奥多摩周遊道路 檜原都民の森 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京都檜原村から奥多摩町につながる山岳ドライブルート「奥多摩周遊道路」には、車椅子で休憩ができる施設が2か所あります。檜原村にあるのが「檜原都民の森」。檜原村の山中に整備されたトレッキングコースの拠点で、施設としては駐車場、売店、トイレ、そして「森林館」と「木材工芸センター」などがあります。

檜原都民の森

車椅子で休憩に利用できるのは「森林館」です。バリアフリートイレ、レストラン、休憩室、そして都民の森の自然を紹介する展示コーナーなどがあります。

檜原都民の森

ハイカーが利用する山の中の施設です。奥多摩周遊道路に面した一般駐車場から森林館へは、300ⅿほどの急な坂道を上がります。駐車場から先の坂道は、一般車両通行禁止です。

車椅子利用者など歩行困難者に限り、森林館まで車で行くことができます。駐車場の誘導スタッフに、歩行困難であることを申告してください。その場で通行が許可されます。

ただし駐車場から森林館までの道は狭く、車のすれ違いができません。また歩行者がいます。慎重に運転して森林館を目指してください。

森林館には身障者用駐車スペースが2台分用意されています。もし満車の場合は、スタッフ用の駐車スペースを利用します。

檜原都民の森

森林館は研修棟と展示棟に分かれます。研修棟は木工教室などが開催される建物で、出入口には段差回避スロープが設定されています。

檜原都民の森

バリアフリートイレ、レストラン、休憩室、情報展示コーナーなどがあるのは展示棟です。展示棟は段差構造に見えますが、段差回避ルートが用意されています。

レストランの近くにあるメインエントランスは段差構造で、その横には2Fへの階段があります。

檜原都民の森

車椅子では棟の横にまわってください。段差回避スロープがあります。

檜原都民の森

展示棟の裏側に、休憩室がある2Fへ上がるスロープ路もあります。

檜原都民の森

森林館展示棟に2Fから、別棟の木材工芸センターへつながる空中通路もあります。

檜原都民の森

段差回避スロープから展示棟に入ったところに、バリアフリートイレが用意されています。スペースはやや狭い個室で、ウォームレット付の便座が備えられています。

檜原都民の森

レストラン「とちの実」はフラットな構造で、可動式のテーブル席があります。そば、うどん、カレー、丼ものと、ケーキセットなどが主なメニューです。

檜原都民の森

1Fの展示室はあまりスペースに余裕はありませんが、車椅子で見学できます。

檜原都民の森

展示室には都民の森で生きる様々な動物のはく製などが展示されています。

檜原都民の森

「檜原都民の森」の「森林館」は、奥多摩ドライブの途中に車椅子で休憩に利用できる施設です。

なお奥多摩町にある山のふるさと村については、別稿「奥多摩周遊道路 山のふるさと村 車椅子利用ガイド バリアフリー情報」を参照してください。

(本稿は2022年1月に執筆しました)

檜原森のおもちゃ美術館 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京都檜原村に2021年11月オープンした施設です。廃校になった小学校の跡地に、小学校のような雰囲気がある美術館が新築されました。檜原産の木材をふんだんに活用した空間で、小さな子供と家族が遊べる「体験型美術館」です。

檜原森のおもちゃ美術館

美術館と称していますが、内容は幼児向けの有料遊戯施設です。館内1Fと2Fの遊べるエリアが有料で、1Fのミュージアムショップと2Fの「さとやま食堂」、屋外施設は無料エリアです。有料エリアの入館料は障がい者減免制度があり、障がい者本人が無料に減免されます。

檜原森のおもちゃ美術館

幼児を連れた家族の利用を想定した施設なので、大人の車椅子利用者の来館は、積極的には想定されていません。そういう意味では新しい施設ですが、車椅子で利用する場合、バリアフリー面では注意すべき点があります。

アクセスは車が便利。山の傾斜地に建つ施設です。第一駐車場と第二駐車場と、1台分の身障者用駐車場があります。

檜原森のおもちゃ美術館

第一駐車場は未舗装路面の駐車場で、そこから階段を上がりエントランスに向かいます。階段の横にスロープ路が設置されていますが、ベビーカーの利用を想定したスロープ路で傾斜がきつく、車椅子での通行は苦戦します。

檜原森のおもちゃ美術館

車椅子利用者向けの身障者用駐車場は、エントランスと同じ高さの場所に1台分用意されています。ここに来るまでの車道は狭く、駐車区画の周囲もスペースに余裕がありません。大型の福祉車両の利用は困難、普通車でも運転が苦手なドライバーは苦戦します。駐車区画もそれほどスペースに余裕はありません。特に車両後部のスペースは狭い身障者用駐車区画です。

檜原森のおもちゃ美術館

身障者用駐車区画からはフラットに施設エントランスに移動できます。

檜原森のおもちゃ美術館

移動ルートの段差はすべて解消されています。

檜原森のおもちゃ美術館

エントランスに続くウッドデッキもフラットな構造です。

檜原森のおもちゃ美術館

檜原森のおもちゃ美術館は、土足禁止の施設です。入口で靴を脱いで入ります。エントランスに段差はありません。土足エリアで車椅子のタイヤを雑巾で拭いて、土足禁止エリアに車椅子のまま移動できます。今回取材時は、美術館側で雑巾を用意してくださいました。

檜原森のおもちゃ美術館

檜原森のおもちゃ美術館は2フロア構造の施設で、エレベーターがあります。このエレベーターの積載荷重は200kgまでで、それ以上重い電動車椅子は利用できません。

檜原森のおもちゃ美術館

かごはホームエレベーターサイズで、一般的なサイズの車椅子1台と介助者1名でほぼ満員になります。

檜原森のおもちゃ美術館

バリアフリートイレは、1Fのエレベーター横にあります。

無料エリアの1Fミュージアムショップはフラットな構造で、車椅子で利用できます。様々な木製おもちゃが販売されています。

檜原森のおもちゃ美術館

2Fの「さとやま食堂」は可動式のテーブル席があるので、席を選べれば車椅子で利用できます。

檜原森のおもちゃ美術館

有料エリアは元気な幼児向けの施設なので、車椅子向けではありません。車椅子では無理のない範囲での利用になります。

檜原森のおもちゃ美術館

屋外にツリーハウスのような施設があります。

檜原森のおもちゃ美術館

ツリーハウスへの入口に段差がある箇所があります。ここを乗り越えられれば、車椅子でツリーハウスに近づけます。

檜原森のおもちゃ美術館

2F「さとやま食堂」の窓から、ウッドデッキとツリーハウスの全貌を観ることができます。

檜原森のおもちゃ美術館

今回取材したのは日曜日のお昼ごろ。第一駐車場は満車で、有料エリアはかなりの混雑、食堂はウェイティングがかかっていました。檜原森のおもちゃ美術館は、開館以来大人気の施設です。

檜原村産のジャガイモを使った焼酎の醸造工場を併設した「ひのはらファクトリー」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2022年1月に執筆しました)

檜原村 ひのはらファクトリー 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京都檜原村に2021年7月オープンした施設です。檜原村産のジャガイモを使った焼酎の醸造工場、軽食コーナー、ヒノキなどを原材料にした物産品の販売コーナーなどがあります。

ひのはらファクトリー

アクセスは車が便利です。店舗の横が無料駐車場です。

ひのはらファクトリー

身障者用駐車スペースが1台分設定されています。駐車場からエントランス、店内にかけて、全く段差のないバリアフリー設計です。

ひのはらファクトリー

平屋構造で延床面積は約133坪。設計事務所のHPでは「建物は檜原産材を活用し、周囲の自然環境に配慮しつつ東京の観光スポットとなるデザインを意識した」と紹介されています。

ひのはらファクトリー

館内にバリアフリートイレがあります。ややスペースは狭い個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。

ひのはらファクトリー

内装はウッディなデザイン。大きな薪ストーブが設置されています。

ひのはらファクトリー

正面入口からみて、左側が物販コーナーと軽食コーナー、右側がジャガイモ焼酎の醸造所です。

ひのはらファクトリー

物販コーナーではひのはらファクトリーの指定管理者である(株)ウッドボックスが開発した、ヒノキの木工品や組み立てキット、ヒノキのエッセンシャルオイル関連商品などが販売されています。

軽食コーナーではカレー、コロッケ、クレープ、アイスなどを販売。館内のイートインスペースでいただくことができます。

ジャガイモ焼酎醸造所は窓越しに見学できます。

ひのはらファクトリー

酒造免許の取得は容易ではありません。檜原村では2003年から特産のジャガイモを使用した焼酎の醸造を計画し、2019年にやっと焼酎特区に認定されました。ひのはらファクトリーが開業した2021年からここで醸造を開始し、2022年2月から販売を開始する予定です。今回取材した時点では、まだ販売される焼酎のブランドやグレード、価格は未発表でしたが、その後「ひ乃はら物語」として販売が開始されました。

ひのはらファクトリーは車椅子で利用できるバリアフリー施設です。

奥多摩周遊道路にある「檜原都民の森」の情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2021年1月に執筆しました)