埼玉県羽生市には「羽生水郷公園」、隣接して「さいたま水族館」、道を渡り「キヤッセ羽生」と、3つの施設が並ぶ観光エリアがあります。車椅子からみた各施設のバリアフリー状況を詳しく紹介します。

〇駐車場のバリアフリー状況
アクセスは車が便利です。駐車場の利用は無料です。「羽生水郷公園」と「さいたま水族館」を利用する場合は、水郷公園の「北側駐車場」の利用が便利です。

駐車場のもっとも「さいたま水族館」に近い場所に、身障者用駐車区画が8台分ほど並んで用意されています。

前後左右スペースに余裕がある駐車区画です。

水郷公園にはもう一つ「南側駐車場」があります。「花の広場」に近い駐車場です。
「キヤッセ羽生」は、水郷公園の「北側駐車場」から道を挟んだ反対側にあります。「北側駐車場」から徒歩で移動出来る距離です。ただし、この間の歩道は舗装路ですがデコボコが激しく、車椅子での移動は快適ではありません。また駐車場内の車道を通り「キヤッセ羽生」に向かうと、最後の出口箇所に段差があります。車で移動して「キヤッセ羽生」の駐車場を利用することをお薦めします。
「キヤッセ羽生」の身障者用駐車区画は、産直ショップ「むじなも市場」前の駐車場に1台分あります。

もう一か所はわかり難い場所ですが、「地ビール工房」の裏側の見えにくい場所に1台分あります。

○バリアフリートイレの状況
「羽生水郷公園」には6つの公衆トイレがあります。そのすべてにバリアフリートイレがあります。
「さいたま水族館」には、水槽展示がある「本館」内に1つ、別棟「特別展示室棟」の外側から利用するトイレに1つ、バリアフリートイレがあります。

「特別展示室棟」トイレの設備は新しく、ウォシュレット付き便器、ユニバーサルベッドがあります。

「キヤッセ羽生」は事務所棟と「むじなも市場」棟に、外側から利用する男女別トイレがあります。

どちらのトイレも、男女別トイレの中に、車椅子が入る大きなサイズの個室が用意されています。

独立個室のバリアフリートイレはありません。

○羽生水郷公園のバリアフリー状況
「三田ヶ谷池」を中心に複数の池や水路があり、そのなかに広場などがある公園です。

地形としてほとんどアップダウンがなく、主要な散策路は舗装路です。道を選べば公園内の広範囲を車椅子で散策できます。

「水鳥の池」と「宝蔵寺沼」の間をつなぐ、木製の橋があります。段差解消部は雑な造りで、かなりデコボコな箇所もありますが、無理をすれば車椅子で通行できる水上の橋です。

天然記念物「ムジナモ」が自生するエリアは立ち入り禁止です。見学用の展望デッキがありますが、階段を上がります。
○さいたま水族館のバリアフリー状況
有料の施設ですが障がい者減免制度があり、本人と介助者1名の入館料が無料に減免されます。窓口で障害者手帳等を提示して、無料入館券を発券していただきます。さいたま水族館の入館券の印刷内容は複数のパターンがあり、それぞれ違う生物の紹介情報や、水族館の情報などが掲載されています。

淡水魚の展示水槽が並ぶ展示室です。

館内の通路はほとんどがフラットで、2か所ある段差箇所にはスロープがあります。

各水槽の前には、低い踏み台機能を果たす段差が設けられています。車椅子での水槽鑑賞は、この段差の手前からになります。

屋外にも展示コーナーがあります。ほとんどの段差箇所には迂回スロープがあります。

「チョウザメ池」には、階段を下りて池の水中を横から見学する場所があります。ここにはスロープはありません。

○キヤッセ羽生のバリアフリー状況
正式名称は「羽生市三田ヶ谷農林公園」です。体験農園エリアや「四季の丘」などのアウトドア施設は、未舗装で傾斜やデコボコがあります。

体験棟やビール工房施設もありますが、車椅子で利用する施設としては、直売所「むじなも市場」と、食事処です。

「むじなも市場」のエントランスおよび店内には、決定的な段差箇所はありません。出入口は手動の開き戸で、小さな段差はあります。

店内通路は、車椅子で通行できる幅が確保されています。

食事処「むじな庵」は、小さな段差は各所にある施設ですが、車椅子で利用できない決定的な段差はありません。席を選べば車椅子での利用は可能です。

屋外バーベキュー広場はフラット構造ではありませんが、車椅子で利用できるレベルのデコボコ路面です。

羽生水郷公園、さいたま水族館、キヤッセ羽生は無理をしない範囲で、車椅子で利用できる施設です。人気のエリアなので、週末は混雑に注意して下さい。
(本稿は2019年9月の取材に基づいています)