東京都文京区は弥生式土器発掘の地です。「文京区立文京ふるさと歴史館」は、車椅子で利用できる、古代からの文京区の歴史を学ぶ文化施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。
文京区立の歴史民俗分野の資料館です。
春日方面からは急坂を上る場所です。正面入口前のスペースが身障者用駐車場になっています。
館内はバリアフリー仕様です。1991年開館の施設ですが、バブル期的な雰囲気はありません。
1Fと2Fが常設展示室、B1が企画展示室です。屋外から利用する地下の屋外展示場へは階段で下ります。
この展示場は車椅子で観覧できません。
「文京ふるさと歴史館」は有料施設ですが障がい者減免制度があり、本人と介助者1名の入館料が無料に減免されます。1Fにバリアフリートイレが有り、館内にはエレベーターが1基あります。そもそもは段差のある設計ですが、改修で最低限のバリアフリーは確保できています。
常設展は1Fから始まります。その後通常は階段で2Fへ上るルート設定です。車椅子利用者は館内奥にあるエレベーターに迂回して、上下階を移動します。
展示内容は文京区の地形の解説、竪穴式住居の展示、江戸時代の街づくりなどです。いくつか電子的な仕掛けがある展示物がありますが、ほとんどが節電対応中で利用希望者はスタッフへ申告するルールになっています。
特別展などが開催される企画展示場はB1です。B1は収蔵庫がある構造でそもそも展示場サイズが小さく、1F・2Fの常設展示場の半分以下のスペースです。B1の展示スペースは狭くなりますが、フラットなので車椅子で見学可能です。
文京区エリアは古代から弥生人が活動した地ですが、町として発展したのは江戸時代で、その契機は火事と水ということです。明暦の大火で多くの大名屋敷と寺社が文京区に移転したこと。また江戸への水道として神田上水が建設されたこと。村から町に変わった契機はこの二つでした。そういう歴史が学べる「文京ふるさと歴史館」です。
「文京区立文京ふるさと歴史館」は真面目な施設です。古い施設ですが、館内はバリアフリー改修済みです。
鷗外住居跡地に建つ「文京区立森鷗外記念館」の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2017年12月の取材に基づいています)