時計の博物館 セイコーミュージアム バリアフリー情報

※2020年8月に銀座に移転します。そのため2019年末で休館になりました。以下は休館前の情2019年8月の取材に基づいています。

新しい銀座のセイコーミュージアムのバリアフリー情報は、別稿の「銀座セイコーミュージアム 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報」をご参照ください。タイルをクリックするとリンクします。

東京都墨田区の「セイコーミュージアム」は、車椅子で見学が出来る無料の施設です。現地のバリアフリー状況を詳しく紹介します。

セイコーミュージアム

東向島駅から徒歩8分の案内です。ミュージアム周辺はアップダウンが少ない地形なので、車椅子での通行に大きな問題はありません。

来館者用の無料駐車場があります。正面入口左横に3台分と、右横には駐車区画がない舗装された空き地のような駐車スペースがあります。身障者用駐車区画の設定は無く、正面入口左横の3台分は一般用のやや狭い駐車区画です。右横の空き地のような駐車スペースは、大型バスが2台収容できる広さがあります。広い乗降スペースが必要な方は、右横の空き地スペースの利用が便利です。

アクセス方法

ミュージアムのエントランス周辺はフラットな構造で、出入口は自動ドアです。

ミュージアムのエントランス周辺はフラットな構造

館内に入るとすぐに受付があり、簡単な記帳をします。受付の周囲は、現在のセイコー商品のショールームの様な展示です。

展示室の見学順は、1Fの半分を見て2Fへ、そして1Fへ戻ります。エレベーターは1基。各フロア内はフラット構造で、通路幅は余裕があり、車椅子での館内移動は可能です。

エレベーターは1基

バリアフリートイレは1Fの奥にあります。奥に長いトイレでスペースの余裕はありますが、大型のベッドはありません。

エレベーターはやや狭いタイプです。一般的な車椅子は問題なく入りますが、大型の車椅子はギリギリのスペースです。

車椅子での利用上の注意点

2F「和時計コレクション」展示室の出入口は、介助者がいると助かるタイプの手動式のガラスドアです。

和時計コレクション」展示室

ほぼ全ての展示は、車椅子から見学出来ます。1F前半の展示は「時計の進化」。「時の計測のはじまり」から「クオーツ時代の到来」「欧米クロック」が展示されます。

1F前半の展示は「時計の進化

1F前半の展示は「時計の進化

2Fの展示は前出の「和時計コレクション」コーナー以外は、セイコーの歴史や商品の展示が主になります。ちょっと昔の懐かしい商品の展示もあります。

セイコーの歴史や商品の展示

セイコーの歴史や商品の展示

セイコーの歴史や商品の展示

セイコーの歴史や商品の展示

1Fの後半の展示は「スポーツ時計体験コーナー」。オリンピックで使用された実際のタイム測定器などが展示されます。

スポーツ時計体験コーナー

1Fの「スポーツ時計体験コーナー」の端には、無料で利用できるコーヒー飲料器があり、紙コップと砂糖などが置かれています。

無料コーヒーサービス

「セイコーミュージアム」は、時計を学ぶ博物館。車椅子で利用出来るバリアフリー施設です。

隅田川と下町の博物館 すみだ郷土文化資料館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都墨田区の「すみだ郷土文化資料館」は、多くの人を惹きつけてきた隅田川を中心にした下町文化などが展示される、車椅子で見学ができる資料館です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

すみだ郷土文化資料館

アクセスは、とうきょうスカイツリー駅から徒歩7分の案内です。資料館の周囲はアップダウンが少ない平地が多く、ほとんど歩道が整備された道路を通るので、車椅子でのアクセスは可能です。

来館者用の一般駐車場はありませんが、身障者用駐車区画が1台分用意されています。今回取材時における身障者用駐車区画の利用方法を紹介します。

事前予約は出来ません。空いていれば利用できる運営です。現地駐車スペースの前には施錠されたポールがあり、無断利用は出来ません。その場から資料館になんらかの方法で連絡をして、スタッフに開錠していただきポールを下げて利用します。駐車スペースは斜めで狭く、小型車両でも駐車には技術が必要です。

すみだ郷土文化資料館

資料館のエントランス周辺はフラットで、出入口は自動ドア。車椅子での入館に問題はありません。有料の資料館ですが、入館料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。

展示室は3フロア構成で、エレベーターが1基あります。各展示フロア内はフラット構造で車椅子での移動は可能です。バリアフリートイレは3Fに用意されています。ユニバーサルベッドはありません。

館内のバリアフリー状況

1Fは「すみだのあゆみ」。古代からの地形の変遷やゆかりの人物の紹介などがあります。大型資料の壁掛け展示が多く、車椅子からの見学に問題はありません。

展示のバリアフリー状況

2Fは近現代の隅田川がテーマ。明治時代に花見で賑わう墨堤を再現したジオラマ、東京大空襲の惨状、隅田川花火の歴史などが紹介されます。壁掛け展示の他にケース内の展示もありますが、ケースの高さは低く、傾斜展示されるので、ほとんどの資料は車椅子から見学が可能です。

展示のバリアフリー状況

3Fは企画展示室。今回取材時は地元のお寺に伝わる絵画などを紹介する「黄檗‐牛頭山弘福寺」展が開催されていました。壁掛け展示が中心で、車椅子からの絵画鑑賞は可能です。

展示のバリアフリー状況

下町の歴史と文化に興味のある方にお薦めの施設です。向島エリアは近代の埋め立て地ではなく、古代から陸地でした。江戸時代に首都になり、利根川の流れが変えられ、町民文化が育まれた地。明治大正で独自の下町文化が花開き、戦争で焼け野原に。そして現代へと続く復興の歴史。墨田区民だけではなく、多くの人が関心をもつテーマが展示解説されています。

また1Fのミュージアムショップでは、貴重な資料でもある過去の企画展の図録などが販売されています。

下町の歴史と文化に興味のある方にお薦め

「すみだ郷土文化資料館」は、小規模ながら展示内容は充実した資料館です。車椅子で観覧できます。

近隣の文化施設「たばこと塩の博物館」の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年8月の取材に基づいています)

たばこと塩の博物館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

「たばこと塩の博物館」は、1978年に当時の「日本専売公社」、現在の「日本たばこ産業(株)」によって渋谷公園通りに設立されました。そして2015年に現在の場所、東京都墨田区に新築移転した博物館です。

アクセスは「とうきょうスカイツリー駅」から徒歩8分、押上駅からは徒歩12分の案内です。駅から距離がありますが、周辺はほとんどアップダウンがないエリアなので、車椅子での移動は可能です。

一般来館者用の駐車場はありませんが、身障者用駐車場があります。電話による事前予約制で、駐車料金は無料です。正面入口側から進入してください。

たばこと塩の博物館

駐車場の出入口は、通常パイロンが置かれています。予約時間が近くづくと、警備スタッフの方が出入口付近にきて、予約した車両がきたことを確認するとパイロンを動かし、駐車区画に誘導してくださいます。したがって、なるべく予約時間に正確に来館することをお薦めします。簡単な記帳をしたのちに駐車許可書が渡されるので、ダッシュボードの上など見える場所に掲示します。帰るときはエントランス付近にいる警備スタッフの方に声をかけて、駐車許可書を返却し、パイロンを動かしていただいて出庫します。

たばこと塩の博物館

正面入口の横にシンボルモニュメントがあります。「たばこと塩の博物館」が渋谷公園通りに開館した1978年に製作されたモニュメントで、渋谷から移転されました。19世紀にスウェーデンのたばこ屋が看板として使用した像が原型です。

たばこと塩の博物館

「たばこと塩の博物館」は段差のないバリアフリー構造な施設です。正面入口の自動ドアを通り館内へ入ります。入口にある巨大な置物は岩塩のレリーフです。

たばこと塩の博物館

「たばこと塩の博物館」の入館料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。1Fの受付で障害者手帳などを提示して無料入館券を発券していただきます。

博物館は1Fから5Fまでの構造です。1Fは受付と「ミュージアムショップ」「ワークショップルーム」。2Fは「塩の世界 常設展示室」と企画展などが開催される「特別展示室」。 3Fは「たばこの歴史と文化 常設展示室」「コレクションギャラリー」と「視聴覚ホール」そして「喫煙室」。4Fは資料を無料で閲覧できる小さな「図書閲覧室」。5Fは椅子が配置された「多目的スペース」と「喫煙室」です。

館内のエレベーターは1基で、かごのサイズは大きなエレベーターです。

たばこと塩の博物館

バリアフリートイレは1F、2F、3Fに用意されます。1Fのトイレがもっとも大きなサイズの個室です。

たばこと塩の博物館

ウォシュレット付き便器、オストメイト装置、ユニバーサルベッドが備えられています。

たばこと塩の博物館

2Fと3Fのバリアフリートイレも綺麗なトイレで、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。

たばこと塩の博物館

各フロアの状況です。1Fのミュージアムショップは大きなお店ではありませんが、ユニークなオリジナル商品が並ぶ面白いショップです。フラットで店内通路は車椅子が移動できる幅が確保されています。

たばこと塩の博物館

2Fの常設展示室は「塩の世界」。エレベーターホールに巨大な岩塩が展示されています。

たばこと塩の博物館

展示室に入ります。フラットでスペースに余裕がある展示室です。

たばこと塩の博物館

岩塩の彫刻「聖キンガ像の祭壇」のレプリカです。ポーランドに実在する岩塩の祭壇です。

たばこと塩の博物館

古代からの塩造りが紹介されています。世界には様々な塩田があります。

たばこと塩の博物館

塩に関する科学的な知見の紹介があります。このコーナーの内容は科学館的です。

たばこと塩の博物館

世界の塩を紹介するハイテク系展示があります。車椅子から観覧可能です。

たばこと塩の博物館

2Fには特別展示室があり、年間5本程度の展覧会が開催されます。通常別途料金はかかりません。入館料だけで観覧できます。今回取材時は「塩袋と伝統のギャッベ展」が開催されていました。特別展示室もバリアフリーなスペースです。

たばこと塩の博物館

ロビー空間には所蔵品の検索などができるコーナーがあります。

たばこと塩の博物館

3Fへ上がります。3Fはタバコのフロア。喫煙室が設けられています。

たばこと塩の博物館

3Fの常設展示室「たばこの歴史と文化」に入室します。この展示室もフラットでスペースに余裕があるバリアフリースペースです。

たばこと塩の博物館

古代マヤ文明の「十字の神殿」が復元されています。

たばこと塩の博物館

そこには「たばこを吸う神」が描かれています。

たばこと塩の博物館

下の写真が「たばこを吸う神」です。

たばこと塩の博物館

日本の江戸時代のたばこ文化の紹介コーナーです。たばこは日常生活を彩る文化でした。

たばこと塩の博物館

おびただしい数のたばこ関連コレクションの展示があります。大蔵省専売局により、昭和7年から本格的に蒐集されたコレクションの一部です。キセル、パイプなどの器具、煙草が描かれた浮世絵などが展示されています。

たばこと塩の博物館

懐かしい道具や機械の展示があります。

たばこと塩の博物館

昭和のたばこ屋さんの再現展示です。

たばこと塩の博物館

歴代のたばこ製品やポスターが時系列に展示されています。3Fの常設展示室「たばこの歴史と文化」は車椅子で観覧できます。

たばこと塩の博物館

4Fの図書閲覧室は大きなスペースではありませんが、車椅子で利用できます。図書の閲覧、ビデオ映像の視聴ができます。

たばこと塩の博物館

5Fの多目的スペースは広い空間で、休憩など自由に利用できます。壁面には専売事業の年表が掲示されています。

たばこと塩の博物館

「たばこと塩の博物館」は、車椅子で利用できるユニークなバリアフリー博物館です。

別稿で東京のユニークな博物館をまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2022年5月に書き直しました)