国立ハンセン病資料館 車椅子見学ガイド バリアフリー情報

国立ハンセン病資料館

東京都東村山市の多磨全生園内にある「国立ハンセン病資料館」は、車椅子で見学ができる施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

国立ハンセン病資料館

「ハンセン病に対する正しい知識の普及啓発による偏見・差別の解消及び患者・元患者の名誉回復を図る」ための資料館です。らい予防法が廃止されたのが1996年。その3年前の1993年に、資料館の前身である「高松宮記念ハンセン病資料館」がこの地に誕生しました。

らい予防法違憲国家賠償請求訴訟で、国が控訴を断念して原告勝訴が確定したのが2001年。資料館は2005年から約2年間増築改修工事を行い、「国立ハンセン病資料館」として現在の姿で開館したのが2007年です。

「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」が施行されたのが2009年。その第18条に「国立のハンセン病資料館の設置」がうたわれています。法律の制定・施行よりも、設置が先行した資料館です。

公表されているデータで、令和元年5月1日現在、全国のハンセン病療養所に入所している人が1,211名。多磨全生園には、156名が入所しています。

国立ハンセン病資料館

アクセス方法です。徒歩圏内に駅はありません。車椅子利用者は車、タクシーの利用が便利です。

全生園の門とは別に、資料館専用の出入口があります。資料館の前庭周辺が駐車場で、身障者用駐車区画は建物入口の横に2台分屋根付きで用意されています。

国立ハンセン病資料館

身障者用駐車スペースから資料館のエントランスまで、庇があります。雨天でも車椅子で見学ができます。

国立ハンセン病資料館

入館無料の資料館です。現在はコロナ対策で事前予約制です。検温、手指消毒をして館内に入ります。受付で記帳をして入館手続きを行います。資料館の案内など各種のパンフレット類をいただけます。

国立ハンセン病資料館

資料館は2階建てで、1Fはロビーやギャラリー、映像ホール、研修室など。2Fが展示室と図書室です。エレベーターは2カ所にあり、車椅子での上下階移動に問題はありません。

バリアフリートイレは、1Fと2Fに各2つ配置されています。

国立ハンセン病資料館

下の写真は1Fのトイレ。ユニバーサルベッドが用意されています。

国立ハンセン病資料館

常設展示は車椅子からの見学が可能です。展示室内には車椅子で通行不能な段差はありません。

1Fロビー内から展示が始まります。最初の展示は「国立ハンセン病資料館の歩み」。設立準備段階の資料、現資料館のジオラマなどが展示されています。ここをみれば、どういう経緯でこの資料館が誕生したのかがよく解ります。一つ一つが重い歴史の積み重ねです。

その先には「導入展示」と題されたゾーンがあり、実際に療養所で使われた「消防団服」「ホース車」「映写機」などが展示されています。これらの展示は、生涯療養所から出ることができない入居者の、生活の在り方を象徴するものとして展示されています。

2Fの展示室です。常設展示室は3室あります。第一展示室のテーマは「歴史」。古代から現代までの日本におけるハンセン病の歴史を、通史的に展示しています。

第二展示室のテーマは「療養所」。強制収容、療養所の生活実態、断種中絶、学校などの実態の展示です。元患者の証言の放映もあります。

第三展示室のテーマは「生き抜いた証」。病気の正体が解り、治療薬が出来て、差別偏見との戦いが始まる。そして現在のハンセン病の状況などの展示です。

ハンセン病は昔の問題ではなく現在の問題です。現在でも世界では、アフリカ、インド、南米などで、多くの患者が発症し、適切な治療を求めています。常設展示は、ハンセン病への偏見と差別の歴史と現実が学べる内容です。

2Fに企画展示室があり、年間2本の企画展が開催されています。

国立ハンセン病資料館

国立ハンセン病資料館の常設展示は、この病気の問題について意識が高く、ある程度事前知識がある人に照準をあわせた内容です。全く知識の無い人は、少し予習をしてから見学することをお薦めします。

国立ハンセン病資料館は、全館車椅子で見学ができる施設です。

(本稿は2021年8月に加筆修正しました)

別稿で草津の施設「ハンセン病負の遺産 重監房資料館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報」を掲載しています。ご参照ください。