日本三大文殊菩薩の一つ、埼玉県熊谷市野原にある曹洞宗の名刹です。開山は1483年。合格祈願、学業成就など、知恵の菩薩様として信仰されています。

徒歩圏に駅はありません。アクセスは車が便利です。参拝者用の駐車場が第1から第3まで用意されています。もっとも本堂に近いのは第1駐車場です。山門の横から境内に入り、鐘楼門の先を左折します。

身障者用駐車スペースはありませんが、30台以上を収容する舗装路面の駐車場です。

第1駐車場からみた本堂。車椅子で問題なく移動できるフラットなルートです。

参道の入口に建つ山門(仁王門)は、江戸中期のものが今に残ります。熊谷市の指定文化財です。

参道の横には六体の地蔵様が祀られています。

鐘楼門は明治34年に再建されたもの。参道の中央部はデコボコがある石畳風の路面なので、車椅子では横の舗装路を通行してください。鐘楼門の下には、段差回避スロープが設置されています。

鐘楼門は立派な二階建ての構造で、梯子を昇る上階に大きな鐘があります。例年であれば除夜の鐘が突かれますが、2021年末はコロナ対策で中止すると案内されていました。

手水舎は段差がなく、車椅子で近づける構造です。今回の参拝時は、浄水はありませんでした。

本堂は昭和33年に再建されました。手前の3段には、スロープが設置されています。

このスロープはしっかりした構造の簡易スロープで、車椅子で通行できます。その先の5段の手前から車椅子でお参りします。

車椅子では上がれませんが、5段の上の参拝所には、千羽鶴などが色鮮やかに奉納されています。

本堂正面の壁には、巨大化した絵馬が飾られています。

本堂の横に寺務所などがあります。境内の多くはフラットな舗装路面です。

ウサギが護る石のベンチ。横に灰皿があるので、喫煙コーナーかと思われます。

他に本堂周辺にある見どころを紹介します。おそらく、大国主命と因幡の白兎の像。

2016年に没した37世蘭堂正典の像。同年の「参禅会」50周年を記念した碑。

「良き遊び よく学ぶ まめに働く 豆小僧」の洗心童子。

八菩薩像です。千手観音菩薩、虚空蔵菩薩、文殊菩薩、普賢菩薩、勢至菩薩、大日如来、不動明王、阿弥陀如来が祀られています。

「行雲流水 螢訪なう 文殊の地」と刻まれている金子兜太氏の句碑。

境内のトイレ棟には綺麗なバリアフリートイレがあります。

個室のスペースは一般的なサイズで、トイレットペーパー、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。

お寺のトイレとしては、最高レベルのバリアフリートイレだと思います。

武州野原の知恵の文殊寺は、舗装路面の駐車場と綺麗なバリアフリートイレがあり、本堂の段差に簡易スロープが設置されている名刹です。
(本稿は2021年12月に執筆しました)























