群馬県みどり市の岩宿遺跡は、日本列島には旧石器時代はないという学説をくつがえした遺跡です。戦後間もない1946年に相澤忠洋氏によって発見され、1949年から50年にかけて行われた発掘調査により、日本列島に縄文時代より前の文化が存在することが科学的に証明されました。
岩宿遺跡には車椅子で観覧できる2つの施設「岩宿博物館」と「岩宿ドーム」があります。両施設のバリアフリー状況を紹介します。
〇岩宿博物館のバリアフリー状況
1992年に開館した博物館です。アクセスは車が便利で、来館者用の無料駐車場があります。周辺には複数の駐車場がありますが、博物館に近いのは岩宿博物館第1駐車場です。身障者用駐車スペースが設けられています。

駐車場から一般道路を横断して、博物館のエントランスに向かうスロープ路の下に移動します。

スロープ路の下に、身障者用駐車スペースが2台分用意されています。車椅子利用者はこの駐車スペースを利用するとエントランスまでの移動距離が最短になります。

博物館の建物に沿った舗装スロープ路を上がります。傾斜は緩やかなので車椅子で移動できます。

スロープの上から振り返ると、広々とした芝生の傾斜地が広がっています。

芝生広場の先には大きな「鹿の川沼」があります。沼の先は桜並木です。

岩宿遺跡の周辺は、芝生、沼の他に「岩宿人の広場」「ちびっこ広場」などがある公園として整備されています。ただしアップダウンが激しい傾斜地なので、車椅子での散策には不向きな公園です。

博物館へ向かうスロープを上がると、その先のエントランスへは下り階段路になります。博物館の入口は下にあります。

車椅子は段差回避スロープ路へ迂回します。

スロープの入口まで30ⅿほど迂回します。

スロープを下り博物館エントランスに進みます。このスロープの傾斜も緩やかです。

スロープの下には、土器や土偶が屋外展示されています。

スロープを下りると博物館エントランスに到着します。出入口は自動ドアです。

岩宿博物館は有料の施設ですが、観覧料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。受付で障害者手帳等を提示して減免措置を受けます。

岩宿博物館は2フロア構造で、1F は企画展示室、2Fがメインの常設展示室です。1Fからエレベーターを利用して2Fへ移動します。やや狭いかごのエレベーターですが、普通サイズの車椅子は入ります。

2F展示室は広く「岩宿時代文化の発見」「岩宿の発掘」「人類の次代と環境」「岩宿時代の暮らし」などのテーマで展示されています。博物館では日本の旧石器時代を「岩宿時代」、その時代に生きた人々を「岩宿人」と称しています。

みどり市マスコットキャラクター「みどモス」の展示です。

旧石器時代の動物パネル展示。

人類の進化をイメージしたパネル展示があります。この展示スポットは子どもでも楽しめる展示です。

しかし基本は真面目で大人向きの展示です。発見された石器などが分類されて展示解説されています。

1Fの企画展示室は小さなお部屋で、車椅子で観覧できるフラットな展示室です。
バリアフリートイレは1Fにあります。スペースは一般的なサイズの個室で、ベビーベッドが置かれています。シンプルな設備のトイレです。

1Fのロビーにはオオツノシカの実物大展示があります。岩宿人は石器を使い、このような大型動物の猟をしていたと考えられています。

〇岩宿ドームのバリアフリー状況
相澤忠洋氏が多くの石器を発見した山中に建てられた無料公開施設で、岩宿の地層の展示と岩宿遺跡を紹介する映像コンテンツが放映されています。
岩宿博物館から徒歩3分の案内ですが、山道を上がるので、車椅子利用者は車で移動することをお薦めします。岩宿ドームの近くに小さな駐車場があります。そこからなら激しいアップダウンを回避して岩宿ドームに移動できます。

岩宿ドームの入口近くに、相澤忠洋氏の像が建立されています。発見した石器を観察している姿です。

岩宿ドームは山の中にあります。エントランス周辺に段差はありません。

地層の展示とスクリーンがある円形の施設です。中央部が映像をみる観覧スペースです。

榛名山、赤城山など関東周辺の火山の噴火によって、幾重にも地層が区分けされます。これによって石器の年代が特定できます。この地層が関東ローム層です。

地層の横の大型スクリーンで映像コンテンツがリピート放映されます。

「岩宿遺跡」自体は車椅子での探索が難しい、アップダウンがある未舗装の敷地に広がります。「岩宿博物館」と「岩宿ドーム」は車椅子で観覧できるバリアフリー施設です。
みどり市、草木湖の畔に建つ「富弘美術館」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2022年7月に書き直しました)