富山県 魚津埋没林博物館 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

富山県魚津市の「魚津埋没林博物館」は、特別天然記念物の埋没林と富山湾の蜃気楼がテーマの博物館です。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

埋没林とは、2000年前に自生していた巨大な杉が、そのまま海中に埋没した木の根っこです。1950年代に魚津港の建設工事で発掘されました。発掘された場所がここで、そのままの状態で展示館が建設されました。

駅からは徒歩20分の案内。アクセスは車が便利です。博物館は海沿いにありますが、駐車場は道路の反対側にあります。駐車場は無料です。

駐車場からスロープを下ると、博物館の「エントランスホール」があります。そこから入館して、道路の下を通る「連絡通路」を進みます。この間は傾斜路ですが段差は無く、車椅子での移動に大きな問題はありません。

アクセス方法

2017年の取材時は「エントランスホール」から有料エリアでしたが、現在では「連絡通路」の先「テーマ館」の1Fまでは無料エリアです。また「テーマ館」1Fから屋外に出た先にある「蜃気楼の丘」も無料で利用できます。

有料エリアは「テーマ館」の2F・3F・屋上。別棟の「水中展示館」「乾燥展示館」「ドーム館」です。

博物館の概要

有料エリアの入館料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が約半額に減免されます。バリアフリートイレは「テーマ館」1Fにあります。館内の見学コースは段差解消されたスロープ路です。「テーマ館」にはエレベーターが1基あり、車椅子で上下階移動が出来ます。基本的にはバリアフリーな施設です。

取材時、段差のため唯一車椅子で利用できなかったのは、蜃気楼を眺める「テーマ館」の屋上「展望台」でした。

次に各有料エリアのバリアフリー状況を紹介します。

「テーマ館」2Fのハイビジョンホールは、埋没林と蜃気楼の解説映像をそれぞれ10分間放映します。大きなビジョンに向って長椅子ベンチ席と階段席があります。車椅子ではベンチ席周辺からビジョンを見学します。フラットな床面でスペースに余裕があるので、車椅子での鑑賞は可能です。埋没林と蜃気楼の理解がとても深まる内容です。最初にハイビジョンホールで勉強することをお薦めします。

テーマ館から各展示棟へ移動します。その間はスロープルートが整備されています。

水中展示館は、縦8m、横16m、深さ2.5mのプールの中に、この場で発掘された埋没林がそのままの状態で水中に展示されています。プールをまわる見学通路は車椅子で問題なく移動できます。

水中展示館のバリアフリー状況

スロープを通り乾燥展示館へ移動します。ここでは発掘された埋没林が、乾燥した状態で展示台の上に展示されています。展示物に触れる展示です。車椅子から乾燥埋没林に手が届きます。

乾燥展示館から少し距離の長い移動通路を通りドーム館へ移動します。ドーム館は、埋没林の発掘現場に「ドーム」をかぶせた施設です。1988年に実際に発掘調査された現場が、そのままの状態で展示されています。半地下構造ですが、ドーム館内の見学通路も車椅子で問題なく移動できます。

ドーム館のバリアフリー状況

魚津市は、蜃気楼出現確率を示す「蜃気楼予報」を発表しています。HPで公開され随時更新されます。埋没林博物館でも、最新の「蜃気楼予報」が掲示されています。

魚津市の蜃気楼予報

「魚津埋没林博物館」は、屋上以外は車椅子で見学ができるバリアフリー施設です。1時間の見学で、埋没林と蜃気楼に詳しくなる博物館です。

(本稿は2017年5月の取材で初稿を執筆し、その後行われた施設改修に基づき2019年10月に加筆修正しました)

なお富山には富山湾名産のホタルイカを紹介する専門ミュージアム「ほたるいかミュージアム」があります。別稿で紹介していますので、是非ご覧ください。