奈良「興福寺」は、車椅子での参拝が簡単ではありません。現地のバリアフリー状況を紹介します。

興福寺は周囲の土地よりも高台にあるので、アクセスルートは急坂です。南側の「猿沢池」方面、西側の近鉄奈良駅方面へ抜ける道は、急な下り坂。「五重塔」から「猿沢池」へ直行するルートは、有名な「五十二段路」です。そして境内のほとんどは深い砂利路面で車椅子はスタックします。

「東金堂」「五重塔」が並ぶ周辺は、深い砂利路面で車椅子はスタックします。「中門跡」前を通り「南円堂」そして「三重塔」への行程も、すべて深い砂利路面です。南大門跡周辺は強烈なデコボコ未舗装路。「南円堂」から「中金堂」そして「北円堂」へ向かう道も砂利路面。境内は車椅子の難所が続きます。

2018年元旦、国宝館がリニューアルオープンしました。国宝館内はバリアフリー、車椅子で阿修羅像を拝観できます。
アクセスは興福寺の有料駐車場からがバリアフリールートです。車が通るルートで興福寺に入って下さい。このルート以外は、すべてバリア路面を通ります。車なら直接駐車場を利用するのが便利です。身障者用駐車区画の用意があります。

国宝館について詳しく紹介します。国宝館入口はスロープがあります。拝観料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が半額に減免されます。なお国宝館のパンフレットは別途有料です。
国宝館内はバリアフリー設計。その名の通り、興福寺の国宝を車椅子で鑑賞できます。車椅子での観覧に大きな問題はありませんが、静寂が求められる美術館なので、声が出てしまうタイプの障がいのある人は、騒ぐと居心地が悪くなります。バリアフリートイレは出口付近にあります。スペースは狭く、一般的な車椅子が入るギリギリのサイズの個室です。
国宝館は車椅子利用者にお薦めできます。来館ルートは駐車場からです。

車椅子での興福寺境内散策はお薦めできません。車椅子では無理をせずに、見えるところから、見える範囲での参拝をしてください。
なお東大寺についての詳しいバリアフリー情報は別稿を参照してください。
(本稿は2018年6月の取材に基づいています)