東京都立川市の「南極北極科学館」は、国立極地研究所内にある極地の自然と研究を学ぶ、車椅子で利用できる科学館です。現地のバリアフリー状況を紹介します。
「国立極地研究所」は広くて大きい施設です。その中に平屋構造の独立棟「南極北極科学館」があります。入館は無料。施設全般バリアフリー仕様で、車椅子での利用に大きな問題はありません。実際に極地で研究をしている機関の科学館です。本物の極地研究に触れることができます。
アクセスは車が便利です。「国立極地研究所」の正面入口から敷地内へ入ります。正面にあるのは研究所棟で、科学館はその裏側にあります。科学館に近い研究所の駐車場は、正面から左へ進みます。途中に研究所来場者向けの身障者用駐車区画があるのでそこに停めるか、科学館に近い場所がよければ、研究所東側駐車場奥の駐車スペースが便利です。駐車場は無料で、収容台数は50台以上あります。
車を停めて科学館へ向かいます。歩道はフラットで、エントランスはスロープ構造です。車椅子での移動に問題はありません。
館内に入ります。記帳などの受付事務はありません。出入口右手がミュージアムショップ、その先にトイレがあり、広くて綺麗なバリアフリートイレがあります。
展示テーマは「オーロラ」「生物」「岩石隕石」「大気・氷」など。「歴史」コーナーでは機械遺産に認定された大型雪上車が展示されています。
2017年にリニューアルした「オーロラシアター」は、出入口の幕は開けられ、プログラム途中での出入りが自由になっていました。狭いシアターですが、空いていれば車椅子でオーロラ鑑賞ができます。
「こちら昭和基地」コーナーにはライブ映像あり。冬場であれば白夜の南極の今を見ることができます。
「体験コーナー」では、南極観測隊が使用する防寒具などを実際に着用でき、タロジロのパネル写真と記念撮影ができます。
面白い雑学系展示があります。食用として豚を南極に連れて行ったら凍死してしまったこと。愛玩ペットとして猫を連れていったこと。南極越冬隊のエピソードです。
科学館周辺には屋外展示があります。カラフト犬の像、蜂の巣岩、しらせのスクリューブレードなどです。
また科学館の横に建つ別棟は休憩所で、飲食ができます。出入口は手動ドアですが、床面はフラット構造で、可動式のテーブルと椅子が配置されています。
面白くてバリアフリーで無料の「南極北極科学館」は、車椅子で利用できる施設です。日曜日は休館、臨時休館もあります。開館スケジュールを確認して利用してください。
東京にあるユニークな博物館を別稿でまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2018年1月の取材に基づいています)

