東京都千代田区の神田淡路町。江戸時代以来続く街並みを、15年の歳月をかけて大規模再開発して2013年に開業した「ワテラス」は、車椅子で利用できる施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。
建物としては「ワテラスタワー」と「ワテラスアネックス」の2棟構造です。そこにオフィス、レジデンス、学生マンション、ホール、そして一般商業施設が入ります。
一般利用できる商業施設は「ワテラスアネックス」のB1から3F。この商業施設名が「ワテラスモール」です。レストラン、スーパー、CVS、カフェ、ドラッグなど様々な店舗が入ります。

神田淡路町にはバリアフリーな新しい商業施設はあまりありません。エリアの中では車椅子で利用できる希少な商業施設です。
都心の施設ながら一般利用できる駐車場があり、身障者用駐車スペースが2台分用意されています。一般有料駐車場は2Fにあり、そのままフラットな横移動でワテラスモールの2Fにつながります。施設利用による駐車料金の減免サービスはありません。

バリアフリートイレは、モール2F部の屋外庭園の一角に、一般トイレと並んで1つ用意されています。外付けビルドインタイプのような設計で、トイレには屋外から入るのですが、実際には屋内トイレです。もう一か所、駐車場の通路の途中にバリアフリートイレが1つあります。いずれも広くて清潔感のあるトイレです。
「ワテラスモール」はB1が食品スーパーで、1Fから3Fがグルメ、サービス、ショップが入ります。上下階移動のエレベーターは1基だけです。

今回は休日の夕方に取材しました。特にそういう時間帯であったためか、マンションにお住いの人が、3Fからエレベーターに乗ってB1のスーパーへ行き、買い物をしてB1からエレベーターに乗って3Fに戻る、そういう動線が途切れなく続き、B1から3Fを繋ぐ一基のエレベーターはフル稼働の状況。車椅子で途中階から乗れないケースが数回ありました。エスカレーターもありますが、エレベーターを使いたくなる構造です。

「ワテラスタワー」の1Fから3Fは、ホールなどがあるコミュニティエリア「ワテラスコモン」です。

車椅子で上下階移動に使うエレベーターは、ちょっと解りづらい北側の裏手にあります。施設正面からは見えない場所です。
このエレベーターがある「ワテラスコモン」の北側から、「御茶ノ水ソラシティ」に直結するブリッジルートがあります。「御茶ノ水ソラシティ」の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ご参照ください。

敷地内1Fの公開空地は淡路公園として一般開放されています。この公園はバリアフリーです。

ワテラスの学生マンションは、立地と部屋の品質に対しお安い家賃になっていますが、地域社会活動への参加が入居の義務になっているそうです。現在満室です。
「ワテラスモール」は、車椅子での神田界隈散策の拠点として利用できるバリアフリー施設です。
(本稿は2022年9月に加筆しました)