国宝犬山城と犬山城下町 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

国宝犬山城と犬山城下町バリアフリー情報

多くの観光客が訪れる「犬山城」。国宝犬山城の見学と城下町の町歩きが人気です。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

○犬山城のバリアフリー概況

国宝犬山城は天守に上ることができます。ただし入口は段差があり、内部は土足禁止。4層構造を急な階段を手摺に掴まりながら上り下りするので、車椅子では無理なのはもちろん、少し足が悪い人でも天守へは厳しいルートです。

国宝犬山城は山城。天守に至る道も急坂です。最低限の段差解消は行われていますが、体力のある人、または力のある介助者がいないと上ることは出来ません。

城下町の古い町並みが残る「本町通り」は人気の観光ストリート。この道はフラットで車椅子での移動が楽に出来ます。

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○駐車場のバリアフリー状況

各駅からのアクセスは20分程度かかる距離。車椅子利用者は車でのアクセスが便利です。犬山観光の駐車場は「キャッスルパーキング」と呼ばれる第一駐車場が最も観光スポットに近く人気があります。

第一駐車場には身障者用駐車区画があります。駐車場の誘導スタッフに車椅子利用を申告すると、空きがあれば誘導していただけます。駐車料金の障がい者減免制度はありません。

第一駐車場に隣接した高台の「犬山丸の内緑地」は段差ルートで、車椅子では眺望良い展望スポットまで行くことができません。

犬山は人気の観光地です。好天の週末などは、午前中から第一駐車場は満車になることが多いので注意して下さい。その場合は、やや距離はありますが第二駐車場へ。あるいは身障者用の区画はありませんが、近隣の民間有料駐車場の利用になります。第三駐車場からは、犬山城まで約20分かかる距離になります。

第一から第三までの駐車場の公衆トイレには、バリアフリートイレが用意されています。

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○犬山城前広場から三光稲荷神社までのバリアフリー状況

「国宝犬山城」へ向かう急坂ルートの詳しい情報です。

出発地点は「犬山城前広場」。ここまではほぼフラットな舗装路だけで移動できるので、車椅子で広場に向かうことは可能です。「犬山城前広場」から「国宝犬山城」へ上がる坂道が始まります。またお城に行く途中に2つの神社が鎮座しています。

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最初の神社は「三光稲荷神社」。縁結びの御利益があり、ピンク色でハート型の絵馬が有名です。また境内には「銭洗い稲荷神社」や「姫亀神社」が鎮座します。

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正面の参道は、「犬山城前広場」の横から始まる階段ルートです。「国宝犬山城」へ上がる坂道を上ると、「三光稲荷神社」の裏側の参道に出ます。ここまでなら、少々体力のある車椅子利用者および介助者であれば、なんとか上がることが出来ます。

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「三光稲荷神社」の境内は、ほぼフラットで拝殿はスロープ構造。車椅子での参拝は可能です。

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○その上の針綱神社までのバリアフリー状況

更に坂道を進むと「針綱神社」があります。創建から1000年以上が経つ社で「御神馬」は子育てなどに御利益があります。

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「針綱神社」も表参道は階段ルートです。「国宝犬山城」へ上がる坂道からは「御神馬」の横から境内に入ります。境内はほぼフラットで、車椅子での参拝は可能です。

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「三光稲荷神社」の裏側の参道箇所から、「針綱神社」の「御神馬」の横までは、距離は短いながら傾斜角度があるもの凄い急坂になります。並みの体力の車椅子利用者では、登坂が困難な坂道です。

しかしながら「国宝犬山城」へ向かう急坂ルートは、石の路面はコンクリートで凹凸を低くする、階段路は半分をスロープ化するなど、車椅子で通行不能な決定的な段差は解消されています。坂を上る体力さえあれば、車椅子で2つの神社を参拝して「国宝犬山城」へ行くことができます。

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○犬山城までの急坂ルートの状況

「針綱神社」の「御神馬」の横の箇所から、「国宝犬山城」の入口までは、長距離の急坂が続く区間です。車椅子利用者の登坂は、相当な困難を伴います。

「国宝犬山城」の入場料は障がい者減免制度があり、入口で障害者手帳等を提示すると、本人と介助者2名まで無料に減免されます。

入口からお城までは、階段の一部をスロープ化したルートで上ります。傾斜角度はありますが短いスロープなので、ここまで来られる車椅子利用者なら問題なく上がることが出来るはずです。

「国宝犬山城」内部への入口は段差があり、その先は土足禁止で、内部は急階段です。

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車椅子では天守を下から見上げるところまでが限界です。

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○城下町の車椅子散策バリアフリー状況

五平餅などの食べ歩きが楽しい城下町は、人気の高い観光スポットです。「本町通り」を中心にした城下町散策は車椅子で可能です。

古い町並みが残る犬山城下町の中心部は、ほぼフラットな地形で坂道はありません。すべて舗装路で、2019年4月現在、日曜祝日の「本町通り」は歩行者天国になります。

お店のバリアフリーレベルはそれぞれで、車椅子では利用が難しいお店もありますが、十分に車椅子で城下町散策を楽しむことができます。町中にバリアフリートイレがある公衆トイレがあります。

問題があるとすれば混雑です。人気の高い店には、長い行列が出来ることも珍しくありません。この点はご注意ください。

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○城とまちミュージアムのバリアフリー状況

犬山城下町には「城とまちミュージアム」と「どんでん館」、2つの有料資料館があります。いずれも入館料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。

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「城とまちミュージアム」は、エントランスには段差迂回スロープがあり、館内はフラット構造で、バリアフリートイレがあります。

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江戸時代を中心に犬山の歴史と文化を展示紹介する施設で、館内はバリアフリー。車椅子での展示見学は可能です。

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「城とまちミュージアム」には、道を挟んだ反対側に別館「からくり展示館」があります。出入口は手動ドアですが、車椅子で利用できる施設です。

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「犬山祭」で活躍する「からくり人形」の展示解説が中心の施設です。

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別館「からくり展示館」にはバリアフリートイレはありません。

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○どんでん館のバリアフリー状況

「どんでん館」は「犬山祭」の車山の展示を中心にした施設です。

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「犬山祭」では13輌の車山が曳かれます。通常その内の4台が展示されています。

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2フロア構造でエレベーターがあり、館内はバリアフリーで車椅子での展示見学は可能です。バリアフリートイレは1F。一般男女別トイレは2Fにあります。

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○犬山城の歴史について

犬山城は16世紀の築城。小牧・長久手の戦いでは、羽柴秀吉が入城して徳川家康と戦いました。江戸時代に入り1617年に成瀬正成が城主となってからは、成瀬氏が代々城主となっています。

天守は昭和10年に国宝指定。現存する天守では、最も古いという説があります。犬山は現在でも江戸時代とほぼ同じ町割りのまま、天守と城下町が残っている町です。

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「国宝犬山城」の内部は車椅子では見学できませんが、犬山は無理のない範囲だけでも、車椅子で観光を楽しめる町です。

(本稿は2019年4月の取材に基づいています)

別稿で「名古屋城」のバリアフリー状況を紹介しています。ぜひご覧ください。