埼玉県川越市の「喜多院」の創建は830年、1200年の歴史がある名刹です。部分的にバリアフリー化されています。車椅子でのお参りの実際を紹介します。
車椅子利用者は車の利用が便利です。参拝者用の専用駐車場があります。状況により駐車料金が変わりますが、通常の週末利用なら一回500円です。駐車料金の障がい者減免制度はありません。
身障者用駐車区画は駐車場の奥、寺院への出入口付近に3台分設定があります。奥行きがない区画なので、後部からスロープで車椅子乗降するタイプの車両は利用しにくいスペースです。
歩行者の駐車場出入口前が表参道です。この参道はバリフリー改修済みです。
参道を喜多院と逆方向に行くと「別院」があります。「別院」は境内まではフラットな舗装路ですが、本堂へは階段でスロープはありません。車椅子での参拝は困難です。
喜多院境内はほとんどが未舗装路面で、舗装通路は限定的です。ただし固く踏みしめられた路面なので、慎重にデコボコの少ないルートを選べば、車椅子での通行は可能です。
喜多院の本堂は階段構造です。
階段脇にスロープが設置されていますが、一般的な車椅子利用者には怖いスロープです。無理をしないことをお薦めします。
本堂の内部と境内の一角にある五百羅漢は、有料の参拝エリアです。本堂内は段差構造なので車椅子での参拝はできません。微妙なのは五百羅漢です。路面がゴツゴツしているので、車椅子での鑑賞は快適ではありませんが、無理をすれば車椅子で移動できないことはありません。
境内の一角から五百羅漢の一部をのぞける場所があります。ここで路面の実際を確認して、行くか否か、判断してください。
境内にはトイレ棟があり、バリアフリートイレが併設されています。外観はいかにも神社の公衆トイレですが、バリアフリートイレの中をのぞくと、内部の設備はウォシュレット付のとても綺麗なトイレでした。
境内は紅葉の名所で、深い森です。喜多院の周囲の舗装道路を車椅子で一周しましたが、その森の深さに驚きました。境内から森へ直接移動するルートはバリアフリーではありませんが、周回路は普通の舗装路で、周囲から車椅子で信仰の森に触れることができます。
「喜多院」は多々段差があり、未舗装路面が多い寺院です。ある程度の悪路を我慢できれば、車椅子で境内を散策することができます。
(本稿は2017年11月の参拝に基づいています)