富山県滑川市にある、富山湾名産のホタルイカを紹介する専門ミュージアムです。「ほたるいかミュージアム」は車椅子で利用できます。現地のバリアフリー状況を紹介します。
富山湾岸に建つ「ほたるいかミュージアム」へのアクセスは、滑川駅から徒歩8分、車利用なら滑川ICから約10分。車椅子利用者は車の利用が便利です。
施設全体の名称は「道の駅ウェーブパークなめりかわ」。24時間利用できる公衆トイレがあります。「ほたるいかミュージアム」の他には、温浴施設「タラソピア」、深層水の販売所「アクアポケット」が営業しています。
道の駅認定を受けている施設です。基本構造はバリアフリーで、施設全域車椅子での利用に大きな問題はありません。
ほたるいかミュージアムのバリアフリー概況です。ミュージアムは2フロア構造で、施設全般バリアフリー構造です。バリアフリートイレがあり、車椅子での利用に大きな問題はありません。
入館料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が減免されます。現時点では、生きたホタルイカに会える3月下旬から5月下旬の2か月の入館料は800円で、障がい者は100円引きの700円。この期間以外の入館料は600円で、障がい者は50円引きの550円に減免されます。

受付は1F。入館手続きをして展示室内へ向かいます。1Fがメインの展示フロアで、ホタルイカの発光ショーが行われる「ライブシアター」などがあります。
館内はエレベーターとスロープがあり、車椅子での上下階移動は可能。2Fは「ミュージアムギャラリー」と「ミュージアムシアター」があります。各コーナーはすべてフラット構造なので、車椅子で利用できます。
生きたホタルイカに会える2か月間、ホタルイカの漁期3月下旬から5月下旬の状況です。ミュージアムのスタッフが、毎朝漁師さんに同行して、生ホタルイカを捕獲します。
1F中央部に特設タッチプールがあり、生きたホタルイカが泳いでいます。そこには「生食禁止」という掲示があります。またホタルイカは、人間が怪我をするような力はありませんが、噛むことがあるので注意が必要です。
ホタルイカの発光ショーは1Fの「ライブシアター」で開催されます。正面にスクリーンがあり映像が流れます。スクリーンの下にプールがあり、ホタルイカが泳いでいます。車椅子で入場すると、フラットに移動できるスクリーン正面の最前列に案内されました。
最初に、ホタルイカの映像を見て解説を聞き、ホタルイカの生態を学びます。健常な人は映像が終わると、階段を下りてホタルイカが泳ぐプールの横に移動しますが、車椅子の人は席と同じ高さの位置からの見学です。すべてスタッフが誘導してくれるので、指示に従って下さい。
発光ショーは場内を真っ暗にして、プールに張った網を皆で引き上げて、ホタルイカに刺激を与えて発光させます。ここでしか見ることができない淡い輝きです。健常者よりは高い位置からの見学になりますが、車椅子から発光を観察することができます。
ホタルイカ禁漁期の10か月間は、LEDライトによるホタルイカの発光イメージショーと発光性プランクトン「竜宮ホタル」の発光ショーが行われます。
「ほたるいかミュージアム」と同じ建物内の無料ゾーンには、2Fにレストラン、1Fにカフェとお土産マーケットがあり、いずれも車椅子で利用できます。
カフェでは揚げたてのホタルイカスティックを販売。それを挟んだホタルイカバーガーもあります。

発光ショーでの解説から、ホタルイカの豆知識を紹介します。ホタルイカは深海の生物。深海で生殖活動を終えると、オスは深海でそのまま死に、メスは中間層まで浮上して産卵し、その後海面に浮かび死にます。
富山湾滑川のホタルイカ漁は、底引き網などは使わないで、産卵後に海面に上がってきた、死ぬ前のメスのホタルイカを海面で捕獲しているそうです。したがって乱獲による生態系への影響など無縁。私たちが食べる富山湾のホタルイカはすべて、産卵後の死ぬ前のメスということです。
「ほたるいかミュージアム」は、周辺施設も含めて車椅子で利用できます。「ライブシアター」の車椅子での見学は、スタッフの指示に従ってください。
(本稿は2017年5月の取材に基づいています)