東京カテドラル聖マリア大聖堂・カトリック関口教会 バリアフリー情報

東京都文京区、目白の高台にある東京カテドラルは、車椅子で訪れることができる教会です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

東京カテドラル聖マリア大聖堂

椿山荘正面入口の目白通り反対側にある教会です。江戸川橋駅から徒歩15分の案内。坂道を上ります。車椅子ではつらいルートです。駐車場はあります。ただし祭礼やイベントがあるときは利用できないことがあります。車椅子利用者は、タクシーまたはマイカーでのアクセスが便利です。

施設のバリアフリー状況です。丹下健三氏の設計で1964年に落成した大聖堂は、出入口に段差が無い構造です。小聖堂への入口は段差がありますが、スロープが設置されてバリアフリーになりました。

東京カテドラル聖マリア大聖堂

バリアフリートイレがある建物は「関口会館」です。会館の中ではなく、外側のトイレ専用出入口から利用します。広くて綺麗なバリアフリートイレが1つあります。

東京カテドラル聖マリア大聖堂・カトリック関口教会

一般的なサイズの個室で、ウォシュレット付き便器が備えられています。

東京カテドラル聖マリア大聖堂

敷地入口左手に総合案内兼ショップがあり、オリジナル商品などが置かれています。入口はスロープがあり車椅子で入店可能です。お店は小さく、通路幅に余裕はありませんが、車椅子でショップを利用することが出来ます。

「大聖堂」は上空から見ると「クロス」のデザインです。大聖堂の手前にそびえるのが「鐘塔」で、高さ約62m。ねじれて空に突き刺さる壁面のデザインです。鐘は4つありますが、現在は鳴らないように留められています。下から見上げる、横から眺める。様々な場所から造形美を鑑賞できます。

東京カテドラル聖マリア大聖堂

大聖堂の内部の状況です。聖堂内は見学可能です。結婚式の見学は可能。信徒でなくてもミサや講座に参加することは可能。また各種コンサートが開催されます。ただし現在はコロナ対策で制約があります。最新情報を確認してください。

大聖堂の中は荘厳です。パイプオルガンが鳴り響きます。キリスト教の伝統に則り、入口は西で祭壇は東向きです。

「ルルド」のバリアフリー状況です。教会敷地の奥にある「岩屋」です。オリジナルはフランスのルルドにある「マッサビエーユの洞窟」です。1858年に貧しい14歳の少女「ベルバデッタ」がこの洞窟にきたところ、そこには美しい女性が佇んでいた。その後その女性は18回現れ、名を問われると「無原罪のやどり」と答え、それが「聖母」であることを教会が公式に認定。洞窟は聖なる場所になりました。

以後、世界中に「ルルドの洞窟」を模した洞窟が造られるようになり、この関口教会の「ルルド」は、1911年にフランス人宣教師によって、オリジナルの原寸を忠実に模して造られました。祭壇や聖母像があります。車椅子で見学可能ですが、神聖な祈りの場です。

東京カテドラル聖マリア大聖堂

東京カテドラル聖マリア大聖堂・カトリック関口教会は、ミサ、講座、コンサートなどに車椅子で参列・参加できます。

(本稿は2022年8月に加筆修正しました)

ホテル椿山荘東京 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」は、車椅子で利用できる施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

ホテル棟とバンケット棟で構成される施設です。両棟とも目白通りからアクセスするメインエントランスは3Fになります。車やバスでアクセスし、利用する棟の車寄せで降車して、メインエントランスから館内に入るのが一般的なバリアフリールートです。

ホテル椿山荘東京

両棟は3Fの連絡通路で連絡します。館内には車椅子で通行できない段差はありません。上下階移動はエレベーターがあります。

現時点では、ホテルのバリアフリールームは2室と案内されています。館内の各レストランおよびバンケットホールは、決定的な段差は無く車椅子での利用は可能です。

ホテル椿山荘東京

目白駅からは2.2kmの距離があります。ほぼ平坦な目白通りの歩道を歩いてアクセスします。

江戸川橋駅からは庭園の入口「冠木門」を目指します。駅エレベーター地上出口から「冠木門」までは600mの距離です。「冠木門」まではほぼ平坦な道ですが、椿山荘庭園内は上り坂になります。「雲海」イベント開催以後、「冠木門」は閉門されています。当面の間、閉門が続くとの情報です。現時点では「冠木門」ルートは利用できません。

駐車場のバリアフリー状況です。メインエントランス周辺の屋外とバンケット棟の地下、ホテル棟の横に駐車場があります。また「バレットパーキングサービス」もあります。

車椅子利用の場合は、メインエントランスのスタッフに相談することをお薦めします。利用者の障がいの状況、介助者の状況、施設利用目的などに応じて、乗降場所、駐車スペース、利用するサービスなどを案内していただけるはずです。

ちなみに、地下駐車場は設備としては新しくはなく、身障者用駐車区画はありますが、それ以外は5ナンバーサイズの区画や、2台収容の機械式区画で、車椅子での乗降が難しい駐車区画です。スタッフに相談して誘導を受けることをお薦めします。

バリアフリートイレの状況です。バリアフリートイレはありますが、現在のところ数は多くはありません。特にバンケット棟を利用する場合は、各階にはバリアフリートイレがないので注意して下さい。

バンケット棟の2Fは、着替えや着付けができる「衣装室」のフロアです。このフロアのバリアフリートイレは、トイレ内に着替えができるスペースがある広いトイレです。車椅子で着替えをしたい場合は、バンケット棟2Fのバリアフリートイレの利用が便利です。

徒歩でのアクセス

ただし1室しかありません。そのように利用されるので、使用中の場合は、空くまで長時間かかるリスクはあります。

庭園のバリアフリールートです。椿山荘の庭園の一部は、傾斜路ですが車椅子で散策できます。館内から庭園で出るバリアフリールートは、ホテル棟の1F庭園出入口です。

庭園のバリアフリールート

バンケット棟1Fの庭園出入口は段差があります。結婚式などでチャペルを利用した場合は、そこから段差なく庭園へ出ることができます。

庭園のバリアフリールート

ホテル棟の1F庭園出入口から先は、下り坂の折り返しスロープ路になります。

庭園のバリアフリールート

その先の赤い橋を渡ると、庭園の中心部にでます。そこから左に進む、庭園の最下部「冠木門」までの下り坂は段差がありません。

庭園のバリアフリールート

途中には「ほたる沢」があり、初夏の夜は車椅子で蛍狩りが楽しめます。

庭園のバリアフリールート

赤い橋を渡り右に進む上り坂は、滝までは段差がありません。

庭園のバリアフリールート

その先、三重塔に向かうルートは階段路になります。

庭園のバリアフリールート

椿山荘の庭園バリアフリールートは、ホテル棟の1F庭園出入口から、下りは「冠木門」まで、バンケット棟方面は滝までの範囲です。

庭園のバリアフリールート

庭園レストランのバリアフリー状況です。庭園内に3軒の一軒家レストランがあります。

「冠木門」に近い「木春堂」は、エントランスまでは段差は無く、席を選べば車椅子で利用できます。

「無茶庵」は階段路の途中にあるので、車椅子での利用は困難です。

庭園レストランのバリアフリー状況

「錦水」はバリアフリー仕様ではありませんが、利用者の障がいの状況によっては、スタッフの介助や席の設定により、車椅子利用が不可能ではありません。

椿山荘の蛍狩りについての情報です。条件が良い日なら、「ほたる沢」周辺で、数多くの蛍の舞を、庭園の歩道から車椅子で鑑賞できます。

椿山荘の蛍狩り

椿山荘の見頃は5月中旬から6月中旬です。風が弱い夜の20時頃から閉園の22時までが見頃です。

椿山荘の蛍狩り

雨天など条件が悪い日でも、蛍シーズン中は確実に蛍の光が楽しめるように、椿山荘では庭園の滝の裏側の飼育ケースの中に蛍を放っていますが、この場所へ行くには段差を乗り越える必要があります。

椿山荘の蛍狩り

椿山荘はHPなどで、蛍の状況を詳しく発表しています。たとえば、2017年は、蛍の幼虫が陸に上がるのが確認されたのが4月7日。初の蛍飛翔が確認されたのが5月12日です。

椿山荘では、長年の蛍観察の結果、蛍初飛翔「500度説」を唱えています。蛍の幼虫が陸にあがった日から、1日の平均気温を積算して500度に達した日が、蛍初飛翔の日になる、という仮説です。

ホテル椿山荘東京の館内は車椅子で利用できます。庭園は車椅子での利用は部分的です。設備ハード構造で補えないバリアフリー面での問題は、可能な限り人的なサービスで対応していただけます。

近隣の美術館「永青文庫」のエントランス横には、身障者用専用駐車スペースがあります。別稿で紹介していますので、ご覧ください。

(本稿は2022年8月に加筆修正しました)

バリアフリー日本庭園 肥後細川庭園 車椅子利用ガイド

東京都文京区の「肥後細川庭園」は、車椅子で散策できる日本庭園と休憩施設がある無料の公園です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

肥後細川庭園

ここは江戸時代の細川家下屋敷です。その時代からある池泉回遊式の日本庭園と、大正時代に建てられた細川家の学問所「松聲閣(しょうせいかく)」が施設の中心です。

江戸時代には細川家の別亭。明治中期には学問所。関東大震災のあとには細川家の仮本邸として使用され、戦後東京都が取得し、文京区に管轄が移されました。細川元首相は、細川家仮本邸時代の幼少期の記憶があるそうです。

昭和の頃から「新江戸川公園」として一般公開されていましたが、2016年1月16日に大改装されてリニューアルオープン。大正期の建物と池泉回遊式庭園が、バリアフリーに生まれ変わりました。隣接して細川家の収蔵品が展示公開される「永青文庫」があります。

肥後細川庭園の歴史

庭園の概要です。大きな池を中心に散策路がある日本庭園です。正門から敷地内に入ります。庭園外の前庭があり、左手奥に「松聲閣」が建ちます。正面奥に日本庭園への入口があります。

庭園の概要

前庭一帯は段差のない舗装路面で車椅子での移動は可能です。「松聲閣」は2階建て構造で、改装されて全館バリアフリーです。

日本庭園は、永青文庫につながる山側は未舗装の段差路です。池の周囲の半分ほどが、車椅子で散策可能な範囲です。

庭園の概要

日本庭園散策路の状況です。車椅子で散策可能な日本庭園ですが、路面は完全なフラット舗装ではありません。敷石を残した箇所や水の流れをいかした箇所には、小さな段差があります。ただし、一般的な車椅子利用者なら通行できる程度の段差です。

日本庭園散策路の状況

そのような箇所以外は、周囲の景観に溶け込んだ色調の特殊加工された舗装路で、全く段差はありません。

日本庭園散策路の状況

松聲閣のバリアフリー状況です。増改築が積み重なった建物で、正確な築年は不明です。リニューアルの際に、この箇所は貴重で文化的な価値が高い、この装飾物は文化財、と個別に評価をして現存処置がとられたそうです。

松聲閣のバリアフリー状

建物内は土足禁止です。玄関内にスロープがあり車椅子で入館できます。

松聲閣のバリアフリー状況

正面左手にトイレがあり、バリアフリートイレが用意されています。

松聲閣のバリアフリー状況

建物の外側にもトイレがあり、そこにもバリアフリートイレがあります。ただし外側トイレは、少しスペースが狭いトイレです。

松聲閣のバリアフリー状況

1Fは有料貸出の集会室が和室2室と洋室2室で合計4室、加えて休憩室が一つあります。

2Fは日本庭園の展望室となる二間続きの和室。和室ですがほとんど段差なく車椅子で入室できます。

松聲閣のバリアフリー状況

廊下は普通サイズの車椅子は通行できます。

松聲閣のバリアフリー状況

廊下と和室の段差は小さいので車椅子で乗り越えられます。

松聲閣のバリアフリー状況

総合計で6室の部屋名は「肥後六花」と呼ばれる花の名前が付けられています。

2Fの展望室「山茶花」では、モニターがおかれ肥後細川庭園の歴史などの情報が放映されています。

松聲閣のバリアフリー状況

ここから庭園の全景を楽しむことができます。

松聲閣のバリアフリー状況

エレベーターはあります。ただし小型のホームエレベーターなので、大型の車椅子は入らないかもしれません。

松聲閣のバリアフリー状況

アクセス方法です。来園者用の駐車場はありません。すぐ近くに駅はありません。車椅子で急な坂道を避けて徒歩でアクセスするなら、江戸川橋駅か都電荒川線の早稲田駅の利用になります。

アクセス方法

車椅子でのアクセス方法に決め手を欠きますが、「肥後細川庭園」は車椅子で日本庭園と大正時代の学問所を利用できるバリアフリー施設です。

(本稿は2019年9月の取材に基づいています)