東京都港区高輪にある物流博物館は、1988年に開館した車椅子で観覧できる物流の専門博物館です。日本通運本社内にあった「通運史料室」が前身で、現在は公益財団法人利用運送振興会が運営しています。「時代を担うこどもたちにも楽しく物流に関心を持ってもらうことを目的」としているので、専門性が高いながらも、楽しく学べる展示が用意されています。

アクセスは品川駅または高輪台駅から、それぞれ徒歩7分の案内です。高輪の高台に建つ施設で、周囲はアップダウンがある地形です。特に品川駅からアクセスすると、急な上り坂を通行します。
エントランス前のフリースペースが、来館者用の駐車場を兼ねています。駐車区画の線引きはありませんが、整列して駐車すれば5台程度は駐車できます。

敷地面積は123坪で、博物館の出入口は開閉式の手動ドアです。車椅子利用者は介助者がいると助かる構造のドアです。

物流博物館は入館料の障がい者減免制度があり、本人と介助者2名まで無料に減免されます。1Fの受付で障害者手帳等を提示して減免措置を受けます。

一般公開されているのはB1から2Fまでの3フロアです。1Fが「物流の歴史」、B1が「現代の物流」、2Fの映像展示室には体験コーナーがあります。2Fの図書コーナーは予約制です。B2は収蔵庫で一般公開されていません。

バリアフリートイレは1Fにあります。通常は鍵がかけられていて、窓口に申告して鍵を開けていただいて利用します。

エレベーターは1基あり、B1から2Fをつなぎます。

かごのサイズは大きいエレベーターです。大型の車椅子が乗り込めます。

展示のバリアフリー状況です。1F展示室はフラットな構造で壁面展示とケース内展示が併用されています。

ケース内展示は低い高さからの目線で観覧できるように工夫されています。

ジオラマ展示は車椅子からの目線で十分観覧できます。

壁面展示ケースも低い位置からガラス面で、車椅子で見やすい展示です。

ケース内で平らに置かれた資料も、台の位置が低いので、車椅子から観覧できます。

B1展示室にエレベーターで移動します。B1は子供向けに工夫された展示があります。

「陸・海・空の物流ターミナル」は、鉄道、トラック、コンテナ船が動きます。車椅子から観覧できます。

マスコットキャラクター「カーゴ君」が活躍するタッチパネル式のゲームマシンがあります。時間とコストを検討しながら輸送方法を考えるゲームで、問題は大人でも間違えるレベルです。車椅子からなんとか操作できます。

B1のケース展示も位置が低いので車椅子から観覧できます。

エレベーターで2Fへ上がります。映像展示室は小さいフラットなスペースです。

体験コーナーには「運びくらべ」があります。昔の道具を体験できる企画です。

物流博物館は専門性が高い施設ですが、子供向けの展示企画があるので、家族で観覧できるバリアフリーな博物館です。
東京にあるユニークな博物館を別稿でまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2022年7月に書き直しました)