ソメイヨシノ発祥の地 染井霊園 車椅子お参りガイド バリアフリー情報

東京都豊島区駒込の「都立染井霊園」は、江戸時代から続く歴史ある墓地です。霊園としての開園は明治7年。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

管理事務所まで駒込駅から約1kmの距離です。事務所前に数台程度ですが参拝者用の駐車場があり、身障者用駐車区画が用意されています。

都立染井霊園

事務所棟の近くに独立トイレ棟があり、バリアフリートイレが用意されています。

都立染井霊園

桜の古木がある静かな霊園内には舗装通路があります。霊園全体の面積は約7haです。

都立染井霊園

霊園の外周には、手動で開閉する出入口があります。このような入口から車椅子で霊園に入ると、未舗装路や大きなデコボコがある通路に出る箇所があります。

都立染井霊園

染井霊園は管理事務所側から入ると、車椅子でバリアフリーな舗装通路を散策することができます。

回遊式築山泉水の大名庭園、本駒込の「六義園」の詳しいバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年11月の取材に基づいています)

東京駒込 車椅子散策 目赤不動尊南国寺 バリアフリー情報

東京都文京区本駒込の「目赤不動尊」は町歩きツアーの人気スポットの一つ。車椅子でお参りが出来るお堂です。

本駒込駅から徒歩4分の案内です。参拝者用の駐車場はありません。

本郷通りに面した分かりやすい場所に建つ古寺です。正面入口には対の門柱があり、左の門柱に「目赤不動尊」、右が「南国寺」と刻まれています。

目赤不動尊南国寺

南国寺は小規模なお寺ですが、趣のある寺です。目赤不動尊は江戸時代に庶民の信仰を集めました。

大戦の空襲で本堂とお堂は焼失し、現在の施設は戦後に再建されたものですが、お堂とその前に並ぶ六体のお地蔵さんは、江戸時代の様子を今に伝える雰囲気があります。

目赤不動尊のバリアフリー

境内の入口に段差はありません。通路は舗装されています。お堂の前に段がありますが、車椅子境内に入り、お堂、本堂に近づくことは可能です。

目赤不動尊

境内に入ると正面が南国寺本堂。目赤不動尊のお堂は右手です。

不動尊が鎮座するお堂は、通常は扉が閉まっています。

目赤不動尊

扉までは3段の段があるため、車椅子で近付くには限界がありますが、お堂の扉は格子のガラス張り構造で、かすかに中が透けて見えます。目を凝らすと、不動尊のお姿が見えます。

お堂の扉を開けて参拝できます。段の上にある扉なので、車椅子利用者は健常な人との同行をお薦めします。

目赤不動尊南国寺

目赤不動尊の由来です。南国寺の開祖は万行律師。三重県の赤目山で修業し、不動明王を授かって江戸へ。南国寺を創建し、当初は目赤ではなく、赤目不動尊と称していました。

三代将軍家光が鷹狩の途中に立ち寄り、「目黒・目白の不動と同じく、赤目ではなく目赤不動にせよ」というような意味の指令を発し、天領であった現在の土地を寄進したという伝承です。

目赤不動尊の由来

江戸時代には、目青不動、目黄不動もあり、江戸五色不動を構成したという伝承があります。

古代中国で生れた五行思想がその源流。万物は木・火・土・金・水の5元素からなるという思想です。この5種類の元素に色が付けられ、木=青、火=赤、土=黄、金=白、水=黒という関係が成立。この五色で、世の中全てのことが包括されるという思想に発展します。目赤の赤は、五行の火と結びついたものと言われています。

以上の目赤の由来、五色の由来は、いずれも伝承レベルの話で、はっきりとした史実ではありません。目黒、目白、目赤の三不動については、江戸時代の資料に記載があり、その時代から存在していたことは史実です。目青不動、目黄不動については、江戸時代での存在を確定できる資料は、未発見ということです。

目赤不動尊

東京町歩きの人気エリア駒込。目赤不動尊南国寺は車椅子でお参りができるお寺です。

江戸時代からの歴史が息づく駒込の「富士神社」と「天祖神社」を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2022年6月に加筆修正しました)

東京駒込 富士神社と天祖神社 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

東京都文京区駒込界隈は、江戸時代からの歴史が息づく街歩きの人気エリアです。あまり知られていない名所「富士神社」と「天祖神社」の車椅子での歩き方を紹介します。

「富士神社」

富士神社

江戸後期に大流行した「富士講」。その中でも最も古い講組織が駒込の「富士神社」です

「一富士二鷹三茄子」は縁起のよい初夢として知られていますが、「駒込は一富士二鷹三茄子」と、江戸川柳に縁起物として読まれたことがきっかけです。一富士二鷹三茄子の「富士」は富士神社の富士塚のことと言われています。

また「鷹」はこの周辺に鷹匠屋敷があったこと。「茄子」は駒込が茄子の名産地であったことによります。鷹匠屋敷は現在の駒込病院の場所にありました。駒込茄子の生産農家は今やありません。

富士神社

富士神社には、その富士塚が現存しています。富士塚の高さは約5m。そこに急階段が30段ほどあり山頂に向かいます。

祠は急階段の先の山頂にあります。したがって車椅子での参拝は無理ですが、境内から富士塚を眺めるだけでも、訪れる価値がある富士塚です。

富士神社

江戸時代に町火消の信仰を集めた神社です。富士塚の斜面には、所狭しと「火消組」や「とび職」の石碑が並び、わざわざ運んできた富士の溶岩が敷き詰められています。この様は壮観です。

富士神社

本駒込駅から徒歩10分ほどです。参拝者用の駐車場はありません。駒込の住宅街の一角です。

富士神社

参道入口には階段があるので、車椅子では車両進入ルートを利用して境内に入ります。

富士神社

富士塚に向かう境内の参道は石畳です。車椅子が引っかかる箇所が多々あるので、ゆっくり慎重に進んで下さい。ただし距離はなく、すぐに富士塚の麓に着きます。

階段を上がった富士塚の山頂の状況です。山頂の祠は戦後に再建されたコンクリート製のものです。正直に言って、それほど凝った造形の祠ではありません。山頂を一周回る未舗装路があり、お末社の祠、かたき討ちの曽我兄弟の碑などがあります。この富士塚は、もともとあった前方後円墳を活用した人工山という説があります。

富士神社

6月末「山開き」のお祭りがあります。この「山開き」のお祭りの時と、年末年始、節分の日だけ、御朱印が現地でいただけます。それ以外の期間は、社務所は原則無人で「天祖神社にお越しください」という案内が掲示されています。

「天祖神社」

駒込天祖神社

富士神社から住宅街を3分ほど歩くと「駒込天祖神社」があります。天照大神を祀った伊勢神宮系の神社で、源頼朝が創建したと伝えられる駒込村の総鎮守です。都心の神社としては大きな神社です。

駒込天祖神社

長い参道を進み本殿へ向かいます。

駒込天祖神社

参道の脇にはお末社などがあります。

駒込天祖神社

木々も雰囲気がある神社です。

駒込天祖神社

参道は車椅子で通行できます。

駒込天祖神社

社務所で御朱印を受け付けていただけます。

駒込天祖神社

大戦の空襲で全焼したため、現在の施設は全て戦後の建築物です。

駒込天祖神社

拝殿は数段の段の上です。車椅子では段の手前からの参拝になります。

駒込天祖神社

車椅子での東京街歩き。駒込界隈の散策では「富士神社」と「天祖神社」は、あまり知られていない人気スポットです。

本駒込に建つ大寺院「吉祥寺」の情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年11月の取材に基づいています)