「たばこと塩の博物館」は、1978年に当時の「日本専売公社」、現在の「日本たばこ産業(株)」によって渋谷公園通りに設立されました。そして2015年に現在の場所、東京都墨田区に新築移転した博物館です。
アクセスは「とうきょうスカイツリー駅」から徒歩8分、押上駅からは徒歩12分の案内です。駅から距離がありますが、周辺はほとんどアップダウンがないエリアなので、車椅子での移動は可能です。
一般来館者用の駐車場はありませんが、身障者用駐車場があります。電話による事前予約制で、駐車料金は無料です。正面入口側から進入してください。

駐車場の出入口は、通常パイロンが置かれています。予約時間が近くづくと、警備スタッフの方が出入口付近にきて、予約した車両がきたことを確認するとパイロンを動かし、駐車区画に誘導してくださいます。したがって、なるべく予約時間に正確に来館することをお薦めします。簡単な記帳をしたのちに駐車許可書が渡されるので、ダッシュボードの上など見える場所に掲示します。帰るときはエントランス付近にいる警備スタッフの方に声をかけて、駐車許可書を返却し、パイロンを動かしていただいて出庫します。

正面入口の横にシンボルモニュメントがあります。「たばこと塩の博物館」が渋谷公園通りに開館した1978年に製作されたモニュメントで、渋谷から移転されました。19世紀にスウェーデンのたばこ屋が看板として使用した像が原型です。

「たばこと塩の博物館」は段差のないバリアフリー構造な施設です。正面入口の自動ドアを通り館内へ入ります。入口にある巨大な置物は岩塩のレリーフです。

「たばこと塩の博物館」の入館料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。1Fの受付で障害者手帳などを提示して無料入館券を発券していただきます。
博物館は1Fから5Fまでの構造です。1Fは受付と「ミュージアムショップ」「ワークショップルーム」。2Fは「塩の世界 常設展示室」と企画展などが開催される「特別展示室」。 3Fは「たばこの歴史と文化 常設展示室」「コレクションギャラリー」と「視聴覚ホール」そして「喫煙室」。4Fは資料を無料で閲覧できる小さな「図書閲覧室」。5Fは椅子が配置された「多目的スペース」と「喫煙室」です。
館内のエレベーターは1基で、かごのサイズは大きなエレベーターです。

バリアフリートイレは1F、2F、3Fに用意されます。1Fのトイレがもっとも大きなサイズの個室です。

ウォシュレット付き便器、オストメイト装置、ユニバーサルベッドが備えられています。

2Fと3Fのバリアフリートイレも綺麗なトイレで、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。

各フロアの状況です。1Fのミュージアムショップは大きなお店ではありませんが、ユニークなオリジナル商品が並ぶ面白いショップです。フラットで店内通路は車椅子が移動できる幅が確保されています。

2Fの常設展示室は「塩の世界」。エレベーターホールに巨大な岩塩が展示されています。

展示室に入ります。フラットでスペースに余裕がある展示室です。

岩塩の彫刻「聖キンガ像の祭壇」のレプリカです。ポーランドに実在する岩塩の祭壇です。

古代からの塩造りが紹介されています。世界には様々な塩田があります。

塩に関する科学的な知見の紹介があります。このコーナーの内容は科学館的です。

世界の塩を紹介するハイテク系展示があります。車椅子から観覧可能です。

2Fには特別展示室があり、年間5本程度の展覧会が開催されます。通常別途料金はかかりません。入館料だけで観覧できます。今回取材時は「塩袋と伝統のギャッベ展」が開催されていました。特別展示室もバリアフリーなスペースです。

ロビー空間には所蔵品の検索などができるコーナーがあります。

3Fへ上がります。3Fはタバコのフロア。喫煙室が設けられています。

3Fの常設展示室「たばこの歴史と文化」に入室します。この展示室もフラットでスペースに余裕があるバリアフリースペースです。

古代マヤ文明の「十字の神殿」が復元されています。

そこには「たばこを吸う神」が描かれています。

下の写真が「たばこを吸う神」です。

日本の江戸時代のたばこ文化の紹介コーナーです。たばこは日常生活を彩る文化でした。

おびただしい数のたばこ関連コレクションの展示があります。大蔵省専売局により、昭和7年から本格的に蒐集されたコレクションの一部です。キセル、パイプなどの器具、煙草が描かれた浮世絵などが展示されています。

懐かしい道具や機械の展示があります。

昭和のたばこ屋さんの再現展示です。

歴代のたばこ製品やポスターが時系列に展示されています。3Fの常設展示室「たばこの歴史と文化」は車椅子で観覧できます。

4Fの図書閲覧室は大きなスペースではありませんが、車椅子で利用できます。図書の閲覧、ビデオ映像の視聴ができます。

5Fの多目的スペースは広い空間で、休憩など自由に利用できます。壁面には専売事業の年表が掲示されています。

「たばこと塩の博物館」は、車椅子で利用できるユニークなバリアフリー博物館です。
別稿で東京のユニークな博物館をまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2022年5月に書き直しました)
 
					