下水処理水が流れる せせらぎの里公苑 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

せせらぎの里公苑

東京都新宿区にある下水処理施設「落合水再生センター」の地上部につくられた公苑です。広さは約8,000㎡、水路や池には下水を膜ろ過処理した水が流れています。

アクセスは下落合駅から30秒、駅前立地の公苑です。来園者用の駐車場は身障者用も含めてありません。

せせらぎの里公苑

せせらぎの里公苑はほぼ全域を車椅子で散策できます。再生センターで綺麗になった水が、せせらぎとなり流れ、地域のボランティアさんが育てる四季折々の植栽が楽しめる公園です。藤棚もあります。こども広場があり、夏場はせせらぎでジャブジャブ遊びができます。

せせらぎの里公苑

東京都下水道局が管理する施設で管理事務所があります。

せせらぎの里公苑

そこにバリアフリートイレがあります。一般的なサイズの個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。公苑の公衆トイレとしては、とても綺麗なバリアフリートイレです。

せせらぎの里公苑

この公苑の地下に下水の第一沈殿室と反応櫓があります。公苑内にその様子をモデル化した解説版があります。

せせらぎの里公苑

下水を綺麗にする「膜ろ過法」の説明版もあります。水の分子だけが通れる膜の穴を使い、下水をせせらぎに変えます。

せせらぎの里公苑

ここで処理された水のほとんどは、神田川に放水されています。神田川の水は今ではとても綺麗で、高田馬場駅近くに設けられた「神田川テラス」は、夏場は川遊びの場として開放されます。川には鯉が泳ぎ、鮎が戻ってきた、という報告があがっています。

目黒川への放水も行っています。目黒川再生の影の立役者はこの「落合水再生センター」です。

神田川、目黒川などへの放水ばかりではなく、もう一段階手間をかけ、更に水を綺麗にして「新宿副都心水リサイクルセンター」にも送水しています。この水は西新宿や中野坂上のビルのトイレ洗浄用として活用されています。

公苑で使用されているレンガは、下水汚泥を焼却した灰を原料とした「メトロレンガ」です。せせらぎの里公苑はSDGsを推進しています。

せせらぎの里公苑

下落合のせせらぎの里公苑は、リサイクル技術を知ることができるバリアフリーな公苑です。

下落合には季節のお花が咲くお庭が美しいお寺「薬王院東長谷寺」や、春の新緑と秋の紅葉が人気の公園「新宿区立下落合野鳥の森公園」があります。それぞれ別稿で掲載しているのでご参照ください。

(本稿は2022年8月に執筆しました)