動します。ここが車椅子の難所です。

埼玉県立近代美術館

出入口のドアは手動で、ドアの下に小さな段差があります。車椅子にとっては通過しにくい箇所で、ドア開け役と車椅子の前輪を上げる役、介助者が2名いると助かる構造です。

埼玉県立近代美術館

このドアを通過できれば大丈夫です。

埼玉県立近代美術館

緩やかなスロープ路を上がり屋外展示場へ移動します。

埼玉県立近代美術館

複数の作品が展示されています。

埼玉県立近代美術館

いずれの作品も車椅子から鑑賞できます。

埼玉県立近代美術館

段差の上に設置されている作品がありますが、車椅子からの鑑賞は問題ありません。

埼玉県立近代美術館

屋外展示場からの階段に人影が見えます。

埼玉県立近代美術館

階段にも作品が展示されています。

埼玉県立近代美術館

鑑賞後は同じルートで展示室Aへ戻ります。

埼玉県立近代美術館

次に2Fのバリアフリー状況です。館内はエレベーターで上下階移動できます。エレベーターのかごサイズは大きく、問題なく車椅子で乗り込めます。

埼玉県立近代美術館

2Fのトイレにもバリアフリートイレが用意されています。

埼玉県立近代美術館

2Fには展示室B、C、Dがあり、今回取材時の企画展では、すべての展示室を使用した展示が行われていました。

埼玉県立近代美術館

スペースに余裕があるフラットな展示室です。

埼玉県立近代美術館

壁面を使用したこのような展示もありました。

埼玉県立近代美術館

最後にB1のバリアフリー状況です。B1には一般展示室1、2、3、4があります。今回取材時は入場無料の「2021CAFネビュラ展」が開催されていました。

埼玉県立近代美術館

一般展示室1がもっとも大きな展示室で、次いで一般展示室2が大きな展示室です。

埼玉県立近代美術館

一般展示室1と2の間には、屋外に通じる地下広場があります。

埼玉県立近代美術館

一般展示室3はやや小さな展示室。

埼玉県立近代美術館

一般展示室4は3よりは少し大きな展示室です。

埼玉県立近代美術館

そしてセンターホールに、アート作品が常設展示されています。

埼玉県立近代美術館

見ごたえのある作品群です。

埼玉県立近代美術館

センターホールの作品は、無料で鑑賞できます。

埼玉県立近代美術館

センターホールは吹き抜け構造。2Fから見下ろすことができます。

埼玉県立近代美術館

吹き抜けの天井はガラス屋根。そして天井にもアート作品が下げられています。

埼玉県立近代美術館

身障者用駐車スペースを利用した場合、1Fの退館ルートは、下の写真の重々しい手動ドアを開けて進みます。

埼玉県立近代美術館

ドアの先に通用口があります。ここで退館時刻を記帳し、自動ドアを通過して、身障者用駐車スペースへ向かいます。

埼玉県立近代美術館

埼玉県さいたま市の「埼玉県立近代美術館」は、車椅子で利用できる施設です。唯一の難所は、屋外展示場へ通じる手動ドアの箇所です。

(本稿は2021年11月に書き直しました)