栃木県足利市の障がい者施設「こころみ学園」が運営する「ココ・ファーム・ワイナリー」は、誰でも利用できるワインショップとカフェがある施設です。最低限のバリアフリーは確保されて、車椅子で利用できます。現地の状況を紹介します。

車椅子でのアクセス方法です。徒歩圏に駅はありません。車の利用が便利です。
公共の交通機関を利用するなら、地域コミュニティバス「あしバスアッシー」のバス停からになります。ただし「ココ・ファーム・ワイナリー」は山の中腹にあり、バス停からは長い坂道を上ります。車椅子向きではありません。
敷地の最高地に来場者用の無料駐車場があります。その駐車場からワインショップとカフェへは、車椅子では辛い急な下り坂を通行します。
ワインショップとカフェの入口前に、タクシー乗り場になるフラットなスペースがあります。健常者が運転をする場合は、タクシー乗り場で車椅子利用者は乗降して、ドライバーだけが最高地の駐車場に停めに行くことをお薦めします。

ワインショップとカフェのバリアフリー状況です。タクシー乗り場からスロープを上り建物入口へ向かいます。ドアの下には小さな段差があるので注意して下さい。


建物に入ると手前がワインショップです。ワインの他に、採れたて野菜、ジャムなどの加工品、クッキーなどのお菓子類、チーズやハムなどワインのおつまみ類が販売されています。
木の床面は小さなデコボコがありますが、車椅子がひっかかるほどではありません。店内通路は車椅子が通行出来る幅が確保されています。
建物の奥がカフェです。ランチメニューもあります。床面には小さなデコボコはありますが、ゆとりのあるスペースに可動式のテーブル椅子席なので、車椅子で利用できます。
開放的なテラス席があり、季節の良い時は、急斜面のブドウ畑を眺めながら、お茶や食事を車椅子で楽しめます。

ワインショップとカフェに隣接するスペースがワインの醸造室で、ガラス越しに巨大なタンクが見学できます。
ワイナリーイベントのバリアフリー状況です。ワインテイスティングは、その時期お薦めのワイン5種類をおつまみ付きで試飲する有料企画です。10名未満の人数なら、予約なしでその場で申し込めます。ワインショップ試飲コーナーのイベントで、車椅子で参加可能です。
有料のワイナリー見学コースがあります。アップダウンがある道を移動し、施設内は一部に段差があるので、車椅子では無理のない範囲での参加になります。
「ココ・ファーム・ワイナリー」のワインは、国際線ファーストクラスや、有名レストランのスペシャルコースに採用された実績があります。
バリアフリートイレの状況です。トイレはタクシー乗り場の横にある独立棟です。ワインショップとカフェの建物内にはありません。

バリアフリートイレが1つ用意されています。スペースはやや狭いトイレですが、設備は更新されて綺麗なトイレでした。

2019年秋の台風で、最高地駐車場横の山の斜面が崩れました。2020年1月現在、まだそのままの状態で、駐車場の一部は土砂で閉鎖されています。なお台風による人的な被害はなかったそうです。
ブドウ畑は、1950年代に施設の少年たちによって手作業で開墾されました。そしてワイン造りは1984年から始まりました。山の中腹にありますが、車を利用して上手にアップダウンを避ければ、「ココ・ファーム・ワイナリー」は車椅子で利用できます。
足利学校他、足利市の観光名所を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2020年1月の取材に基づいています)