岐阜中津川 ちこり村 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

岐阜県中津川市の「ちこり村」は野菜生産大手の「サラダコスモ」社が運営するショップ&レストラン、そして「ちこり」生産工場の見学ができる施設です。「ちこり村」は車椅子で利用できます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

最初に「ちこり」について紹介します。ヨーロッパ原産のキク科の野菜です。種イモとなる「チコリ芋」を育て、そこから育つ葉が「ちこり」です。日本で大規模にチコリの生産を行っているのは、この「ちこり村」だけということ。日本では生食されることが多いのですが、ヨーロッパでは煮る、焼く、炒めるなど、キャベツのような調理方法が主流ということです。以上「ちこり村」の工場見学で教えていただいた情報です。

車椅子で行く岐阜中津川 ちこり村 バリアフリー情報

「ちこり村」は「ちこり」を屋内栽培する「ちこり生産ファーム」と、収穫後のチコリ芋から焼酎を造る「ちこちこ焼酎蔵」の2つの生産工場があり、無料で工場見学ができます。

そして農家手作り家庭料理レストラン「バーバーズダイニング」、チコリ関連商品を中心に多彩なお土産が並ぶ売店コーナー、そして栗きんとんや創作和スイーツが人気の「新杵堂」が出店しています。元々は工場ですが、大規模でかつバリアフリーな観光施設でもあります。

車椅子で行く岐阜中津川 ちこり村 バリアフリー情報

場所は中津川インターチェンジの近くで、アクセスは車が便利です。無料駐車場があり、第三駐車場まで用意されます。身障者用駐車区画は施設入口前の第一駐車場に設けられています。そこから段差回避スロープを上り施設内へ入ります。

車椅子で行く岐阜中津川 ちこり村 バリアフリー情報

駐車場のまわりに面白い装飾、チコリモチーフの施設などがあります。施設内に入る前に周囲を見渡すことをお薦めします。

車椅子で行く岐阜中津川 ちこり村 バリアフリー情報

施設内はフラット構造で車椅子での利用に大きな問題はありません。ショップやレストランの通路幅は余裕があります。ただし団体客の利用があると、混雑して車椅子での買い物はやや苦戦するかもしれません。

施設内にバリアフリートイレが1つ用意されています。

車椅子で行く岐阜中津川 ちこり村 バリアフリー情報

「ちこり生産ファーム」と「ちこちこ焼酎蔵」の工場見学は30分毎に行われます。団体利用は事前予約が必要ですが、少人数なら予約不要でその場で参加できます。所要時間は約20分です。

見学コースはフラットな通路を移動するだけなので、車椅子で参加できます。「ちこり生産ファーム」の作業を窓越しに見るコーナーがあります。この窓越しの見学は車椅子でギリギリ可能な高さと角度です。

工場見学ですが、そのほとんどはチコリの説明です。20分で「ちこり」の知識が高まります。

「ちこり村」は大規模で、面白く、バリアフリーな施設です。そして車椅子で工場見学が出来ます。

岐阜にはご当地ならではの施設「長良川うかいミュージアム」があります。別稿で紹介していますので、ご参照ください。

(本稿は2019年4月の取材に基づいています)

岐阜 かんぽの宿恵那 車椅子宿泊ガイド バリアフリー情報

岐阜を代表する景勝地「恵那峡」を眺望する「かんぽの宿恵那」には、バリアフリールームが用意されています。現地の状況を紹介します。

用意されているバリアフリールームは4Fに2室です。部屋のタイプは同じでツインルーム。エクストラベッドを入れて最大3人まで宿泊可能です。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

部屋の出入口は引き戸。バリアフリータイプのバス&トイレ。洗面台は独立して設置されています。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

ホテル全体のバリアフリー状況です。

アクセスは車が便利です。地下駐車場がある構造で、雨天でも濡れずにホテルに入ることが出来ます。駐車場には身障者用駐車区画が有ります。駐車場から直結するのはB1です。大浴場があるフロアで日帰り温泉としても営業しています。

B1フロアからは2系統のエレベーターがあります。フロントは1F。各フロア内に段差構造の箇所はなく、車椅子での移動に大きな問題はありません。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

1Fのショップコーナーはスペースに余裕があり、車椅子で利用しやすい構造です。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

チェックインしてバリアフリールームに向かいます。宿泊フロアへのエレベーターは1系統2基。エレベーターのかごは標準サイズで、大型の車椅子でも入ります。

お部屋のベッドはフル装備の電動ベッドが1台。今回宿泊した部屋では、もう1台のベッドも上半身部は電動するタイプでした。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

室内には車椅子と同じ高さの小間上がり畳スペースがあります。利用できる人は、足を伸ばして和のくつろぎを楽しむことが出来ます。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

バリアフリールームは天井走行リフトがあり、ベッド、トイレ、バスの動線をカバーします。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

バスのお湯は温泉ではありません。別に予約制の家族風呂があります。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

部屋には大きな窓、バルコニーがあり、恵那峡を臨みます。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

バリアフリールームから素晴らしい景観を楽しめます。

車椅子で宿泊 かんぽの宿恵那 バリアフリー情報

パブリックスペースのバリアフリー状況です。夕食・朝食の会場は、スペースにゆとりがあるフラット構造で可動式テーブル席が配置されています。車椅子で利用できます。

大浴場は車椅子のための特別な設備はありませんが、無駄な段差のないバリアフリー構造です。男女別風呂の入口に浴場内用の車椅子が用意されています。お風呂で車椅子を乗り換えて、そのまま浴場内へ入り、車椅子のまま体を洗う運用です。

浴場の洗い場には、車椅子と同じ高さの小間上がりのようなスペースがあります。利用できる人には便利な洗い場です。

「かんぽの宿恵那」は車椅子で利用しやすい施設です。バリアフリールームには、歩行は困難ですが座位はとれる方には使いやすい、小間上がりスペースが用意されています。

恵那峡から約10㎞の中津川ICの近くに、おそらく世界で唯一のチコリ専門施設「ちこり村」があります。別稿で紹介しているのでご参照ください。

(本稿は2019年4月の取材に基づいています)

岐阜 瑞浪市地球回廊 車椅子見学ガイド バリアフリー情報

地球回廊は200mの地下トンネル内に、地球誕生からの46億年の歴史が展示解説されるユニークな施設です。トンネル内に段差はなく車椅子で見学できます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

地球回廊は「瑞浪市民公園」内にある施設です。市民公園内には子供向け科学館「サイエンスワールド」、地元出身の彫刻家「市之瀬廣太記念美術館」、「陶磁資料館」、体育館、野球場、テニスコートなどがあります。

瑞浪市の「瑞浪層群」地層からは数多く化石が発見されています。地球回廊は「デスモスチルス」の化石が発見されたことを記念した施設。公園内には他に「化石博物館」があります。

アクセスは車が便利です。市民公園内に3カ所の無料駐車場があります。地球回廊に近い一般駐車場は「市之瀬廣太記念美術館」の手前にある駐車場です。身障者用駐車区画があり、地球回廊の入口まで80mほどの距離です。

さらに奥に進むと「市之瀬廣太記念美術館」敷地内の裏側が、身障者専用駐車スペースになっています。区画が曖昧な駐車スペースで、10台程度は駐車可能です。ここからなら地球回廊の入口まで50mほどの距離です。ただし駐車場の出入口は短い傾斜路面です。

駐車場から地球回廊の入口まではすべて舗装路です。入口に受付があります。地球回廊の入館料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。受付で入館手続きを行ってください。バリアフリートイレは受付の先、回廊入口の手前にあります。

車椅子で行く岐阜 瑞浪市地球回廊バリアフリー情報

地球回廊は第二次世界大戦時に掘られた地下壕を利用した施設です。床面はフラットで車椅子が躓くような箇所はありません。

車椅子で行く岐阜 瑞浪市地球回廊バリアフリー情報

低廉な入館料金の施設ですが、展示解説は凝った演出です。

車椅子で行く岐阜 瑞浪市地球回廊バリアフリー情報

最初の導入展示は「光のトンネル」。そして「地球史を飾った生物たち」「地球の誕生」「古代の海は生命を宿した」と展示が続きます。

車椅子で行く岐阜 瑞浪市地球回廊バリアフリー情報

ここまでが最初のストレートなトンネルゾーンです。

車椅子で行く岐阜 瑞浪市地球回廊バリアフリー情報

地下トンネルはこの先でロの字型にまわります。このスペースは恐竜が主役です。

車椅子で行く岐阜 瑞浪市地球回廊バリアフリー情報

「生命の陸上への進出」「恐竜の楽園」「息づく恐竜トリケラトプス」「デスモスチルスのジオラマ」と展示が続きます。

車椅子で行く岐阜 瑞浪市地球回廊バリアフリー情報

恐竜が絶滅した先は「ほ乳類そして人類の時代へ」「日本列島ひとまたぎ」と展示が続きます。ここまで車椅子での見学に大きな問題はありません。

そして地下トンネルは、出口に向かうストレートになります。そこにあるのは「ハイビジョンスペース」。地球誕生の歴史を解説する番組が放映されます。

ハイビジョンスペースは階段式の席で車椅子用の特別なスペースはありません。車椅子では最前列から見ることになります。

車椅子で行く岐阜 瑞浪市地球回廊バリアフリー情報

ハイビジョンを見た先は最後の展示「生きている地球」です。そのままトンネルを出て見学は終了です。受付のすぐ横に出ます。

「瑞浪市地球回廊」は、車椅子で200mの地下トンネルを通ります。あまり混雑することのない、バリアフリーな科学施設です。

「多治見市モザイクタイルミュージアム」の情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年4月の取材に基づいています)