九品仏 浄真寺 車椅子お参りガイド バリアフリー情報

東京都世田谷区の九品仏「浄真寺」は、少し無理をすれば車椅子でお参りが出来るお寺です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

九品仏浄真寺

自由が丘から九品仏一帯は人気タウン。その九品仏の地名の由来になった古刹です。「浄真寺」は浄土宗のお寺で、1678年創建と伝えられています。

本堂の前にある3つのお堂にそれぞれ三体の阿弥陀如来像があり、合計すると九体なので「九品仏」。これが寺の別称になり、ひいては地域の名称になりました。東急大井町線の九品仏駅は、九品仏という街の知名度に比べてとても小さい駅です。

浄真寺は広い大規模なお寺です。しかし日常はひっそりとした古刹。緑豊かで静かなお寺です。

浄真寺と九品仏

九品仏駅から徒歩3分の案内です。駅前から浄真寺に向かうと、すぐに参道になります。参道はほぼフラットな舗装路面で車椅子での通行は可能です。平常時、参道に屋台の出店などは一切なく、公園、公民館、一般住宅などが並びます。静かな参道です。

浄真寺の駐車場は原則として信徒用です。寺務所で発行する駐車許可書の掲示が必要です。お寺の近くに、便利でバリアフリーな有料駐車場は見つかりません。

九品仏駅から徒歩3分

参道を進むと境内への入口に「総門」があります。段差回避スロープがあるので、車椅子で通行できます。もう一つの境内への入口は「東門」です。この門は傾斜がありますが段差はありません。

総門から境内へ

境内の通路は、ほとんどが未舗装路か、車椅子に小さな衝撃があるデコボコした石畳路です。車椅子での境内の移動はあまり快適ではありませんが、決定的な段差箇所はスロープまたは迂回路が用意されています。

境内を進むと「仁王門」とよばれる「山門」があり、鐘楼、そして本堂と続きます。

九品仏浄真寺

広く、そして品格があるお寺です。境内の緑の深さが参拝者に迫ります。山門や鐘楼も実に立派なものです。紅葉の名所でもあります。

山門から本堂へ

本堂には、釈迦牟尼仏を中心に、右に善導大師、左に法然上人の像を安置。開帳され、仏様を拝むことができます。この間の参拝ルートも、デコボコはありますが車椅子で通行可能です。

山門から本堂へ

そして九体の仏様、九品仏を拝みます。一体一体、表情が違う阿弥陀如来像です。

九品仏浄真寺

九品仏が安置されている3つのお堂「上品堂」「中品堂」「下品堂」は、本堂と境内で正対している配置です。これは本堂側が此岸、九品仏のお堂側が彼岸を意味します。

本堂とお堂は石畳の通路で結ばれ、ここを行き来することは、すなわち此岸と彼岸を行ったり来たりすることになります。そういう解説が境内に掲示されています。本堂と3つのお堂周辺の石畳は、比較的車椅子で移動しやすい路面です。

九品仏にお参りする

浄真寺の境内には、公衆トイレはありません。トイレは本堂内にあるという案内です。

また休憩所もありません。今回取材時は「開山堂」の近くに簡易ベンチがあり、参拝者が座って休憩をしていました。

九品仏「浄真寺」は、バリアフリーではありませんが、車椅子で通行できない決定的な段差箇所は迂回できます。

九品仏から多摩川方面に移動すると「等々力渓谷」があります。別稿で掲載しているのでご参照ください。

(本稿は2015年9月の取材に基づいています)

自由が丘デパート 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京都目黒区、自由が丘駅前の「自由が丘デパート」は、一部を除き館内を車椅子で移動することが出来る施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

空襲で焼野原になった自由が丘にできた闇市を、そのまま収容したのが自由が丘デパートの始まりです。開館は昭和28年。現在の建物の基本構造部は昭和30年代に建設されました。その後、幾多の増改築を重ねて現在に至ります。

施設はB1から4Fまでの5フロア構造。3坪から5坪程度のテナント区画を中心に130マス以上あり、現在100店舗ほどが営業しています。

自由が丘デパート

エレベーターが1基あり、B1から3F間で稼働しています。4Fはエレベーターがありません。

エレベーターはB1から3Fまで

館内のトイレは3Fだけにあります。バリアフリートイレは、一般男女別トイレとは離れたエレベーターの隣にあります。

4Fは英会話スクールと貸しホール、そして自由が丘デパートの事務所があります。

3Fの状況です。3Fはスナックや飲み屋が入るフロア。車椅子で利用出来そうなお店は、ほとんどありません。

2Fの状況です。2Fはグルメ街です。このフロアだけは、中通路ではなく外通路式。インド料理、ベトナム料理、すし、とんかつ・・・。飲食店を中心に14店舗が営業しています。価格は庶民的。自由が丘のお洒落グルメ店とは一線を画す飲食店街です。いわゆるバリアフリー店はありませんが、その人の障がいの状況によっては、車椅子でなんとか利用できる可能性がある店舗はあります。

1Fの状況です。1Fは活気のあるフロアです。入店しているお店は服飾、雑貨、食品、化粧品・・・と様々です。ここにしかない、独特の世界が広がります。バリアフリーへの取り組みがあるわけではありませんが、通路の横に小さな店舗が並ぶ構造なので、1Fは車椅子で買い物が出来るお店が多いフロアです。

B1の状況です。雑貨や服飾系ショップが中心です。テナントのマスは全45区画ありますが、営業しているのは約半分です。スケルトン状態のマスが多いので、自由が丘デパートの建築構造が見学できます。1Fと同様に、通路から車椅子でお店を覗くことはできます。

昭和の香り漂う商業施設

人気タウン自由が丘の駅前の施設ですが、自由が丘デパートと隣接する「ひかり街」は、戦後の自由が丘文化を楽しむ空間です。

自由が丘デパート

自由が丘デパートは、バリアフリーとは程遠い印象ですが、車椅子でも部分的には利用できる商業施設です。

(本稿は2015年9月の取材に基づいています)