城の町、水の町、そして古い町並みが残る郡上八幡は、段差や坂が多い町です。郡上八幡のバリアフリー状況と、車椅子でのお薦め観光コースを紹介します。
郡上八幡は歩いて廻るには広い町です。町中の道は狭く、郡上八幡城方面は急な傾斜路。水が流れる小径は段差の下。車椅子利用者は車でのアクセスが便利ですが、駐車場は収容台数が少ない小規模なものばかりです。
車椅子での郡上八幡観光は、あまり欲張らずに無理のないコースを選ぶことをお薦めします。主な観光スポットのバリアフリー状況を紹介します。
○郡上八幡旧庁舎記念館とその周辺
郡上八幡でもっとも車椅子で利用しやすい施設は「郡上八幡旧庁舎記念館」です。
駐車場は表側が13台収容、裏側が16台収容。観光シーズンは満車確率が高い駐車場です。身障者用駐車区画は無く、駐車料金の障がい者減免制度はありません。裏側の駐車場に隣接した公衆トイレにバリアフリートイレがあります。
記念館内はショップと飲食コーナーがあり、それほどスペースに余裕はありませんが、どちらも車椅子で利用できます。横を流れる吉田川の流れを、親水遊歩道から車椅子で眺めることができます。
近くにある「いがわ小径」の横に出るには、段差を下りる必要があります。
○古い町並みの散策
「城下町プラザ」「郡上八幡博覧館」などがある柳町、職人町、鍛冶屋町、大手町一帯が「伝統的建造物群保存地区」です。駐車場は上記施設内の他に3カ所。もっとも大きな「カミタ駐車場」で収容は30台です。
この地区の駐車場を利用できれば、保存地区内は車椅子で散策が可能な程度の広さです。お城方面の坂道を避ければ、アップダウンも激しくはありません。ただし狭い道を車が通行するので、注意して下さい。
「城下町プラザ」と「郡上八幡博覧館」内にバリアフリートイレがあります。「郡上八幡博覧館」の入館料は、障がい者減免制度があり、本人が無料に減免されます。ただし館内はバリアフリー設計ではありません。「カミタ駐車場」近くにある名水「宗ぎ水」は段差のある構造です。
○郡上八幡城は階段の上
段差構造なので、車椅子では郡上八幡城は観光できません。
お城のすぐ下にある無料駐車場は約20台の収用。ただしとても狭い道を上るので、運転には気を使います。
お城の麓に「山之内一豊と妻の像」がある広場兼駐車場があります。ここまでの道はそれほど狭くはありません。観光シーズンで混雑している時は、無理をして上の駐車場を目指さずに、この広場から郡上八幡城を見上げることをお薦めします。ただしこの広場は未舗装路面です。
○郡上八幡駅周辺の状況
郡上八幡駅周辺から栄町、新町などを通り、古い町並み方面に行くのは、自転車が便利な距離です。道は舗装路でアップダウンはあまりありませんが、徒歩で散策するには距離があります。
「やなか水のこみち」沿いは、川石が敷き詰められた道なので車椅子で通行するとゴツゴツと衝撃がきます。無理のない範囲で車椅子観光をして下さい。
車椅子での郡上八幡観光は、混雑のピークを避けて、無理のない範囲で行動することをお薦めします。
「飛騨高山 高山さんまち」のバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2019年4月の取材に基づいています)